アリババとアップルのAI提携で、中国AI株ブームは燃え上がるのか
東南アジア株式新聞 2025年2月13日
アリババとアップルのAI提携で、中国AI株ブームは燃え上がるのか
アップルとアリババがAIで提携するーー2月11日に一部の報道から燃え始めた中国AI株ブームは、13日にも燃料を得た。
アリババの会長がアップルがアリババのAIを使うことを明言したためだ。
ただ、13日の香港株市場を見ても、テンセントやシャオミが売られており、最先端AI開発・実用化競争に勝ち残れそうならどの銘柄でも買うという投資家の行動は見られない。
中国スタートアップのディープシークの登場で、中国のハイテク技術力を見直す向きもあるが、アリババ以外に強力な銘柄はまだ出てきていない。
アリババ(Alibaba Group、HKEX: 9988)だけの、にわか人気か、それとも・・・。
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香港のアリババ株の1年間(HKEX公式サイトより) |
CNBCの2月13日の記事:
アップルは中国での iPhoneにアリババのAIを組み込む、ジョー・ツァイ会長が語る
Apple will integrate Alibaba's AI into iPhones in China, Chairman Joe Tsai says
アリババ・グループ会長のジョー・ツァイ氏は木曜日、同社がアップルと提携し、中国で販売されるiPhoneにAIを搭載することを確認した。同氏はドバイで開催された世界政府サミットで講演した。
「[アップルは]中国の複数の企業と話し合い、最終的に当社と取引することを選択した。彼らは当社のAIを自社の携帯電話に活用したいと考えている」とツァイ氏は述べた。
この提携は火曜日にテクノロジー専門のニュース組織The Informationによって最初に報じられ、アリババとアップルの株価が急騰した。
香港上場のアリババ株は木曜日、日中取引で2022年以来の高値を付けた後、上昇幅を縮小し、2.5%上昇した。
13日の香港市場では、出前アプリの美団(メイトゥアン)、動画アプリの快手(クアイショウ)も大きく買われた。
その一方で、技術力ではすでに定評があるテンセントやシャオミが売られた。
売り買いが交錯した結果、13日の香港ハンセン指数は前日比−0.20%で取引を終えた。
さて、アリババのAI技術は本物だろうか?
同社は少し前、ディープシークにだけ注目する世界に向けて、同社のAIも高性能であることをアピールした。
1月29日の北京発ロイター電:
アリババ、ディープシークを凌駕するAIモデルをリリース
Alibaba releases AI model it says surpasses DeepSeek | Reuters
中国のハイテク企業アリババ(9988.HK)は水曜日、高く評価されているDeepSeek-V3を凌駕すると主張する同社の人工知能モデルQwen 2.5の新バージョンをリリースした。
Qwen 2.5-Maxのリリースが、ほとんどの中国人が仕事を休み家族と過ごす旧正月の初日という異例のタイミングだったことは、中国のAIスタートアップDeepSeekの過去3週間の急成長が海外のライバルだけでなく国内の競合にもプレッシャーを与えていることを示している。
「Qwen 2.5-Maxは、GPT-4o、DeepSeek-V3、Llama-3.1-405Bをほぼ全面的に上回っています」とアリババのクラウド部門は公式WeChatアカウントに投稿した発表で述べ、OpenAIとMetaの最も先進的なオープンソースAIモデルに言及した。
アリババは、ディープシークだけでなく、オープンAIにもメタのAIにも勝っていると豪語した。
AIの性能は、ただの処理速度だけでは測れないだろう。実用例(ユースケース)が出てきて、多くの人が使って、こっちよりあっちがいいという話が広がるのを待つしかない。
アリババのAI技術力が本物かどうかは、中国でいずれ売り出される iPhoneで確かめられることになるのかもしれない。
ハンセン指数はこの1か月ほどは、かなり好調だ。
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ハンセン指数の1か月(HKEX公式サイトより) |
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