東南アジア・フォーチュン500の1位、トラフィギュラ・グループとは?
東南アジア・フォーチュン500の1位、トラフィギュラ・グループとは?
東南アジア株式新聞 2024年6月22日
6月18日に、米国のビジネス雑誌フォーチュン(Fortune)が東南アジア初の『Fortune Southeast Asia 500』企業ランキングを発表した。
10位までの社名は無料公開されている。
1 Trafigura Group(シンガポール拠点の資源商社)
2 PTT(タイの国営石油・ガス会社)
3 Pertamina(インドネシアの国営石油・ガス会社)
4 Wilmar International(シンガポールの食品を中心とする複合企業)
5 Olam Group(シンガポールのアグリビジネス複合企業)
6 Perusahaan Listrik Negara(インドネシアの国営電力会社)
7 CP All(タイの小売業、セブンイレブン運営)
8 Flex(シンガポール、世界最大級の電子機器受託製造業者)
9 San Miguel(フィリピンの複合企業)
10 DBS Group Holdings(シンガポールの銀行)
このランキングは、直近の会計年度の総売上高(収益、Revenue)で順位を決めている。
株式上場企業と自主的に決算数字を情報公開している企業だけが対象になる。
時価総額の大きな上場企業が上位になりやすいので、たいていの社名はよく知られている。
だが、トップのトラフィギュラ・グループはどうだろうか?
トラフィギュラは非上場企業なのに決算情報を公開しているため、ランキング対象となった。
6月6日に、2024年半期業績(3月末までの6カ月間)を発表している。
まず、プレスリリースに書かれた会社説明を見てみよう:
Trafigura は、従業員が所有し、30 年以上前に設立された大手商品(コモディティ)グループです。世界供給の中心である Trafigura は、重要なリソースを結び付けて世界を活性化し、構築します。当社は、インフラストラクチャ、市場の専門知識、世界的な物流ネットワークを展開して、石油、石油製品、金属、鉱物、ガス、電力を生産地から必要な場所に移動し、サプライ チェーンをより効率的、安全、持続可能なものにする強力な関係を構築します。当社は、H2Energy Europe や合弁会社の Nala Renewables などを通じて、低炭素経済への移行を促進する再生可能エネルギー プロジェクトとテクノロジーに投資しています。
数字の方は、グループ売上高が1242億ドル、純利益が15億ドル。
年度数字に近づけるため、単純に2倍すると2400億ドル。
日本円だと、38兆円以上だ。
ちなみに日本企業最大のトヨタ自動車の連結売上高は約45兆円(2024年3月期)。
トヨタも、前年度は37兆円だったので、トラフィギュラの数字はやはり大きい。
「石油、石油製品、金属、鉱物、ガス、電力を生産地から必要な場所に移動」する商社の仕事は目立たないが、世界中を対象とすると巨大なビジネスとなる。
東南アジア500では、トラフィギュラのように世界市場を相手にするシンガポール拠点の企業が多いが、インドネシアとタイの企業も多い。

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