マレーシア・ジョホール州議会選挙でBN圧勝、アンワル政権への影響は?

マレーシア・ジョホール州議会選挙でBN圧勝、アンワル政権への影響は?

東南アジア株式新聞 2026年7月13日

  

アンワル首相のX投稿(2026年7月12日、BN勝利に祝意を述べている)
アンワル首相のX投稿(7月12日、BN勝利に祝意を述べている)

7月11日(土)に行われたジョホール州議会選挙で国民戦線(BN)が圧勝した。

かつて長年にわたって政権を担っていた国民戦線(BN)とアンワル首相の希望連盟(PH)は、

アンワル氏率いる連邦統一政府で連立を組む一方で、ジョホール州ではライバル関係にある。

ジョホール州は、首都圏に次ぐマレーシアの大経済圏だ。


ジョホール州議会選挙(7月11日投開票)の結果:

政党

議席数 56

(前回2022年)

Barisan Nasional(BN、国民戦線)

48(40)

Pakatan Harapan(PH、希望連盟)

8(12)

他の5党と無所属

0(4)


この選挙結果を受けて、連邦政府内でBNの発言力が増し、アンワル首相の政権運営が難しくなる

との見方が出ている。

早期の総選挙を迫られる可能性が多く語られるようになった。




CNA の7月13日の記事:

What does BN’s landslide victory in Johor polls mean for PM Anwar ? 

ジョホール州議会選挙における国民戦線(BN)の圧勝は、

マレーシア連邦統一政府におけるBNの影響力を高める一方で、

アンワル・イブラヒム首相率いる希望連盟(PH)にとってより深刻な課題を浮き彫りにした、

とアナリストらは指摘する。

7月11日(土)の州議会選挙におけるPHの不振は、アンワル首相に新たな圧力をかけるだけでなく、

かつては確固たる支持基盤であった少数民族の票田がもはや確実ではないことを示しているとも

専門家は指摘する。

これにより、今後数週間で行われる重要なヌグリ・センビラン州議会選挙の行方はより一層緊迫したものと

なるだろう。


この記事で引用している主なアナリストのコメント:

マラヤ大学の社会政治アナリスト、アワン・アズマン・アワン・パウィ氏

「BNの圧勝は、連邦政府内におけるUMNO(統一マレー国民組織)の交渉力を強化する一方、

パカタン・ハラパンはより大きな圧力にさらされる可能性がある」

「アンワル氏とPHは、戦略、有権者動員、そして生活費高騰への対応を早急に改善する必要が

あるだろう」

「オン・ハフィズ氏が勝利の鍵を握った。

彼は安定、発展、そして新世代のリーダーシップというイメージをうまく打ち出した」


タスマニア大学アジア研究教授のジェームズ・チン氏

「オン・ハフィズ氏とBNにとって、マレー系地域で好成績を収めるための好条件が揃った。

これはこれらの選挙区における高い投票率に表れており、BNの組織力が支持を固めるために

フル稼働していたことを示している」

  • スマラン、スリ・メダン、セディリといったUMNOの地盤地域では70%を超える投票率を記録。

  • ペルリン、タンカク、ベコックなど、少数民族が最大の有権者層を占める地域での投票率が

いずれも60%を下回った。

「これは、多くの華人有権者が投票に行かなかったことを示唆しており、彼らはおそらく

希望連盟(PH)に幻滅し、民主行動党(DAP)に制裁を加えたいと考えているのだろう」



BN勝利の要因に共通して挙げられているのは、選挙戦でBNを率いたオン・ハフィズ・ガジ氏(47歳)。

彼は、2022年にジョホール州首相に就任して以来、実績重視の行政官としての評価を確立してきた。

  • ジョホール州は2025年にマレーシアで最も高い経済成長率を記録した。GDPは8%増加した。

  • ジョホール州は過去最高の1,100億リンギ(260億米ドル)の投資を誘致した。

オン・ハフィズ氏は、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)の各種プロジェクトで、

ジョホール州の代表者としてメディア露出が多かった。

彼は日曜日の午後、ジョホール州首相として2期目の就任宣誓を行った。


連邦政府レベルでの連立政権への影響は?

アンワル政権は、サバやサラワクを代表する政党も取り込んだ大連立内閣だが、

その中核は、PHとBNだ。

PHを構成する主要政党は、人民正義党(PKR)と民主行動党(DAP)。

BNの主要政党は、統一マレー国民組織(UMNO)。


両連立の指導者らは、この結果が連邦統一政府での協力に影響を与えることはないと述べた。

BNのアフマド・ザヒド・ハミディ議長は記者団に対し、土曜日に正式結果が発表される前、

連立政権は政治的安定とマレーシア国民の福祉のためにアンワル統一政府と協力し続けると述べた。

PKRの選挙部長アミルディン・シャリ氏は、

「任期が終わるまで無傷」であり続けるという統一政府の約束は変わらないと述べた。


上で登場したアワン・アズマン氏は、ジョホール州でのBNの地滑り的勝利は連邦政府内での

UMNOの交渉上の立場を強化し、PHへの圧力を高めるだろう、と予想する。

「(統一政府の)安定は、ザヒド・ハミディ氏とアンワル・イブラヒム氏が

州レベルの競争と連邦レベルの協力関係を明確に区別できるかどうかにかかっている」


次の政治イベントは、8月1日に予定されているヌグリ・スンビラン州議会選挙だ。

現在、36議席で構成され、PHが17議席、UMNOが14議席、国民連合(PN)が5議席を占めている。


そして連邦レベルでは、2028年2月までに次期総選挙が行われる。



株式市場からの声

The Edge Malaysia がマレーシアの証券会社アナリストの意見を集めている。


The Edge Malaysia の7月13日の記事:

BN’s Johor landslide victory raises expectations of early GE16 — market analysts 

政党連合バリサン・ナショナル(BN)がジョホール州議会選挙で予想以上の勝利を収めたことで、

第16回総選挙(GE16)の早期実施への期待が高まっている。

アナリストらは、この見通しが政治リスクプレミアムの上昇と市場のボラティリティ増大につながる

可能性があると警告している。


Apex Securities

  • BNの勝利は統一マレー国民組織(UMNO)の連立政権内での交渉力を強化し、

GE16が2026年後半に実施される可能性を高めた。

  • 投資家の慎重姿勢が強まるため、今後数ヶ月間は国内政治の動向が市場心理を大きく左右する

要因になると予想すべきだ。

  • 年末のFBM KLCI指数の目標値を1,787ポイントに据え置いた。

マクロ経済見通しは、堅調な国内需要、インフラ投資とデータセンター投資の継続、

海外需要の改善、テクノロジーおよび電気・電子機器セクターの強さによって

支えられているため。


CIMB Securities

  • BNの勝利は、争われた56議席中48議席を獲得し、市場予想の40~45議席を上回った。

  • 当面の市場への影響は限定的。

  • JS-SEZ計画の策定と、2027年初頭に予定されている高速鉄道システム(RTS)の運行開始が、

ジョホール州における戸建て住宅、工業、物流施設開発の中期的な需要を支えるだろう。






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