企業研究|サイアム・セメント・グループ(SCG=THE SIAM CEMENT PUBLIC COMPANY LIMITED、SET:SCC)

 


東南アジア株式新聞 2025年2月1日


企業研究|サイアム・セメント・グループ(SCG=THE SIAM CEMENT PUBLIC COMPANY LIMITED、SET:SCC)


  • タイの代表的な複合企業

  • 主要事業は、セメント・建材、化学、包装、その他(紙、物流など)

  • 多くの日本企業との協力関係


  
SCG株の1年間(2025年1月31日、Google Finance より)
SCG株の1年間(Google Finance より)



SCGの2024年度業績は前年度比で収益2%増、純利益76%減


SCGの2024年連結決算(1月30日発表):

https://scc.listedcompany.com/misc/FS/20250129-scc-fs-4q2024-unreview-en.pdf

プレゼン資料:

https://scc.listedcompany.com/misc/presentations/20250130-scc-analyst-conference-q42024.pdf


SCGの2024年度決算資料より
SCGの2024年度決算資料より

(スライド上部の説明文)

2024年第4四半期の損失は5億1200万ドルで、SCCの一時的な事業リストラ費用に加えて、主にロンソン石油化学(LSP)の減価償却費やその他の費用を計上。

 2024年第4四半期は、SCGはLSPを除けば2,754MBの利益を上げている。



日本経済新聞の1月31日の記事:

タイSCG、24年純利益76%減 ベトナム石化事業で評価損 - 日本経済新聞


タイ素材最大手のサイアム・セメント・グループ(SCG)は30日、2024年12月期の連結純利益が前の期比76%減の63億バーツ(約290億円)だったと発表した。ベトナムで新設した石油化学コンビナート事業の評価損などを計上したことが響いた。

売上高は2%増の5111億バーツ、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)はほぼ横ばいの539億バーツだった。主力の化学や包装事業の販売量が増えた効果が出た。二酸化炭素(CO2)排出量の少ない「グリーン建材」なども好調だった。



Bangkok Post の1月31日の記事:

サイアム・セメント・グループ、今年は収益5%増を見込む

SCG sees 5% growth in revenue this year


タイ最大のセメントメーカーで産業複合企業であるタイ証券取引所に上場しているサイアム・セメント・グループ(SCG)は、タイとASEAN経済の回復により、収益が2024年の5110億バーツから今年は5%増加すると予想している。


2024年に大きな損失を計上したため、2025年は身軽になる。経済が回復すれば、収益・利益とも伸びる見通しが立つ。

ASEAN全体はともかく、タイの経済がどれだけ強く回復するかがカギとなりそうだ。


大きな損失の原因であるベトナムの石油化学コンビナートについては、日経新聞の記事がある。


日本経済新聞の2024年12月23日の記事:

タイSCGのベトナム石化工場 2週間で停止、市況悪化 - 日本経済新聞


タイ素材最大手サイアム・セメント・グループ(SCG)の成長戦略が岐路に立たされている。ベトナムで新設した石油化学コンビナートがわずか2週間で稼働を停止。中国勢の増産などでアジアでの需給バランスが崩れ、市況が悪化していた。低コストの原材料を使って生産するなどして主力事業の立て直しを図る。

ベトナムの最大都市ホーチミンから南に約40キロメートル。バリア・ブンタウ省に新設されたSCGの「ロンソン石油化学コンビナート」が10月中旬、稼働を停止した。9月末に本格的な商業生産を始めたばかりだった。




商船三井がSCGケミカルと液化エタン船3隻の長期用船契約


商船三井の1月24日の発表:

タイ素材最大手 サイアム・セメント・グループ向け液化エタン船3隻の長期用船契約を締結 ~液化エタン船事業のリーディングカンパニーとして世界最大級の船隊規模を更に拡大~ | 商船三井


株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区)のグループ会社であるMOL ENERGIA PTE. LTD. (マネージング・ダイレクター:小倉 美樹、本社:シンガポール)は、タイ素材最大手のサイアム・セメント・グループ社(SCG社)の完全子会社であるSCGケミカルズ社(本社:タイ、SCGC社)との間で、新造液化エタン専用船(Very Large Ethane Carrier)3隻の長期用船契約を1月23日に締結しました。本船は、SAMSUNG HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.(三星重工業、本社:韓国)にて建造予定の10万立方メートルのVLECで、2027年に竣工予定です。また、エタン二元燃料推進機関を搭載しており、従来の重油燃料船と比較し温室効果ガス、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を抑制できる仕様としています。



以下、Gemini に、SCGの概要と歴史、日本との関係をまとめてもらった。

Siam Cement Group (SCG) の概要

Siam Cement Group (SCG) は、タイ最大のコングロマリット企業の1つです。1913年にタイ国王ラーマ6世によって設立され、100年以上の歴史を持っています。

主な事業内容

SCGは、セメント・建材、化学、包装、その他(紙、物流など)の4つの主要事業を展開しています。

  • セメント・建材: タイ国内のインフラ整備に貢献し、セメント、建設資材、住宅ソリューションなどを提供しています。

  • 化学: 石油化学製品、ポリマー、その他化学製品を製造・販売しています。

  • 包装: 紙製品、段ボール、フレキシブル包装などを製造・販売しています。

  • その他: 紙製品、物流サービス、その他事業を展開しています。

特徴

  • タイを代表する企業: SCGは、タイの経済発展に大きく貢献してきた企業です。

  • 多角的な事業展開: セメント・建材事業を基盤に、多角的な事業展開を行っています。

  • 海外展開: 東南アジアを中心に、積極的に海外展開を進めています。

  • 技術革新: 技術革新を重視し、研究開発に積極的に投資しています。

  • サステナビリティ: 環境問題や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

歴史

  • 1913年: タイ国王ラーマ6世により設立。

  • 1915年: バンスー工場でセメント生産を開始。

  • 1970年代: 石油化学事業に進出。

  • 1980年代: 包装事業に進出。

  • 1990年代: 海外展開を本格化。

  • 2000年代以降: 技術革新とサステナビリティを重視した事業展開を推進。

その他

SCGは、タイ証券取引所(SET)に上場しており、SET50指数の構成銘柄にも選ばれています。

日本との関係

Siam Cement Group(SCG)と日本の関係は深く、多岐にわたります。

合弁事業・提携

SCGは、多くの日本企業と合弁事業や提携関係を結んでいます。

  • クボタ: 1970年代から、農業機械や建設機械の製造・販売を行う「Siam Kubota」を共同で設立し、タイの農業機械化に貢献してきました。

  • トヨタ自動車: タイにおける自動車産業の発展に貢献しています。

  • トッパン印刷: 包装事業で協力関係にあります。

  • レンゴー: 段ボール事業で協力関係にあります。

  • 日本製紙: 紙パルプ事業で協力関係にあります。

  • ヤマト運輸: 物流事業で協力関係にあります。

  • 三井化学: 石油化学事業で協力関係にあります。

これらの合弁事業や提携を通じて、SCGは日本の技術やノウハウを導入し、事業を拡大してきました。また、日本企業にとっては、SCGのネットワークを活用してタイ市場や東南アジア市場への進出を促進するメリットがあります。

技術協力

SCGは、日本の企業や研究機関と技術協力を行っています。

  • 日立製作所: IoTを活用した工場のエネルギー省力化や流通業務の効率化で協業しています。

  • 日本製鉄: CO2分離回収・利用技術の導入に向けた協業を行っています。

これらの技術協力により、SCGは環境負荷の低減や生産効率の向上を目指しています。





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