東南アジアに多いイスラム金融とは
東南アジアに多いイスラム金融、日本などの金融と何が違うのか?
東南アジア株式新聞 2024年4月4日
東南アジア地域には、イスラム金融が浸透している。イスラム教徒の比率が高いブルネイ、インドネシア、マレーシアのほか、シンガポール、タイ、フィリピンでイスラム銀行が営業している。
イスラム金融は、日本などの金融システムと何が違うのだろうか?
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FMT Business 2023年5月2日の記事より |
「おカネを貸して利息を取ってはいけない」という教義に従う銀行の預金の仕組みは?
マレーシアの会社で働き始めたとき、私は会社に指示されるまま銀行口座を作った。イスラム系の銀行だった。
しばらくして気づいたのは、普通預金の口座でも、毎月、少額が銀行から振り込まれていることだった。
その少額の名称は Hibah(ヒバ)。イスラム教の教義に基づく贈与契約のことだった。
銀行は預金者から預かった資金を運用し、その運用益の一部を預金者に贈与する。だから、金額は一定ではない。ときおり Bonus Hibah という名目でさらに少額が振り込まれることがある。
銀行の公式サイトには、預金の interest rate が記載されている。Savings Account が年率0.8%、Fixed Deposit Account が(12カ月固定の場合)年率2.8%など(2024年3月末時点、日本の銀行よりはるかに高い)。しかし、それらの数字は目安のようなものだ。
ただし、銀行によってはFixed Deposit に Fixed Rate を付けているケースもある。日本人的感覚からすると、預金利子というより、株式の配当のようなもの。配当原資の配分の仕方として固定レートを付けていると考えるのがよいようだ。
Bonus のおかげで高い”金利”を得られることもある。
イスラム金融の証券市場の特徴は?
Gemini に質問して、まとめてもらった。
イスラム金融の証券市場は、イスラム教の教義であるシャリアに基づいて運営される金融市場です。従来の金融市場とは異なる以下の特徴があります。
1. 利子の禁止
イスラム教では、利子(リバ)は不当な利益とみなされ禁じられています。そのため、イスラム金融市場では、利子を用いた金融取引は行われません。
2. 投資対象の制限
イスラム教では、豚肉、アルコール、ギャンブル、武器など、倫理的に問題があるとされる事業への投資は禁止されています。そのため、イスラム金融市場では、これらの事業に関与していない企業のみが投資対象となります。
3. 利益配分
イスラム金融市場では、投資家は企業の利益に直接的に参画する仕組みになっています。具体的には、企業の収益に応じて利益配当を受け取る「ムシャラカ」や、損益を投資家と企業で共有する「ムダラバ」などの形態があります。
4. 商品開発
イスラム金融市場では、シャリアに則した様々な金融商品が開発されています。代表的な商品としては、イスラム債券(スクーク)やイスラムファンドなどがあります。
5. 市場規模
イスラム金融市場は近年急速に成長しており、2023年には約3兆ドル規模に達すると推定されています。今後もイスラム教徒人口の増加とともに、さらなる成長が見込まれています。
6. 地域別動向
イスラム金融市場は、中東諸国を中心に発展していますが、近年は東南アジアや欧米諸国でも市場拡大が進んでいます。
7. 日本におけるイスラム金融
日本でも、イスラム金融への関心が高まっており、2015年には東京証券取引所に「サムライ・スクーク」と呼ばれるイスラム債券が上場されています。
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