東南アジア通貨は安くない!(2024年3月末)
東南アジア通貨は安くない!(2024年3月末)
東南アジア株式新聞
SGDだけでなく、THBもMYRも、円に対して強い
Google Finance を使って、5年間の為替の推移をグラフにした。
日本のニュースではドル円(USD / JPY)だけはよく報じられるので、「円安」と聞くと、米ドルに対して円の価値が安くなったことを思う日本人が多いだろう。
だが、現在の「円安」は対ドルだけに限らない。
グラフから2020年以降はっきり円安傾向が定着しているのが確認できる。
シンガポールドル(SDG)はほぼ米ドルと歩調を合わせて、5年前に比べて35%も値上がりした。
タイバーツ(THB)とマレーシアリンギット(MYR)は、同期間でその半分ほど(17%)値上がりした。
多くの日本人にとって衝撃の事実なのではないか。
冷静になれば、誰でも、次の事実から円安を認識できるだろう。
東南アジアの人々が日本への旅行を楽しむようになり、日本はインバウンド観光産業が大賑わい。
その半面、日本人にとって、タイ、マレーシアあたりは安い海外旅行先だったはずだが、今では少し贅沢に感じているだろう。
外貨建て資産に投資した際の円安効果を再確認
外貨建て資産(金融商品)へ投資した場合に、円安がもたらす効果を再確認しておこう。
【投資実行ー投資回収】の期間で円安へ振れれば、円での受取額が増える。
投資リターンがほとんどなくても、もうかった感じがする。
投資リターンが高ければ、名目上ものすごくもうかったことになる。
逆に、【投資実行ー投資回収】の期間で円高に振れれば、円での受取額が目減りする。
これから投資を考える際、現地通貨と円との為替変動という要素に悩むことになる。
将来の【投資実行ー投資回収】の期間、円高に振れると予想するなら、投資実行に踏み切りにくい。
円高が投資リターンを帳消しにしてしまうかもしれないからだ。
まだまだ現状程度の円安が続く、または、さらに円安となる、と予想するなら、投資を実行しやすい。
さて、どちらの予想が当たるのだろうか。
とりあえず相場の格言「過去は未来を保証しない」を思い出し、じっくり考えてみるほかない。
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