9月4日(水)世界株安、不安要因は半導体株と円高、東南アジア株には影響小
東南アジア株式新聞 2024年9月4日
9月4日(水)世界株安、不安要因は半導体株と円高、東南アジア株には影響小
9月4日のアジア地域の株式市場は、前夜の米国株安を受けて、総じて軟調だった。
日本株は、米半導体株の売りの影響に加え、円高も進んだせいで、急落した。
中国・香港株も弱めだったが、東南アジア株への影響は小さかった。
インドネシアとタイの市場を代表する株式指数は、(上の表の通り)上昇した。
一方で、シンガポールとマレーシアの株式市場では、半導体株安が市場心理を冷やした。
ただ、8月上旬にも米国株急落➡日本株急落のパターンがあったが、東南アジア株は当初(8月2日)反応が鈍く、米・日の下落2段階目(8月5日)に大きく下げた。
今夜(4日)の米国と明日(5日)のアジア市場は要注意だ。
3日(火)の米国株、主要3指数とも急落
3日市場クローズ後のCNBCの記事:
Nvidia plunges almost 10%, dragging basket of chip stocks to worst day since March 2020
エヌビディアが10%近く急落、半導体株バスケットを2020年3月以来最悪の日に引きずり込む
エヌビディアは火曜日に9.5%急落し、半導体メーカーの時価総額が3000億ドル近く減少し、半導体関連株も下落した。
インテルは8%近く下落、マーベルは8.2%下落、ブロードコムは約6%下落。AMDは7.8%下落、クアルコムは7%近く下落。半導体関連株を追跡する指数であるヴァンエック・セミコンダクターETF(SMH)は7.5%下落し、2020年3月以来の最悪の日となった。
火曜日、ISM製造業指数が8月の数字をコンセンサス予想を下回ったため、市場は低迷した。経済の強さに対する懸念が高まる一方で、連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き下げる可能性も高まった。
NYダウは-1.51%、S&P500は-2.12%、NASDAQは-3.26%で取引を終えた。
米国市場での半導体株は、8月上旬に続き、再び調整。半導体株が高すぎると見る投資家が増えている。
生成AIから始まったAI・半導体ブームは終わりつつあるのかもしれない。
今月に米利下げがあるか、どの程度か、によっては、世界の株式市場は大きく揺れる可能性がある。
ドル安・円高
4日午後の日本経済新聞の記事:
外為12時 円相場、上昇し145円台半ば 米景気指標の下振れや米株安で - 日本経済新聞
外為12時 円相場、上昇し145円台半ば 米景気指標の下振れや米株安で
4日午前の東京外国為替市場で、円相場は上昇した。12時時点は1ドル=145円47〜48銭と前日17時時点と比べて46銭の円高・ドル安だった。3日発表の米景気指標が市場予想比で下振れし米長期金利が低下(債券価格が上昇)したことで、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが優勢だった。3日の米株安と歩調をあわせた日本株の売りに連動した円買いもみられた。
(中略)
政府が3日に開いた経済財政諮問会議で、日銀の植田和男総裁が7月の金融政策決定会合に関する資料を提出した。経済・物価の見通しが実現していくとすれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整」という従来の立場を改めて強調した。日銀による追加利上げの可能性が改めて意識されたことも相場の押し上げ要因となった。
この記事では、日銀の植田総裁が経済財政諮問会議に提出した資料で「追加利上げの可能性が改めて意識された」と書いている。
しかし、資料の中身は、以前の植田総裁発言と同じで、円買いを強める理由としては弱い。
円高進行の実際の理由は不明だ。
X(旧Twitter)で日本のドル円為替専門家の意見を見たところ、はっきりした理由を指摘できる人はいなかった。
日経平均、急落
東証大引け 日経平均、大幅続落 1638円安、今年3番目の下げ幅 米欧株安や円高で
東証大引け 日経平均、大幅続落 1638円安、今年3番目の下げ幅 米欧株安や円高で
4日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、終値は前日比1638円70銭(4.24%)安の3万7047円61銭だった。8月15日以来、3週ぶりの安値をつけた。下げ幅は8月2日(2216円)に次ぐ今年3番目の大きさだった。米景気の減速懸念などから前日の米欧株式相場が軒並み下落した流れを引き継いだ。とくに米ハイテク株が総崩れとなり、きょうの東京市場でも値がさの半導体関連株をはじめ幅広い銘柄に売りが波及した。外国為替市場で円相場が円高・ドル安方向に振れたことも重荷だった。東証プライム市場の値下がり銘柄数は9割を超え、全面安の展開だった。日経平均の下げ幅は一時1800円を超えた。
円高➡日本株安の構図は健在だ。
円安が進むことを前提に輸出銘柄が買われてきたのだから、ある水準(1ドル=145.00円くらい)に近づくと逆回転が始まる。
その中でも半導体関連株は、海外での需要増加を見込んでいるだけに、米国株安から大きく影響を受けた。
東南アジア株は健闘
4日は、中国・香港株も下げた。
香港ハンセンが-1.10%、上海総合が-0.67%だった。
株式市場は景気の先行指標と呼ばれることもある。
主要貿易相手国の中国・米国に景気減速懸念が出ているにも関わらず、東南アジア株は健闘した。
特に、史上最高値圏にあるインドネシアのIDX総合指数が上がったのは心強い。
![]() |
9月4日のIDX総合指数(IDX公式アプリより) |
関連記事:タイ株が8月後半から旧復調、政府の景気刺激策や国営ファンドへの期待が支え
コメント
コメントを投稿