企業研究|キャピタル A(Capital A、Bursa:5099) [更新]

東南アジア株式新聞 2025年6月2日

企業研究|キャピタルA(Capital A、Bursa:5099)

  • 持ち株会社 キャピタルA、グループをエアアジアX(航空部門)と非航空部門に再編中

  • 航空部門:エアアジアX(AirAsia X、Bursa:5238) 

  • 非航空部門:配車アプリのエアアジアMOVEと決済アプリBigPayなど


  

キャピタルA株の1年間(2025年6月2日、Bursa公式サイトより)
キャピタルA株の1年間(Bursa公式サイトより)



The Edge Malaysia の6月2日の記事(中身はブルームバーグ電):

フィリピン、エアアジアMOVEの「違法」航空運賃での販売を停止


フィリピン政府は、エアアジアのデジタルプラットフォームに対し、

違法な高額運賃を請求しているという苦情を受け、国内での航空券販売を停止するよう命じた。


運輸長官ビンス・ディゾン氏は月曜日の記者会見で、民間航空委員会(CAB)による業務停止命令の一環として、

当局は警察に対しエアアジアMOVEのウェブサイトの削除を要請したと述べた。


同国では航空運賃の上限を設定しているが、トラック通行の主要橋が閉鎖されたことでタクロバン市内で交通に支障が生じた際、エアアジアMOVEは運賃を値上げしたのが違法ということらしい。


エアアジアMOVEは、マニラからタクロバン市までのフィリピン航空の片道航空券に

7万7000ペソ(1380米ドルまたは5874リンギット)を請求した。

これはフラッグキャリアのウェブサイトで直接予約した場合に提示される価格の3倍だという。



2025年第1四半期、税引き後利益がプラスに復帰


5月30日の発表:

キャピタルA 2025年第1四半期業績


Capital A Berhadは本日、2025年3月31日を期末とする第1四半期(2025年第1四半期)の

監査未了財務諸表を公表しました。


MRFS5(マレーシア会計規則)適用前の数字で、

2025年第1四半期のグループの売上高は53億リンギット、

税引き後利益(PAT)は1億9,400万リンギット

(運航停止中の航空機に関連する一時的費用1億4,300万リンギットを含む)で、

PATマージンは4%となりました。



 

INDIVIDUAL PERIOD

31 Mar 2025

31 Mar 2024

MYR'000

MYR'000

Revenue

414,520

359,763

Profit/(loss) before tax

-188,444

-195,929

Profit/(loss) for the period

692,315

-244,279


Capital AのCEO、トニー・フェルナンデス氏のコメント:

「私たちは事業再編の最終段階に差し掛かっています。

そして、単に生き残っているだけでなく、前進を続けています。

高等法院は減資を承認し、株主も全会一致でこれを支持しました。

トンネルは過ぎ去ったと自信を持って言えます。今こそ全力で前進です。


2025年に向けて、野心的でありながら現実的な社内目標を設定しました。

そして、その目標は達成できていると確信しています。航空事業は勢いを増しており、

Capital Aの事業は予想を上回っています。

特にTeleportとSantanは、第2四半期の好調な業績に向けて準備を進めています。

BigPayは引き続き収益性向上に注力しています。

AirAsiaのエコシステムと主要なパートナーシップを活用し、損益分岐点は今年後半を目指しています。

取締役会の承認を得たCapital Aは、香港証券取引所への重複上場を積極的に検討し、

次の成長を加速させ、世界の資本市場へのアクセスを拡大していきます。


当社のブランド会社であるAbc.は、保有ブランドのさらなる成長、

優良なASEANブランドの買収によるポートフォリオの拡大、

そしてこの地域への進出を目指す国際ブランドへのコンサルティングサービスの提供に向けて、

計画を着実に進めています。

ASEANにおける20年以上にわたるブランド構築の経験に基づき、

多くの価値を解き放つことができると確信しています。

そして、それを実現する唯一の方法は、私たちが知っている唯一の方法です。

Abc.のナスダック上場の機会については、改めて検討する予定です」


  • キャピタルAの香港への重複上場を検討している。

  • Abc. は、グループのブランド管理会社 airasia brand co. のこと。



5月7日の発表:

キャピタルAはサウジアラビアに照準、航空・物流エコシステムの拡大計画


エアアジア

  • リヤドとダンマンへの新路線を開設

  • クアラルンプールからジェッダへの便数を増便

  • バンコクとジャカルタからリヤドへの新たな路線の開設も検討


以下の事業を含むビジネスエコシステム全体をサウジアラビアに導入する計画だ。

  • Teleport – Capital Aの急成長中の物流部門

  • Asia Digital Engineering (ADE) – 包括的な航空機整備およびエンジニアリングサービスの提供

  • AirAsia MOVE – デジタル旅行プラットフォーム


グループのボス、トニー・フェルナンデス氏の頭の中は今、サウジでのビジネス拡大でいっぱいのようだ。

発表文には、同氏の以下のようなコメントが記載されている。

「サウジアラビアで起こっていることに、本当に驚嘆しています。

文化の変容、人々の生活の変革、そしてその壮大な野心の大きさは、まさに驚異的です。

しかし、何よりも私を感動させたのは、サウジアラビアの人々のモチベーションとマインドセットです。

何か大きなものを築こうとする真の情熱、特に息を呑むような紅海開発は、

世界で最も野心的な観光・インフラプロジェクトの一つと言えるでしょう。

そのスケールの大きさは真に感動的で、そのエネルギーは人々に伝染します」





Travel And Tour World の5月4日の記事:

エアアジア、需要低迷を受け、ナイロビ便を運航停止


エアアジアは、KL-ナイロビの直行便を2025年9月1日に終了する。

2024年11月15日のスタートから1年もたたなかった。



東南アジア株式新聞 2025年3月1日

2月27日の発表:

キャピタルA 2024年第4四半期決算

  • 非航空事業は今年最も利益率の高い四半期となり、セグメント別ではEBITDAは1億4,200万リンギット、

純利益は1億2,700万リンギット

  • 航空グループの第4四半期は堅調。乗客1人当たりの付帯収入RM57が牽引し、燃料費削減もあって、

EBITDAは4倍の12億リンギットに増加した、19機が非稼働だったのに

  • 2025年度目標: 売上高280億リンギット、EBITDA55億リンギット、純利益率6%


https://www.capitala.com/misc/press-release-4Q24.pdf




 

四半期

年度

31 Dec 2024

31 Dec 2023

31 Dec 2024

31 Dec 2023

MYR'000

MYR'000

MYR'000

MYR'000

Revenue

443,328

331,158

1,497,790

1,280,386

Profit/(loss) before tax

-235,952

-315,546

-961,053

-833,653

Profit/(loss) for the period

-1,716,855

-268,500

-491,186

-177,784



Capital AのCEO、トニー・フェルナンデス氏のコメント:

「私たちがしばらく取り組んできた問題がほとんど解決しました。 

12月に私たちは資本を減少してCOVID-19による損失を帳消しにする正規化計画を提出しました。

それは単純な計画であり、マレーシア証券取引所が許可を出してくれることを期待しています

。計画が承認されれば、第2 四半期末まで関連する承認を待って、PN17指定 からの脱却を期待しています。


当社の非航空事業はますます強力になっています。

特にADE、Teleport、AirAsia MOVEは独自の地位を確立しました。

これが、航空事業を切り離した後も、Capital Aが魅力的な価値提案である理由です。

PN17指定を終えたら、管理時間を次の場所に振り向けることができるようになります。

重要なのは、会社を成長させることです。

そうすれば、合理化されたグループの真の価値が明らかになるでしょう。


今週初めに発表したように、私たちは四半期ごとに最初の社内目標を共有します。 

2025年に向けて、私たちは非航空部門の収益は40億リンギット、EBITDAは6億リンギット、

純営業利益率は10%となると予想しています。

航空部門では、すべての航空機が運航を再開すると仮定すると、収益は最大240億リンギット、

EBITDAは48億リンギット、純営業利益率は 5% になります。

野心的だが、私は最悪の状況は過ぎ去り、再建に向けて私たちが費やしてきた努力の成果を収穫する時が来た

と信じています」


※ PN17は、取引所の規定上、財務に問題がある上場企業のこと。再建計画の提出を求められる。



東南アジア株式新聞 2024年11月4日

キャピタルA 2024年第3四半期、為替差益で業績好調、しかし株価は・・


The Edge Malaysia の11月29日の記事:

キャピタルAは午前の取引で下落、為替の影響で第3四半期の業績が予想を大きく下回る

Capital A Bhd (KL:CAPITALA) は、主に為替差益に支えられた航空グループの第3四半期決算が

アナリストの大半の予想を下回ったことを受けて、金曜日の午前の取引で下落した。

Capital A の株価は7%以上、8セント下落して1.01リンギットとなり、

同社の時価総額は46億リンギットとなった。



キャピタルAの11月28日の発表:

キャピタル A 財務結果 2024 年第 3 四半期

  • グループが 20 億リンギット以上の為替差益を認識し、純利益率は 41% に達しました

  • 航空グループは、燃料価格の低下もあって 20.7 億リンギットの純利益を計上しました。

付随収入は引き続き主要な成長ドライバーであり、総収益の 18% を占めています

  • キャピタル A カンパニーズは、控除前収益が 7 億 7,100 万リンギット、

EBITDA マージンは 12% と健全で、純営業利益は 6,100 万リンギットでした

  • 航空事業の売却について株主の承認が 99.97% の承認率で確保されました


CAPITAL A FINANCIAL RESULTS THIRD QUARTER 2024 — AirAsia Newsroom




エアアジアXの11月15日の発表:

エアアジアX、世界のサファリの首都ナイロビへのフライトを開始

AirAsia X inaugurates flight to Nairobi, the safari capital of the world


エアアジアX(AAX)は本日、クアラルンプールから世界のサファリの首都ケニアのナイロビへの

フライト開始という節目を祝いました。

初便は午後7時にクアラルンプール国際空港(ターミナル2)を出発し、

同日午後11時(現地時間)にジョモ・ケニヤッタ国際空港にスムーズに着陸し、

搭乗率は90%を超える素晴らしい数字でした。




エアアジアXの10月16日発表:

エアアジアXの株主は、キャピタルAの航空事業の価値増大買収を満場一致で支持

エアアジアX(AAX)は、本日開催された臨時株主総会(EGM)において、

キャピタルAのエアアジア・アビエーション・グループ・リミテッド(AAAGL)

およびエアアジア・ベルハド(AAB)の航空事業における全株式を68億リンギットで買収する提案に

株主が強い支持を表明したことを発表します。


EGMでは、株主の99.08%が決議に賛成票を投じ、新たな市場機会を活用し、業務上の相乗効果を強化し、

サービス提供を拡大するというAAXのビジョンを強く支持していることを示しました。

この極めて重要な決定により、AAXの変革的買収への道が開かれ、裁判所と規制当局の最終的な承認を条件に、

拡大した航空グループとして年末までに完了する予定です。


さらに、株主は、無償ワラントの発行提案、10億リンギットを調達するための私募提案、株式資本の削減提案、

および募集株式の付与提案の決議に賛成票を投じました。




9月3日

2024上半期業績はまずまずだが、航空に逆風も


CAPITAL A FINANCIAL RESULTS SECOND QUARTER 2024 — AirAsia Newsroom

2四半期連続で純営業利益5200万リンギットを達成し、10%以上の航空機がまだ再稼働していないにもかかわらず、EBITDAは7億3500万リンギットを達成

  • 航空グループは、燃料および外国為替環境の悪化にもかかわらず、堅調な15%のEBITDAマージンを達成

  • 90%の高い搭乗率で、旅行需要が堅調であることは明らか

  • 付帯収入は前年比6%増の1人当たり52リンギット

  • 航空グループを除くキャピタルAカンパニーは、6か月で13億リンギットの収益を達成し、

堅調な10%のEBITDAマージンを計上。航空以外の事業は、国際展開、キャパシティの拡大、

さまざまな収益イニシアチブにより成長の態勢が整う

  • キャピタルA全体の事業から生み出された年初来キャッシュフローは2倍の20億リンギットに

  • 事業は安定に向かっており、キャピタルAは、進捗を妨げる遅延や過失について、

相手先ブランド製造(OEM)パートナーに責任を厳しく追及

  • 航空グループの売却提案に関する臨時株主総会(EGM)の回状、検討と承認のためにマレーシア証券取引所に提出


Capital AのCEO、トニー・フェルナンデス氏のコメント:

「今年の最初の6か月間で、私たちはすでに2023年度の収益の68%という素晴らしい成果を達成しました。

これは本当に素晴らしいことです。

航空会社による航空機の完全回復は、エコシステム全体に波及効果をもたらし、

私たちの財務状況を強化するでしょう。

Capital Aの非航空企業は健全な勢いを見せていますが、

その可能性を最大限に引き出すためにはまだやるべきことがたくさんあります。

航空グループの売却後、私たちはMOVE DigitalをOTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)事業と

フィンテックグループの2つの別々のグループに変える可能性を含め、

より良いコラボレーションと構造を通じて、各社間の相乗効果を拡大し、最適化することに注力します。

また、サードパーティ事業の買収も積極的に進めていきます」



最近こんなニュースがあった。

NST Onlineの8月30日の記事(中身は国営ベルナマ通信):

Airlines alone not responsible for delays, says AirAsia boss [WATCH]

エアアジアのボス、遅延は航空会社だけの責任ではないと発言


運輸省による新しい払い戻し規則は、航空会社だけでなく、

空港運営者を含むすべての関係者に適用されるべきだと、

エアアジアの親会社であるキャピタルA Bhdの最高経営責任者、

タンスリ(敬称)トニー・フェルナンデス氏は述べた。

アンソニー・ローク運輸大臣は水曜日(8月28日)、9月2日(月)から、

航空会社は5時間以上のフライト遅延に対して乗客に全額払い戻しの選択肢を提供することが

義務付けられると発表した。


しかし、フェルナンデス氏は、サプライヤー、交通管制、情報技術(IT)の停止などによって

遅延が発生する可能性があるため、この規則にはいくつかの除外条項が必要だと述べた。

「航空会社に責任があるのなら正しいと思います。しかし、航空会社を責めるのはいつでも簡単です。

「皆さんもご存知のとおり、最近のクラウドストライク問題のようにシステムが崩壊したり、

天候が悪くなったりと、多くの問題があります」と、今日(8月30日)、

以前はスバン空港と呼ばれていたスルタン・アブドゥル・アジズ・シャー空港から

サバ州とサラワク州へのエ​​アアジアの初便が運航された際にフェルナンデス氏は述べた。


近頃、マレーシアでは利用者から航空産業への不満が高まっている。


8月下旬、マレーシアのナショナル・フラッグ・キャリアであるマレーシア航空(Malaysia Airlines)の

グループ、Malaysia Aviation Group Bhd (MAG)は、年末までのフライト削減に踏み切った。

グループの低コスト航空会社が8月半ばに聖地巡礼用のフライトでキャンセル騒動を起こすなど

運営にトラブルが続いたため、航空便数の規模を小さくしたのだ。

エアアジアのフェルナンデス氏が言及したクラウドストライクの起こしたシステムダウン(7月19日)

を含めて、航空会社のキャンセル騒動が目立った結果、

マレーシア運輸省が払い戻し規制の強化へ動くこととなった。


全額払い戻しは、利用者は歓迎するが、航空会社には痛手となる。

エアアジアは、スケジュール変更が多いのに払い戻しが低レベルなことと引き換えに

安い航空券を提供しているような会社の代表格なのだから、なおのこと。


2024年年初来、東南アジアの国際観光は絶好調だが、航空会社も絶好調とは言えない。


キャピタルA(Capital A)

航空事業の再編急ぎつつ、デジタル事業を強化

東南アジア株式新聞 2024年4月12日

エアアジア X を傘下に置くキャピタル A(Capital A Bhd.、Bursa:5099)が最近、マレーシア証券取引所で注目の銘柄になっている。


市場参加者の間で材料となったのは、4月9日のニュース報道だ。

Capital A and AirAsia X say they need until April 30 to negotiate disposal of aviation business


キャピタル A と エアアジア X、航空事業の再編交渉期限を4月30日まで延長

記事冒頭の日本語訳:

「キャピタル A が航空事業を切り離してエアアジア X に譲渡する契約を結ぶ計画は、

2024年4月30日まで2度目の延長となった。

ブルサ・マレーシア・セキュリティーズへの提出書類の中で、キャピタル A とエアアジア X は、

提案されている買収に関する最終合意を履行するために交渉期間を延長することに相互に合意したと述べた。

2024年1月8日に計画が発表されて以来、延長は2回目となる。

キャピタル A は、事業再編戦略の一環として、エアアジア Bhd と

エアアジア・アビエーション・グループ・リミテッド(AAAGL)の全株式をエアアジア X に、

合意金額で売却する計画だ。

キャピタルA社の株価は1株当たり70銭で変わらず、エアアジアX社は先に1セン下落して

1株当たりRM1.29となった。」


延長が2度目とのことだが、最初の計画はキャピタル A が公式サイトに掲載している。

エアアジア X、キャピタル Aの航空事業を戦略的買収と発表

エアアジア X、キャピタル Aの航空事業を戦略的買収と発表 — AirAsia Newsroom

「エアアジア X(AAX)は2024年1月8日、キャピタル Aの航空事業であるエアアジア・バハッド

およびエアアジア・アビエーション・グループ・リミテッドの買収について、

キャピタル Aとの間で法的拘束力のない承諾書を締結したことを発表いたしました。

この買収により、エアアジア Xは、エアアジア・ブランドの全ての短・中距離路線を包括する

ASEANの航空会社となります。

また、市場ポジションの強化、業務効率の向上、最終的にはコスト削減と財務業績の改善など、

比類のない利点が期待されています。」(原文のまま)






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