東南アジア通貨は強い!(2024年9月)

 

東南アジア通貨は強い!(2024年9月)

東南アジア株式新聞 2024年9月28日


27日(金)の米国時間の終わりで、円レートは、1ドル=142円台。

7月に160円超えていたのを思えば、だいぶ円高に戻ってきた。

対ドルで見る限り、ほぼ年初の水準まで円の価値は戻った。

  
ドル円と日経平均株価の年初来(Google Financeで作成、2024年9月28日)
ドル円と日経平均株価の年初来(Google Financeで作成)


しかし、円は東南アジアの通貨に対しては、弱いままだ。

タイバーツ(THB)やマレーシアリンギット(MYR)が対ドルで強くなったためだ。


  
1バーツ=4.39円、1リンギット=34.4円(Google Financeで作成、2024年9月28日)
1バーツ=4.39円、1リンギット=34.4円(Google Financeで作成)

(少なくとも部分的には)投資マネーが東南アジアへ向かい始めたことを意味している。

米国は利下げを始めたが、景気減速を止めるのには遅かったのではないか、と疑問視されている。

中国も同じだ。最近、利下げを含めた大規模な景気刺激策を打ち出したが、それでも減速を止められない心配がある。

そうすると、世界中に投資している機関投資家は、他の投資先、しっかり経済成長する市場を探す。


日本株がわりと高い(外国からの投資も集めている)現象は一見、矛盾する。

日本はほぼ成長しない国であり、米中から逃げた場合の投資先には選ばれないはずだからだ。

しかし、アジアで稼ぐ日本企業の株に投資する行動だと考えれば、納得できるのではないか。

まだ新興国と見られている東南アジアの証券市場よりも、日本の証券市場は制度の安心感や流動性から見て使い勝手がはるかに良い。


円の弱さのほうが日本株よりも国力をダイレクトに反映している、とも言えそうに思う。




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