企業研究|トラフィグラ(Trafigura Group Pte. Ltd.)【更新】
企業研究|トラフィグラ(Trafigura Group Pte. Ltd.)
シンガポールに本社を置く大手資源商社(非上場)
1993年に設立
世界50カ国以上に拠点を持つ
民間石油トレーダーとして世界2位、金属取引は世界最大級
2024年に公表開始の、フォーチュンの東南アジア・ランキングで2年連続トップ
東南アジア株式新聞 2025年12月10日
2025年度(2025年9月30日までの1年)は、収益・利益ともほぼ前年並み
12月9日の発表:
Trafigura publishes 2025 Annual Results
コモディティ業界のグローバルリーダーであるTrafigura Group Pte Ltdは本日、
2025年9月30日までの12カ月間の業績を発表しました。
最高経営責任者(CEO)のリチャード・ホルタムは次のように述べています。
「2025年度は、当社の多様なビジネスモデル、グローバルな規模、そして豊富な実店舗展開の価値を
改めて証明することができました。
グループの収益性は極めて堅調に推移し、純利益は27億米ドルと前年とほぼ同水準となりました。
厳しい環境下においても、当社のサービスに対する継続的な需要と、機会を捉えるための規律あるアプローチに
より、3つの主要トレーディング部門すべてが優れた業績を達成しました」
純利益は26億6,600万米ドルで、2024年度比3%の減少。
EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は4年連続で80億米ドルを超えた。
2025年9月末時点のグループ自己資本は161億7,200万米ドルで、総資産の20%以上を占める。
エネルギー部門(石油・石油製品、ガス、電力、再生可能エネルギー、関連貨物輸送、および
営業資産)は、売上高 1,669億8,000万米ドル、減価償却前営業利益は60億9,100万米ドルで、
前年度の62億2,900万米ドルからわずかに減少した。
金属・鉱物部門(バルク商品、関連輸送費、および営業資産)は、売上高732億8,800万米ドル、
減価償却前営業利益は19億6,300万米ドルから20億1,600万米ドルに増加した。
当年度、当グループは、Nyrstar Australia・Myra Falls 鉱山・Greenergy の Immingham 工場の
閉鎖、その他多数の資産に関連して、合計3億4,050万米ドルの固定資産減損損失を認識した。
2025年の Fortune Southeast Asia 500の首位はトラフィグラだった。
https://fortune.com/asia/ranking/southeast-asia-500/
東南アジア・フォーチュン100のトップ、トラフィグラ・グループとは?
東南アジア株式新聞 2024年6月22日
6月18日に、米国のビジネス雑誌フォーチュン(Fortune)が東南アジア初の『Fortune Southeast Asia 500』企業ランキングを発表した。
10位までの社名は無料公開されている。
1 Trafigura Group(シンガポール拠点の資源商社)
2 PTT(タイの国営石油・ガス会社)
3 Pertamina(インドネシアの国営石油・ガス会社)
4 Wilmar International(シンガポールの食品を中心とする複合企業)
5 Olam Group(シンガポールのアグリビジネス複合企業)
6 Perusahaan Listrik Negara(インドネシアの国営電力会社)
7 CP All(タイの小売業、セブンイレブン運営)
8 Flex(シンガポール、世界最大級の電子機器受託製造業者)
9 San Miguel(フィリピンの複合企業)
10 DBS Group Holdings(シンガポールの銀行)
このランキングは、直近の会計年度の総売上高(収益、Revenue)で順位を決めている。
株式上場企業と自主的に決算数字を情報公開している企業だけが対象になる。
時価総額の大きな上場企業が上位になりやすいので、たいていの社名はよく知られている。
だが、トップのトラフィグラ・グループはどうだろうか?
トラフィグラは非上場企業なのに決算情報を公開しているため、ランキング対象となった。
6月6日に、2024年半期業績(3月末までの6カ月間)を発表している。
まず、プレスリリースに書かれた会社説明を見てみよう:
Trafigura は、従業員が所有し、30 年以上前に設立された大手商品(コモディティ)グループです。世界供給の中心である Trafigura は、重要なリソースを結び付けて世界を活性化し、構築します。当社は、インフラストラクチャ、市場の専門知識、世界的な物流ネットワークを展開して、石油、石油製品、金属、鉱物、ガス、電力を生産地から必要な場所に移動し、サプライ チェーンをより効率的、安全、持続可能なものにする強力な関係を構築します。当社は、H2Energy Europe や合弁会社の Nala Renewables などを通じて、低炭素経済への移行を促進する再生可能エネルギー プロジェクトとテクノロジーに投資しています。
数字の方は、グループ売上高が1242億ドル、純利益が15億ドル。
年度数字に近づけるため、単純に2倍すると2400億ドル。
日本円だと、38兆円以上だ。
ちなみに日本企業最大のトヨタ自動車の連結売上高は約45兆円(2024年3月期)。
トヨタも、前年度は37兆円だったので、トラフィグラの数字はやはり大きい。
「石油、石油製品、金属、鉱物、ガス、電力を生産地から必要な場所に移動」する商社の仕事は目立たないが、世界中を対象とすると巨大なビジネスとなる。
東南アジア500では、シンガポール拠点の企業が多いが、人口大国のインドネシアとタイも多い。
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