NTTデータ、アジア太平洋最大級データセンターをジョホールバルに

 

東南アジア株式新聞 2024年12月5日

  • 強気派がやや減、シンガポールとマレーシアが残った

シンガポール STI

マレーシア FBM KLCI

インドネシア IDX総合

タイ

SET

香港

Hang Seng

3822.68

+0.60%

1615.64

+0.10%

7313.31

-0.18%

1450.82

-0.27%

19560.44

-0.92%


NTTデータ、アジア太平洋最大級データセンターをジョホールバルに

12月5日、NTTデータのニュース記事を英語と日本語で見かけた。

どちらもデータセンター投資の話だ。

具体的な投資計画としては、NTTデータは、マレーシアのジョホールバルに大型データセンター用地を取得するため動いている。

NTTデータ副社長が語った戦略では、まだまだデータセンター投資を増やすつもりだ。


日本の銘柄に注目することは普段はしないが、NTTデータ株(東証)を見ておこう。


  
NTTデータ株の1年間(2024年12月5日、Google Financeより)
NTTデータ株の1年間(Google Financeより)




NST Online の12月5日の記事:

NTTデータ、ジョホールバルにアジア太平洋最大級のデータセンターキャンパスを建設へ

NTT Data to build one of APAC's largest data centre campuses in Johor Bahru | New Straits Times


日本を拠点とするグローバルITサービスプロバイダーのNTTデータは、ジョホール州ジョホールバルにアジア太平洋地域最大級のデータセンターキャンパスを建設する計画だ。

同社はジョホールバルのゲランパタに27.7ヘクタールの土地を取得し、290メガワット(MW)の容量を持つ新しいデータセンターを建設することを提案している。

NTTデータによると、ゲラン・パタにあるこの施設は、6つの専用ビルと相当なIT負荷容量を備え、アジア太平洋地域最大のデータセンターキャンパスの1つとなる予定。

最初のビルは、初期容量48MWで、2027年4月に開設される予定。





同日、NTTデータは日本でもメディア取材に応え、データセンターへの投資を増やす計画を明らかにした。


日本経済新聞の12月5日の記事:

NTTデータ、データセンター売上高6割増 1.5兆円投資


NTTデータグループはデータセンター(DC)事業の売上高を2028年3月期までに25年3月期計画比6割増の35億ドル(約5200億円)超に高める。DCの需要は生成AI(人工知能)向けなどで旺盛だ。海外を中心に電力供給が安定する地域に環境配慮型の設備を整え、競争力を高める。

中山和彦副社長が日本経済新聞の取材で語った。同社は28年3月期にDC事業のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で14億ドル(約2100億円)超を目標にする。EBITDAマージンは「40%を見込んでいる」(中山副社長)といい、売上高は35億ドル程度になるとみる。DC事業が連結売上高に占める割合は10%超と、25年3月期の7%から高くなる。

(中略)

DCの投資も増やす。25年3月期の投資額は前期から2億ドル積み増して29億ドル(約4300億円)を計画する。液体を使ってサーバーなどを効率的に冷やす方式の設備の強化や電力供給が安定する地域の土地の確保などを急ぐ。28年3月期までの5年間では1.5兆円超の投資を予定する。

(以下略)



NTTデータは、少し前に、データーセンターのREIT(不動産投資信託)を設定し、シンガポール上場を目指すとも言っていた。


日本経済新聞の9月26日の記事:

NTTデータGのREIT、シンガポールに上場 データセンター建設加速 - 日本経済新聞

NTTデータグループはデータセンターを投資先とする不動産投資信託(REIT)を2025年6月までにシンガポールに上場させる方針を固めたことが25日わかった。外部から資金を調達しやすくする仕組みを整え、生成AI(人工知能)向けなどが活況なデータセンターの建設を加速する。

データセンター専門のREITは国内企業では初めて。REITの運用会社を新設し、投資家から広く資金を公募する。売却資産は未定だが、当初は数百億円から1000億円規模になるとみられる。

NTTデータはREITなどを通じて26年3月期までの3年間で約5000億円のデータセンターの売却を目指す方針で、得た資金は新規の投資にあてる。


大規模な投資を借入金でまかない続けるのはつらい。

不動産としてREITへ売り、NTTデータはそこからデータセンター運営を請け負う形にする。

REIT上場で調達した資金で、またデータセンターを作る、という計画のようだ。


ちなみに、9月26日の記事に以下の記述もある。

NTTデータはデータセンター運営会社では世界3位。民間調査会社によると、世界のデータセンターの市場規模は29年に6240億ドル(約90兆円)になる見通しで24年比で5割増える。



余計なことかもしれないが、気になった。

「データセンター運営会社では世界3位」というのは、どこの集計データだろうか?


DataCentre。Magazine というサイトが今年1月にまとめた記事:

Top 10: Data Centre Companies in the World 2024

このトップ10では、NTTデータ(NTT Global Data Centersと書かれている)は第7位だ。

1位:AWS、2位:マイクロソフトAzure 、3位:グーグルクラウド、4位:メタ・・・となっているので、こうしたクラウド運営の巨大会社を除いてデータセンター専業を抜き出したら3位だという意味のようだ。


そうすると、5位:米 Equinixと6位:米 Digital Realtyが1位と2位で、NTTデータが3位となる。




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