インドネシア、天然資源輸出を国営化
インドネシア、天然資源輸出を国営化
東南アジア株式新聞 2026年5月21日
資源大国のインドネシアが天然資源の輸出を国営化することを決めた。
政府系ファンド「ダナンタラ」の子会社として専門企業を設立し、輸出を一元化する。
プラボウォ大統領は「年間1500億ドルの収益」を見込んでいる。
同国政府としては、これにより財政悪化を抑制する姿勢を示し、
外国資本がインドネシア金融市場から逃避するのを抑制する狙いもありそうだ。
だが、今のところ、株式相場の下落は止まっていない。
5月20日、天然資源輸出管理に関する政令発布
5月20日の国営アンタラ通信電:
Prabowo targets US$150 Billion from export reform - ANTARA News
プラボウォ・スビアント大統領は、違法採掘や違法プランテーション、そして不正行為の撲滅に向けた政府の
取り組みを強調し、天然資源輸出機関の設立を通じてインドネシアに年間1500億ドルの収益をもたらす可能性が
あると述べた。
(中略)
大統領は天然資源輸出管理に関する政令の発布を発表した。
この政令は、パーム油、石炭、フェロアロイなど、いくつかの天然資源について、国営企業(SOE)が唯一の
輸出業者となることを義務付けている。
(中略)
「この政策は、天然資源の管理と販売から得られる税収と国家歳入を最大化するものです」と
プラボウォ氏は強調した。
同記事によると、大統領の問題意識は以下のようなところにある。
過剰請求や過少請求による輸出価格操作、違法採掘や違法プランテーションといった
不正行為が、本来国益となるはずの損失を生み出している。
これらの損失から年間1500億ドルの潜在的な節約が可能だとの試算がある。
通信社電や現地報道によると、
新政策の本格的な施行は、3ヶ月間の移行期間を経て開始される。
この移行期間は年末まで延長される可能性がある。
移行期間中は、輸出業者と買い手の間で通常通り取引が行われるが、
取引は、政府系ファンド「ダナンタラ・インドネシア」傘下「PTダナンタラ・スンベル・ダヤ」
によって監督される。
移行期間終了後、ダナンタラ・スンベル・ダヤは国内の販売業者から製品を買い取り、
取引所が設定した価格を基準とした価格で海外の買い手に販売する。
第一段階ではパーム油、石炭、フェロアロイの輸出が対象。
これまでインドネシア企業は、石炭とパーム油を海外の買い手に直接輸出してたが、
生産量と基準価格は政府が管理していた。
発表の日の株式市場では、エネルギー関連銘柄が下落
5月20日のジャカルタ・グローブの記事:
Commodity Stocks Lead JCI Decline After Govt Unveils State-Controlled Export Scheme
水曜日、政府が天然資源商品に関する新たな国家統制型輸出ガバナンス制度を発表したことを受け、
商品関連株が主導して広範な売り浴びせが発生した。
この制度は、国家介入の強化と輸出の一元化への懸念を引き起こした。
ジャカルタ総合指数(JCI)は、日中取引で一時2%近く急落したが、その後下げ幅を縮小し、
初日は0.60%安の6,332で取引を終えた。
同記事によると、石炭、パーム油、鉱山株は軒並み下落した。
ブミ・リソーシズの株価は8.6%下落。
インディカ・エナジーは9.02%下落。
アンマン・ミネラル・インターナショナルは8.12%下落。
トリメガ・バングン・ペルサダは5.17%下落。
ムルデカ・バッテリー・マテリアルズは3.78%下落。
プランテーション株も軟調で、
ダルマ・サティア・ヌサンタラは1.96%下落、
トリプトラ・アグロ・ペルサダは0.31%下落した。
同じ5月20日に中央銀行バンク・インドネシアが予想より大幅な利上げをし、
政策金利を5.25%まで上げた。
通貨ルピア安を止めるための利上げだ。
中央銀行の断固たる姿勢が好材料になるかとも見られていたが⋯。
21日、JCIは終値で3.5%下落した。

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