マレーシア、インドネシアの好調な株式市場に脚光、経済成長と通貨の対ドルレート復調が支え

 東南アジア株式新聞 2024年8月26日

シンガポール STI

マレーシア FBM KLCI

インドネシア IDX総合

タイ

SET

香港

Hang Seng

3396.03

+0.24%

1638.96

+0.20%

7606.20

+0.82%

1364.81

+0.73%

17798.73

+1.06%

マレーシア、インドネシアの好調な株式市場に脚光、経済成長と通貨の対ドルレート復調が支え


8月26日(月)、週初めの取引日、円高へ為替が動いたことで日本株は先週比マイナス(日経平均株価の26日終値は前週比0.66%安)に沈んだが、東南アジアの株式市場は好調を維持している。

実は今朝、日本経済新聞で珍しく東南アジア株式市場を取り上げた記事を見つけていたので、余計に日本と東南アジアの対比を強く感じる。

『南に向かう投資マネー 脱インフレ時代の勝ち組探す』と題した記事は、投資マネー(主に機関投資家の資金の流れを指す)の次の行き先は、南(新興国)、それも東南アジアだと言っている。


日本経済新聞の8月26日の記事:

南に向かう投資マネー 脱インフレ時代の勝ち組探す


ジャクソンホール会議を通過し、市場に米利下げ前夜のムードが漂う。マネーの流れは転機を迎え、投資家は脱インフレの時代の勝ち組を探そうとしている。インフレやドル高の重荷が外れる新興国のうち、経済成長率の高い東南アジアへの資金流入が増え始めた。

通貨高も重なりドル建ての投資リターンが拡大

8月中旬以降、東南アジア株は軒並み高値を更新した。インドネシアのジャカルタ総合指数は21日に過去最高値を更新。マレーシアのクアラルンプール総合指数も20日に2020年12月以来、約3年8カ月ぶりの高値を付けた。



確かに、インドネシアとマレーシアの株式はこの数か月好調だ。

  
IDX総合指数の1年間(2024年8月26日、IDX公式アプリより)
IDX総合指数の1年間(IDX公式アプリより)

  
KLCI指数の1年間(2024年8月26日、Bursa公式サイトより)
KLCI指数の1年間(Bursa公式サイトより)

日経の記事と符合した様に、東南アジアでも、マレーシア、インドネシアの株式を持ち上げる記事が出ている。


シンガポールのThe Strait Timesの4月26日の記事:

Nomura cuts Chinese stocks to fund Indonesia, Malaysia switch

(野村、インドネシア、マレーシアへの資金供給のため中国株を削減を推奨)


野村ホールディングスのアナリストによると、投資家は中国株の保有を減らし、インドネシアとマレーシアに資金を投入すべきだという。


チェタン・セス氏を含むストラテジストのメモによると、アナリストらはマレーシアとインドネシアの株式をニュートラルからオーバーウェイトに引き上げた。これは、両市場が米国の金利引き下げからより大きな恩恵を受けるとの見方が一因となっている。アナリストらはMSCIチャイナの推奨をオーバーウェイトからニュートラルに引き下げた。



マレーシア株式だけに注目した記事としては以下がある。


マレーシアのThe Star の8月22日の記事(中身はシンガポール発ロイター電):

Malaysia shines as foreign investors return, peers stumble | The Star

(マレーシアは外国人投資家の復帰で輝き、他国はつまずく)


マレーシアは急速に東南アジアの避難先になりつつあり、成長の改善、政府の安定、通貨高が重なり、政治的変動に苦しむ他の国とは一線を画す存在となったため、外国人投資家は長い間見過ごされてきた市場に回帰しつつある。

外国人は今年、着実にマレーシアの債券と株式に資金を注ぎ込んでいる。7月には、タイとインドネシアで政治的問題が浮上する中、外国人はマレーシアの債券市場に17億5000万ドルを注ぎ込んだ。これは1年で最高額だ。

クアラルンプールの株式市場は、10年以上ぶりの好調な年間パフォーマンスを目指している。


この記事では、「アナリストらは、リンギットがこのアウトパフォーマンスの支点であり、これまでアジアで最も好調な通貨であるリンギットは、連邦準備制度理事会が利下げを開始し、マレーシア国債の魅力が高まる中、2024年にはさらに好調になるはずだと述べている」とも書いている。


マレーシアのリンギット、インドネシアのルピアとも、驚くほど対ドル相場を回復してきている。

単純なことだが、高成長と通貨安定がマレーシア株・インドネシア株に投資マネーが流入する条件だ。

低成長・通貨不安定の日本とは真逆であり、ついでに言えば、両国とも日本よりはるかに財政状態も良い。

マレーシア株・インドネシア株にお金が集まるのは自然なことに思える。


   
MYリンギットとIDルピアの(2024年8月26日)対ドルレートの1年間 Google Financeより
MYリンギットとIDルピアの対ドルレートの1年間
Google Financeより



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