企業研究|ベルジャヤ・コーポレーション(Berjaya Corporation Bhd、Bursa:3395)【更新】
企業研究|ベルジャヤ・コーポレーション(Berjaya Corporation Bhd、Bursa:3395)
マレーシアを代表する複合企業ベルジャヤ・グループの本部で、本社を旗艦施設ベルジャヤ・タイムズスクエア(BTS)に置く
1984年にグループ創業者のビンセント・タン氏がスタート
不動産開発・投資、ホテル運営、食品・飲料、保険、スポーツくじ、など
グループ会社ではないが、携帯通信会社 Uモバイルの会長をビンセント・タン氏が務めており、UモバイルはBTS内に本社を置いている
京都に「フォーシーズンズ京都」を所有しているほか、沖縄・うるまにリゾート施設を所有、恩納に「フォーシーズンズ沖縄」を2027年に開業予定
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| BTS |
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| ベルジャヤ・コーポレーション株の1年間(Bursa 公式サイトより) |
東南アジア株式新聞 2025年9月2日
6月30日までの会計年度、減収そして赤字
8月29日の発表:
BCORP、2025年6月30日を期末とする会計年度で93億4000万リンギットの収益を計上
2025年6月30日を期末とする当グループの売上高は、RM93億4,000万となりました。
これは、前年度(RM100億9,000万)の売上高と比較して減少しています。
グループ売上高の減少は、各セグメントの貢献度の低下によるものです。
当グループは、2025年6月30日を期末とする当会計年度において、税引前損失がRM4億1,948万となりました。
これは、前会計年度の税引前利益RM6億1,997万に対して減少しています。
これは主に、小売部門と不動産部門の業績低迷によるものです。
さらに、当グループは、適用される会計基準に従い、不良資産に係る非現金減損RM4億3,728万を含む、
純投資関連費用の増加を計上しました。
これらの減損は、状況が改善すれば将来的に取り消される可能性があります。
前会計年度において、当グループの業績は、一部の子会社の売却による多額の利益と、
旧子会社の保有株式持分の再評価による利益の恩恵を受けました。
主なトピックス:
リテール・非食品部門:高級車販売のHRオーウェンの売上高が増加した。
中古車セクターの成長と新ブランド「ロータス」の導入による。しかしRM換算すると
為替変動の影響により売上減。
コスウェイの一部の国における不採算店舗の閉鎖も、収益の減少につながった。
リテール・食品部門の売上高減少は、中東紛争に関連する継続的な感情の長期的な影響による。
この感情は市場動向に影響を与え、当期の顧客の支出パターンにも影響を与えた。
また、今期中にフィリピンでのパパ・ジョンズ・ピザの事業を停止した。
不動産部門は、国内プロジェクトからの住宅ユニット販売が増加したが、売上高は減少した。
これは主に、前会計年度末にブキジャリルのトロピカ・プロジェクトが完成したため。
ホスピタリティ部門は、全体的な稼働率の向上により、売上高が増加した。
サービス部門は、当会計年度の抽選回数が減少した(前会計年度の167回に対して164回)
が、当会計年度のSupreme Toto 6/58ゲームの累積ジャックポットが増加したことが牽引し、
STM宝くじの売上高が増加した。
当期におけるこのセグメントの収益貢献度の減少は、主にMTNS事業の収益減少と、
Naza Enviro Holdings Sdn Bhd(旧称:Berjaya Enviro Holdings Sdn Bhd)
およびSingapore Institute of Advanced Medicine Holdings Ltd(SIAMH)の連結除外による。
食品部門では、フィリピンのピザ事業を停止したのに加え、
イスラエルのパレスチナ攻撃をめぐる反米感情からの、スターバックスのボイコットが響いた。
スタバは、グループのベルジャヤ・フードが運営する。
New Straits Times は9月1日に以下の記事を掲載した。
Starbucks swings from Berjaya Food's crown jewel to its biggest drag
東南アジア株式新聞 2025年3月4日
2024年9-12月期、赤字縮小
2月27日の発表:
2024年12月31日までの四半期(第2四半期)財務報告書
https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=232184&name=EA_FR_ATTACHMENTS
結果についてのコメント
当グループは、当四半期の税引前損失が減少したと報告した。これは、サービス、ホスピタリティ、非食品小売部門からの貢献により営業利益が大幅に増加したが、高財務コスト、特定の関連事業への投資の減損、関連会社からの利益が減少したことにより、税引き前損失を計上した。
リテール
食品小売事業は、当四半期に収益が減少し、税引き前損失が増加した。
非食品小売事業は黒字だった。コスウェイは戦略的コスト合理化により収益が減少したにもかかわらず、利益率が向上した。
さらに、H.R.オーウェンは、英国の厳しい経済環境下で、収益増加を反映して損失が減少した。
不動産
不動産部門が報告した税引前損失は、主に収益の減少による。
ホスピタリティ
ホスピタリティ部門は、主に収益増加により税引き前利益を計上した。
サービス
STM Lotteryが運営する賭博事業の税引き前利益の増加は、主に収益の増加と賞金の減少による。シンガポール先端医療研究所ホールディングス(SIA)の連結除外の影響もあった。
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| 発表資料より |
今後の展望
マレーシアの経済成長は、堅調な国内需要と平均インフレ率の低下により牽引されるだろう。進行中の地政学的緊張から生じる不確実性はあるけれども。
世界および地域の政治情勢を注視する。
グループの国内事業部門の業績は、堅調な個人消費と観光活動の改善を背景に、改善する。
ギャッンブル事業に関しては、LottoとDigitゲームの継続的な人気とともに成長を続け、すばらしい成果を達成する見込みだ。
それらのことを考慮し、不測の事態が発生しない限りだが、取締役会は慎重に楽観視している。
今期の残り四半期で好調に推移し、2025年6月30日までの会計年度は満足のいくものとなる。
The Star の1月10日(金)の記事(中身はクアラルンプール発ブルームバーグ電):
ビンセント・タン、高速鉄道入札で新たなパートナーを求める
Vincent Tan seeks new partner in high-speed rail bid | The Star
ベルジャヤ・グループは、クアラルンプールとシンガポールを結ぶ数十億ドル規模の高速鉄道建設計画に入札するにあたり、新たなパートナーを探している。ベルジャヤの創業者(称号タン・スリ)ビンセント・タン氏は、マレーシア資源公社(MRCB)はコンソーシアムから撤退したと述べた。
タン氏は金曜日、記者団に対し「我々はコンソーシアムとしてこのプロジェクトに提案書を提出した」と語った。「撤退したMRCBに代わる新たなパートナーを迎える可能性がある」
この鉄道は、両都市間の移動時間を車で4時間以上かかるところから90分に短縮することを目指しており、当初は政府資金によるプロジェクトとして1000億リンギット(222億ドル)もの費用がかかると見積もられていた。
KL - シンガポール間の高速鉄道(KL-SG HSR)はマレーシア政府のプロジェクトだ。
民間部門が全額出資し、建設・運営する。
2023年に国営会社 MyHSR Corporationが提案を求め、7つのコンソーシアムが提案書を提出し、3つが最終候補となっている。
タン氏のコンソーシアムには、ベルジャヤ・レール社、ケレタピ・タナ・メラユ社、IJM社などが含まれる。ベルジャヤは12月に、このプロジェクトにはドイツ鉄道、日立レール、ヒュンダイ・ロテムなどの技術パートナーも参加すると発表した。
ベルジャヤ・レールの会長は、マレーシア最南端でシンガポールと国境を接する州ジョホール州のスルタン・イブラヒム・イスカンダル(現在、マレーシア国王)の娘。
強力な陣容だが、ベルジャヤとしては、投資リスクを分担してくれる(そして、できれば経営にあまり口を出さない)企業に参加してほしいところだろう。
The Edge Malaysiaの2024年5月4日(土)の記事:
ベルジャヤ・アセット、タイムズスクエア2を正式ローンチ
Berjaya Asset officially launches Times Square 2
ベルジャヤ・アセットBhd(KL:BJASSET)は土曜日、クアラルンプールのインビ通りにあるベルジャヤ・タイムズスクエアの隣接地で、高級サービスアパートメント開発プロジェクト「タイムズスクエア2」を正式に立ち上げた。
(中略)
41 階建てのタワーに 629 のサービスアパートメント・ユニットを備えたタイムズスクエア 2 は、ベルジャヤ・タイムズスクエア(ショッピングモール、サービスアパートメント、屋内テーマパーク、ホテル、オフィスも入っている)を補完するように設計されている。
BTSとLaLaport BBCCの間であり、BTS2の建設地横までLaLaportから歩ける屋根付き陸橋がすでにある。BTS2は、2027年完成予定。
内閣府の資料
日本語でググっていたら、内閣府が2015年に作成した以下の資料を見つけた。
対日投資の魅力度を検討するための資料だったようだ。
関連記事:企業研究|ベルジャヤ・フード(Berjaya Food Berhad、Bursa:5196)



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