東南アジア株式市場で外国人投資家の売り越し続く[更新]3/18インドネシア株が急落
東南アジア株式新聞 2025年3月17日
東南アジア株式市場で外国人投資家の売り越し続く
トランプ関税の余波が東南アジアの株式市場に押し寄せている。
米国への輸出が多い企業は大きな打撃を受けるという連想から、外資がそういう国から逃げている。
すぐに大打撃を受けた台湾や韓国の株式市場ほどではないが、東南アジアの主要市場では、タイやマレーシアなどの市場で外国人投資家の売り越し継続が観測されている。
一方で、マレーシア市場では国内投資家の買いがよく支えている、とも見える。
自国の景気見通しは良いのだから当然ではあるし、心強い。
ただ、外国人の売り越しが多い市場のインデックスは上値が重い状態が継続しそうだ。
![]() |
タイSET指数の1年間(SET公式サイトより) |
![]() |
マレーシアFBM KLCIの1年間(Bursa公式サイトより) |
The Edge Malaysiaの3月17日の記事:
米関税戦争の影響でアジア株から純資金流出が続くーーMIDF
US tariff war continues to impact Asian equities with net outflows of US$6.73 bil — MIDF
外国人投資家はアジア株に対して弱気な姿勢を維持し、3週連続で売り越しを続け、フィリピンを除いて総額67億3000万米ドルの大幅な流出となった。一方、地元投資家の支持により、マレーシア証券取引所では流出の影響が緩和された。
「純外国資金流入を記録した唯一の国はフィリピンであり、他の地域市場では流出が続いている」とMIDFアマナ・インベストメント・バンクは3月14日までの週の「報復:米国の関税が世界的な報復を引き起こす(Tit for Tat: US Tariffs Spark Global Retaliation)」と題した資金フローレポートで述べた。
![]() |
MIDFの資金フロー・レポート(2025年3月14日の週) |
「Tit for Tat: US Tariffs Spark Global Retaliation」と題したレポートは以下のURLから読める。
17 March 2025 Weekly Fund Flow Week 14 March
2025年3月の14日までの集計では純流出額は、以下の通り。
台湾:85億米ドル
韓国:17億米ドル
タイ:3.7億米ドル
インドネシア:2.5億米ドル
マレーシア:5億米ドル
同レポートは地元マレーシアについて最も詳しく書いている。
「外国人投資家はブルサ・マレーシア(マレーシア証取)で売り越しの記録を21週連続まで伸ばした。純流出額は13億4000万リンギットと大幅に増加した。前週は8億8,150万リンギットの流出だった」
「外国人の買い越し額の上位3セクターは、建設(RM1億800万)、テクノロジー(RM2,200万)、エネルギー(RM640万)。
一方、外国人の売り越し額の上位3セクターは金融サービス(-RM703.8m)、消費者向け製品およびサービス (-RM122.6m)、公益事業(-RM119.2m)」
「対照的に、地元の機関投資家は21週連続で買い越し、市場支持を堅持し続けた。
買い越し額はRM13億1000万で前週から2倍以上だった。前週の流入額はRM6億1,730万」
2025年3月17日追記
3月18日、インドネシア株が急落
Jakarta Globe の3月18日の記事:
速報:IDXが取引停止、ベンチマーク指数が5%下落したのを受け
Breaking: IDX Halts Stock Trading After 5 Pct Drop in Benchmark Index
インドネシア証券取引所(IDX)は火曜日、ジャカルタ総合指数(JCI)が午前の取引で5%急落したことを受け、取引を一時停止した。
IDXのコーポレート・セクレタリーであるカウツァル・プリマディ・ヌラマド氏によれば、取引停止はIDXの規則に従い、ジャカルタ自動取引システム(JATS)時間11時19分31秒に発動された。
(中略)
「現在、市場は投資家を不安にさせる不確実性が蔓延し、非常に投機的な局面にある」とキウム証券インドネシア(KSIリサーチ)は火曜日のメモに記した。
市場アナリストは、イード休暇を前に主要産業で大規模な人員削減が行われていることや、フィッチ、S&P、ムーディーズによる今後の信用格付けに対する懸念など、売り圧力の要因がいくつかあると指摘している。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーによる最近の格下げはすでに投資家の信頼を損なっている。
ヤマハ・ミュージック・プロダクト・アジア、アディス・ディメンション・フットウェア、ビクトリー・チン・ルー・インドネシアなどの製造会社は数千人の雇用を削減しており、景気減速への懸念が高まっている。さらに、ゴールドマン・サックスはインドネシアの株式市場格付けをオーバーウェイトからマーケットウェイトに引き下げ、一方、モルガン・スタンレーはMSCIインドネシアのウェイトをアンダーウェイトに引き下げた。
午後のセッション(後場)に入って取引再開しても、すぐに下げは止まらず、一時は−7.1まで下落した。
その後、買いが入り、終値は-3.84%の6223.39だった。
コメント
コメントを投稿