ジョホールバル訪問(2026年5月)JB発展の焦点はRTS駅周辺、残る公共交通不足の課題

ジョホールバル訪問(2026年5月)

JB発展の焦点はRTS駅周辺、残る公共交通不足の課題

東南アジア株式新聞 2026年5月6日


5月2日〜5日の日程でマレー半島南端の都市ジョホールバル(JB)を訪問した。

(うち3日の昼間はシンガポールへ日帰り旅行)


2025年1月から始まったジョホールバル・シンガポール経済特区(JS-SEZ)で、

ジョホール州への開発投資は拡大している。

データセンターや工場が増えても、JBへの影響は小さい。


JB発展の焦点は現在、シンガポールとの間の高速鉄道「RTS(Rapid Transit System)」が

2027年1月の開業に向けて建設されていることだ。

新駅ブキ・チャガー(Bukit Chagar)駅が、イミグレーション施設と連結しているKLセントラル駅の

北側にできる。


その周辺こそが開発の中心となっているが、JBの街全体を見れば公共交通が圧倒的に不足している。


   
建設中のBukit Chagar 駅(JBセントラル駅側から撮影)
建設中のBukit Chagar 駅(JBセントラル駅側から撮影)



RTS駅周辺の開発ラッシュ


JBのブキ・チャガー駅とシンガポールのウッドランズ・ノース駅を結ぶ約4キロの電車路線が

注目されるのは、4〜6分間隔で運行される予定であり、大量に人を運べるようになるからだ。


現在のマレーシア国鉄(KTM)のシャトル線は、1時間に1本程度であり、チケットはすぐ売り切れる。

多くの人が30分ほど列に並びシャトルバスを利用している。

それに比べれば、RTS時代には人の往来がものすごく簡単になる。

同時に、両国間タクシーの改善も図られている。

最近、両国間タクシーの配車免許をグラブが得た。


シンガポール人がショッピングや行楽に、マレーシア人が仕事や行楽で、

移動する量が増えるのは間違いない。

RTSのイミグレは乗車前1回で済む計画で、外国人にとっても陸路の国境越えが便利になる。


ブキ・チャガー駅は、大手建設会社サンウェイが参加して、大型複合ビルとして建設されている。

低層がショッピングモール、高層が高級ホテルやレジデンスになる。




今まではモールが各地に乱立しているが・・・


JBでは、今までもショッピングオールがあちこちに作られ、乱立している。


現在人気のあるショッピングモールは大型の2つ。


JBセントラル駅から北東方向へ車で10数分で行けるミッドバレー・サウスキー(Midvalley Southkey)。

オフィスタワー2棟と4つ星ホテルに接続し、総合病院もある。

  
ミッドバレー・サウスキー・モール内部(JB)
ミッドバレー・サウスキー・モール内部


もう1つは、JBセントラルから北西方向へ20数分のパラダイム(Pradigm)モール。

ハイアット系のホテルと連結、デパート「Parkson 百盛」も入っている。

アイススケートリンクがある。

     
パラダイム・モール(JB)
パラダイム・モール


これらはクアラルンプールの大型モールに匹敵する店と客の量がある。


最近開業したモール、SKS City Mall は、JBセントラルから車で10分ほど。

シェラトンホテルと連結し、周囲にコンドミニアムが立ち並ぶ。

やや小型のモールだが、5月開業でまだ1/4しか店舗スペースが埋まっていない。


それより注目を集めているのは、コロネーション・スクエア(Coronation Square)のモールだ。

同地は、JBセントラル駅と渡り廊下でつながった2つのモール(南からシティスクエアとコムター)の

すぐ北側に位置する。

「JB最大のモール」と宣伝されているのに加え、オフィスビル、コンドミニアムも同時に建設中だ。

ヒルトン系ホテルがすでに近くにある。

  
建設中のコロネーション・スクエア(JB、2026年5月3日)
建設中のコロネーション・スクエア



公共交通網の整備についてシンガポールをまねてほしい。


今回、JBセントラル駅近くのホテルを取った。

ミッドバレー・サウスキーのモールへバスで行けないかとGoogle検索してみたら、モールにはバス停が

ある。

ホテルにもいちおうバス停は近くにある。

実際に行こうとしたが、そのバス停は片側3〜4車線の幹線道路の向こう側で、

信号付き横断歩道も陸橋も近くにはない。

あきらめて、Grabを使った。


信号も陸橋もないのは、マレーシアではよく出くわす光景だ。

それでもクアラルンプール中心部は電車とバスでたいていと場所へ移動できる。

これに対し、JBに住もうと思えば車なしでは不可能だ。

いくら税制などで特典があっても、JB移住者は急速には増えないだろう。


これに対し、隣国シンガポールは電車とバスが使いやすい。

タクシーやGrabを使わなくても、たいていの場所に電車かバスで行ける。

クレジットカード(デビットカード)のタッチ式でそのまま乗れるので、外国人でもすぐ使える。

もちろん住民は通勤・通学に困らない。


せっかく共同でJB-SEZプロジェクトを進めているのだから、

JBの公共交通網もシンガポール並みに発展させてほしい、と個人的に希望している。


余談。

駅などでコンドミニアムのセールスが多く店を出していたので、パンフレットをもらって

金額を調べてみた。

  • JBセントラルから車で20数分のタマン・モレク地区でRM424,800~694,800なんてのがあった。

日本円で1680万〜2748万円ほどだ。

  • RTSすぐ北東で「(車で)6分」と書かれた建設中コンドは、「RM700PSP」。

1平方フィートあたり700リンギ(約2万8,000円)。

2LDK換算で560,000リンギ、3LDK換算で770,000リンギほどのようだ。



 

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