企業研究|GHLシステムズ(GHL Systems Berhad)NTTデータが買収
企業研究|GHLシステムズ(GHL Systems Berhad) タイ・比にも強いマレーシアの決済サービス会社、NTTデータが買収へ
東南アジア株式新聞 2024年5月29日
マレーシアの決済サービスプロバイダー、GHLシステムズ(GHL Systems Berhad、Bursa:0021)の株価が上昇している。
5月27日(月)に、日本のシステムインテグレーター、NTTデータがGHLシステムズを買収すると発表したためだ。
NTTデータは、今回の買収により、ASEAN域内の決済サービス事業を拡大する。
NTTデータの5月27日の発表:
ペイメント事業拡大を目的としたGHL Systems Berhadの株式取得について | NTTデータグループ
「株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、マレーシアを代表する決済サービスプロバイダーの1社であり、決済端末を通じた各種サービスに強みを持つGHL Systems Berhad(以下:GHL Systems)の発行済み株式の58.7%を、2024年5月27日に同社大株主より譲り受けることで合意しました。
今後、マレーシア証券取引所を通じて、その他既存株主に対しても公開買い付けを提案していく予定です。
マレーシアをはじめ、フィリピン、タイなどのASEAN地域で、48万台以上の決済端末を設置し、各種決済サービスを提供する同社を子会社化するとともに、NTTデータがペイメント分野で保有するサービスやノウハウを組み合わせることで、両社が展開する各国において、消費者にとってより便利で安心なキャッシュレス社会の実現に貢献します。
またマレーシア国内では、Eコマースへの決済サービスで強みを持つ既存子会社のiPay88 Malaysiaとともに、加盟店店頭、Eコマースにおけるオムニチャネルへの対応を強化していきます。」
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NTTデータの東南アジア展開(発表文より) |
The Edge Malaysia の5月28日の記事:
GHL Systems soars to near two-year high; analysts advise to accept buyout offer from NTT Data
「GHL Systems Bhd(KL:GHLSYS)の株価は、日本のIT企業であるNTTデータが決済サービス会社の過半数の株式を取得し、一般公開買付けを開始したことを受けて、火曜日に21か月ぶりの高値に上昇した。
GHL Systems 株は6.9%(7セン)上昇し、2022年8月以来の高値となる1.08リンギットとなった。
市場引け時点では、株価は4セン(4.0%)上昇して1.05リンギットで取引を終えた。
同社の時価総額は12億リンギットとなった。」
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GHLシステムズ株の1年間(Bursa公式サイトより) |
The Star の5月29日の記事では、買収提示額が割高(既存株主に有利)であることを取り上げている。
Positive view on NTTD Japan buyout offer for GHL
(NTTデータによるGHK買収にポジティブな意見)
<Kenanga Researchによると、NTTデータジャパン株式会社(NTTDジャパン)が決済サービスプロバイダーのGHL Systems Bhdの既存株主に提示した1株当たり1.08リンギットの提示価格は、世界の同業他社に比べて割高である。
「これは、GHL Systemsよりも大幅に大きな収益と時価総額があるにもかかわらず平均株価収益率(PER)がFY24 EPSの20.5倍、FY25 EPSの17倍で取引されている世界の同業他社ーーPaypal、Square、Shift4 Payments、Payoneer Global Inc、Aci Worldwideーーと比較して、約90%~102%の割高を意味します。」>
以下、Gemini に GHLシステムズの最近の動向と東南アジアにおける競争力についてまとめてもらった。
GHL Systems についての最近の動向(2024年5月29日時点)
GHL Systems Berhad (GHL) は、マレーシアを拠点とする電子決済ソリューションプロバイダーです。金融サービス、小売、政府機関など、さまざまな業界で顧客にサービスを提供しています。
GHL Systems は近年、積極的な成長を遂げています。2023年には、売上高が前年比16.5%増の5億8,000万リンギット、純利益が同11.2%増の2億3,000万リンギットを達成しました。この成長は、主に電子商取引やデジタル決済の利用拡大によるものです。
GHL Systems は、この成長を維持するために、いくつかの戦略的な取り組みを進めています。
新しい製品とサービスの開発: GHL Systems は、クラウドベースの支払いソリューション、モバイルウォレット、ポイントオブセール(POS)端末など、新しい製品とサービスの開発に投資しています。
海外市場への進出: GHL Systems は、東南アジアやインドなどの海外市場への進出を計画しています。
合併買収: GHL Systems は、事業を拡大するために、合併買収(M&A)の可能性を探っています。
GHL Systemsの東南アジアにおける競争力
GHL Systemsは、東南アジアにおける電子決済市場で急速に成長している企業です。同社は、以下の強みを持つ競争力のある企業です。
強み
豊富な経験: GHL Systemsは、20年以上の経験を持つ東南アジアの電子決済市場のベテラン企業です。
幅広い製品とサービス: GHL Systemsは、企業向けに、POS端末、モバイルウォレット、クラウドベースの支払いソリューションなど、幅広い製品とサービスを提供しています。
強い顧客基盤: GHL Systemsは、東南アジアの金融機関、小売業者、政府機関など、幅広い顧客基盤を持っています。
革新へのコミットメント: GHL Systemsは、常に新しい製品とサービスを開発しており、市場の進化に対応しています。
戦略的提携: GHL Systemsは、主要な金融機関やテクノロジー企業と戦略的提携を結んでいます。
競合
GHL Systemsは、東南アジアで多くの競合企業と直面しています。主な競合企業は以下の通りです。
Nets: シンガポールの電子決済プロバイダー
FICO: 米国の電子決済プロバイダー
Mastercard: 米国のクレジットカード会社
Visa: 米国のクレジットカード会社
PayPay: 日本のモバイル決済プロバイダー
Alipay: 中国のモバイル決済プロバイダー
競争環境
東南アジアの電子決済市場は、競争が激化しています。各企業は、顧客を獲得するために、新しい製品とサービスを開発し、価格を競争力のあるものにしています。
GHL Systemsの展望
GHL Systemsは、東南アジアにおける電子決済市場の成長から恩恵を受ける好位置にあります。同社の強みと競争力により、今後数年間、市場シェアを拡大し、収益性を向上させることができると予想されます。
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