企業研究|インドサット(Indosat)エヌビディアとAIセンターを建設

インドサット(Indosat)、インドネシアのデジタル成長に貢献めざす通信会社

エヌビディアとAIセンターを建設

東南アジア株式新聞 2024年4月9日


インドサット株のこの1年(2024年4月9日、IDXアプリ画面より)
インドサット株のこの1年(IDXアプリ画面より)


4月5日、Bloombergが『米エヌビディア、2億ドルAIセンターを共同で設立へーインドネシア』という記事を流した。

そのパートナーは、インドサット(Indosat Tbk、IDX:ISAT)だった。


日本語で配信されたBloomberg記事:

「米半導体大手、エヌビディアとインドネシアの通信会社インドサットは、インドネシアに2億ドル(約300億円)規模の人工知能(AI)センターを共同で建設する計画だ。

ブディ通信・情報相は3日付の声明で、両社が中ジャワ州の都市スラカルタに同施設を建設すると明らかにした。」



外資に育てられてきた、インドネシアの歴史ある通信会社

インドサットは、1964年に米ITTによって設立された衛星通信を使った国際通信会社だ。インドネシアの外資企業第1号だったが、一時期は国有化されていた。

1990年代以降、移動体通信会社になり、同国でデジタル携帯電話の普及を推進した。


インドサットは、上場企業ではあるが、現在は大株主3、4社で大半の株を握り、インドネシア証券取引所(IDX)で取引されるのは16%ほどにすぎない。

カタールの通信会社Ooredooと香港のCKハチソン系通信会社が折半出資したOoredo Hutchison Asia Pte. Ltd. が65%強を持つ最大株主だ。


現在は Indosat Ooredoo Hutchison という通称を使っているこの会社のビジョンは、「インドネシアで最も選ばれるデジタル通信会社になる」である。


2023年12月期売上高: 4兆8000億ルピア

2023年12月期純利益: 1兆2000億ルピア




3社寡占競争の中、デジタルサービス拡充に投資


以下、Gemini にインドサットの最近の動向をまとめてもらった。



インドネシアのインドサット:最近の動向まとめ

2024年4月9日時点1. 5Gサービスの展開加速

  • 2023年11月、インドサットは5Gサービスを商用化し、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、マカッサル、メダンなどの主要都市で提供開始

  • 2024年4月現在、5Gサービスは25都市以上で利用可能

  • 2025年末までに、インドネシア全土で5Gサービスを提供することが目標

  • 5Gサービスの提供により、通信速度、信頼性、接続性の大幅な向上を期待

2. デジタルサービスへの注力

  • 2023年12月、インドサットはデジタルサービス会社「MNC Digital」を設立

  • MNC Digitalは、金融サービス、ヘルスケア、教育、エンターテイメントなどの分野でデジタルサービスを提供

  • インドネシアのデジタル経済成長への貢献を目指す

3. インフラ投資の拡大

  • 2024年、インドサットは4Gネットワークの拡張と5Gネットワークの整備に1兆ルピア(約7600億円)を投資予定

  • 投資により、通信品質の向上とサービスエリアの拡大を図る

4. 競争環境の変化

  • インドネシアの通信市場は、テルコムセル、XL Axiata、インドサットの3社が寡占状態

  • 近年、政府による市場開放政策により、新規参入企業が現れる可能性

  • 競争激化により、料金値下げやサービス内容の充実が進むと予想

5. 今後の展望

  • インドサットは、5Gサービスの展開、デジタルサービスへの注力、インフラ投資の拡大により、インドネシアの通信市場における競争力を強化していくと予想





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