ADB成長見通し2025年12月版、アジア太平洋の成長見通しを上方修正
ADB成長見通し2025年12月版、アジア太平洋の成長見通しを上方修正
2025年GDP成長率は5.1%、2026年は4.6%と予想
東南アジア株式新聞 2025年12月10日
アジア開発銀行(ADB)はアジア太平洋成長見通しの2025年12月版を10日に発表した。
2025年、2026年の見通しともに上方修正した。
予想以上の輸出増加と米国との協定による安定化が経済成長を押し上げ
12月10日の発表:
ADB Upgrades Asia and Pacific’s Growth Outlook
アジア開発銀行(ADB)は、アジア太平洋開発途上国の今年および来年の成長見通しを上方修正した。
予想を上回る輸出と、米国との複数の貿易協定締結に伴う貿易上の不確実性の低下のため。
半導体をはじめとするテクノロジー製品を中心とした堅調な輸出、インフレの抑制、安定した金融環境が、
この地域の成長見通しを強化している。
本日発表された2025年12月アジア経済見通し(ADO)によると、インドの予想を上回る成長に支えられ、
この地域の経済成長率は、9月時点の4.8%から今年5.1%に上昇すると予測されている。
来年の見通しも0.1%ポイント上方修正され、4.6%となっている。
ADBのチーフエコノミスト、アルバート・パーク氏のコメント:
「過去1年間、世界貿易環境は歴史的なレベルの不確実性に見舞われてきたものの、
アジア太平洋地域の堅固な経済基盤は、力強い輸出と着実な成長を支えています。
貿易協定によって不確実性は部分的に緩和されたものの、外的要因やその他の課題が依然として見通しを
圧迫する可能性があります。
域内各国政府は、回復力と成長を維持するために、引き続き開放的な貿易と投資を促進する必要があります}
東南アジアGDP成長率予想は、2025年が4.5%、2026年が4.4%に上方修正
ADB見通しの東南アジアの部分を読むと、以下の通り。
東南アジアの2025年と2026年のGDP成長率予測は、それぞれ4.3%から4.5%と4.4%に上方修正。
上方修正に寄与したのは、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナムの
第3四半期の好調な業績など。
世界的な不確実性、気候変動による混乱、国内の政治情勢などいくつかのリスクが残っている。
それでも、東南アジアは依然として底堅い。
今後の見通しは持続的な政策支援と柔軟な経済戦略にかかっている。
東南アジアのGDP成長率予想(ADBのOutlookより作成)
米国との貿易交渉により米関税政策の影響の不確実性が縮小したが・・・
ADB見通し12月版の特集記事の1つは、米国の関税政策だ。
米政府は9月以降にいくつかの関税引き下げを行った。
しかし、ASEAN諸国の多くが含まれる「アジア開発途上国」に対する実効関税は27%と
他の地域より高めに留まっている。
ADB見通しは以下のように述べている。
米国の最近の関税引き下げにより、アジアの開発途上国に一定の安心感
米国は9月以降、関税政策をさらに緩和してきた。
2月以降の急激な引き上げと4月の急騰の後、米国の関税は8月と9月には歴史的な高水準に落ち着いた。
貿易協定と更なる調整により、米国の実効関税は9月の17%から11月中旬までに15%に引き下げられた。
(中略)
これらの調整後も、米国のアジア開発途上国に対する実効関税は27%にとどまり、
世界の他の地域に対する15%を大きく上回り、2024年末と比較すると17パーセントポイント上昇している。
とはいえ、東南アジア各国は米国との二国間貿易交渉を進め、関税率引き下げに成功した。
関税の影響の不確実性が縮小したものの、その代償は小さくなかった
「最近の二国間協定には、米国に対する大幅な譲歩が含まれている」。
10月には、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムの4カ国が、非関税障壁の解消、
知的財産基準の強化、労働基準および環境基準の強化を約束した。
タイとベトナムは米国産品の輸入拡大を約束し、マレーシアは特定の米国農産物への
特恵的な市場アクセスを提供することに合意した。
カンボジアとタイはまた、米国企業に対するデジタルサービス税の撤廃に合意し、
ベトナムはデジタル貿易円滑化に関するコミットメントを最終調整している。
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