企業研究|コードライフ(Cordlife、SGX:P8A)【更新】

企業研究|コードライフ(Cordlife Group Limited、SGX:P8A) 

  • 2001年の設立で、2002年にシンガポール保健省(MOH)から臍帯血バンクのライセンス取得

  • 2009年、脳性麻痺の治療のために保管されていた臍帯血ユニットを初めてリリース

  • 2012年、シンガポール証券取引所(SGX)のメインボードに上場

  • 香港、インドネシア、フィリピン、インド、マレーシアなどへ進出

  • 2023年、冷凍庫の管理不備により大量のサンプル破損が発覚


    

コードライフ株の1年間(2025年12月3日、SGX公式サイトより)
コードライフ株の1年間(SGX公式サイトより)



東南アジア株式新聞 2025年12月3日

コードライフ、再び規制措置を受けたうえに高額訴訟の重荷


2025年1月にシンガポールでの操業再開が可能になり、業績回復がこれからという段階で、

コードライフはまたも業務を制限されることになった。

さらに、損害賠償訴訟も加わり、前途多難な状態となった。


CNA の12月3日の記事:

コードライフ、臍帯血の保管不備をめぐり500万Sドル超の損害賠償請求に直面

コードライフ・グループは、同社に臍帯血を保管していた顧客から、後に損傷した、

あるいは損傷の危険性が高いとして、少なくとも545万Sドル(420万米ドル)の損害賠償請求に直面している。

コードライフは12月2日(火)に証券取引所に提出した書類の中で、

同社に対する民事訴訟が提起されたことを月曜日に通知されたと述べた。


  • 申立は、同社に109個の臍帯血ユニット(CBU)を保管していた原告グループを代表する

個人によって行われた。

  • コードライフ社によると、原告らは、同社が自社の施設においてCBUを適切に保管・保存

しなかったことによる過失および/または契約違反に起因する損失および損害について

責任を負うことの確認を求めている。

  • 原告らはまた、損傷したユニット1個あたり市場価格5万Sドル、または裁判所が決定する

その他の金額の損害賠償を求めている。




The Straits Times の11月26日の記事:

コードライフ、11月26日から新しい臍帯血の収集、検査、処理、保管が不可に

経営難に陥っている臍帯血バンク企業コードライフは、11月26日以降、新規臍帯血の採取、検査、処理、保管が

一切できなくなる。

コードライフは、既存の臍帯血ユニット(CBU)の保管を継続すること、および顧客からの指示があった場合、

他の臍帯血バンクへの移管や既存CBUの廃棄といった限定的な業務のみを行うことが許可される。

保健省(MOH)によるこの規制措置は、7月に実施されたコードライフに対する中間監査で「重大な不備」が

発覚したことを受けて実施されました。


  • 2025年1月、ライセンスが1年間更新された。

  • 2025年7月、MOHが中間監査を実施。

  • 2025年9月29日、MOHが監査結果を受け、コードライフのライセンスを1年間停止する意向通知

  • (Notice of Intent)をコードライフに送付した。

  • 2025年11月26日、コードライフの弁明を考慮した結果、

MOHは「安全かつ倫理的に適切な方法で臍帯血バンクサービスを提供し続ける」という懸念事項に十分に対応できていないと判断し、

新規の臍帯血の収集、検査、処理、保管を停止するという規制措置を発効。




2025年8月14日の発表:

コードライフ、2025年上半期の売上高が1,920万シンガポールドル増収を報告

マーケティング活動の強化、医療エコシステムと海外事業の強化に向けた戦略を加速

コードライフ・グループ・リミテッドは本日、2025年6月30日までの6カ月間(2025年上半期)の

業績を発表しました。

当社は、シンガポールおよび海外における事業回復と長期的な成長に向けた取り組みを強化しており、

2025年上半期の売上高は1,940万Sドルと増加しました。

売上高が2024年6月30日までの同時期(2024年上半期)の920万Sドルから108.8%増加しました。

主に、約9カ月の操業停止を経て、2025年1月14日にシンガポールでの操業が全面再開された

ことによるものです。

高リスクタンクの返金/免除に関連する約970万Sドルの収益戻入を除くと、2024年上半期のグループの収益は1,890万Sドルとなります。

粗利益は、前年同期の140万Sドルから2025年上半期には680.7%増加し、1,090万Sドルとなりました。



S$’000

1H2025 

前年同期比増減(%)

収益

19,186

108.8 

粗利益

10,945

680.7

純損失

(4,603)

(62.7)





東南アジア株式新聞 2024年5月14日


シンガポールの血液銀行、コードライフ(Cordlife、SGX:P8A)の株価下落がなかなか止まらない。

2023年11月に保健省(MOH)の発表によって、コードライフが大量の臍帯血ユニットを破損したことが

明らかになって以降、同社の株価は下がり続けている。

ビジネス自体は壊滅的な打撃を受けてはいないが、MOHの調査や事業停止命令、訴訟問題などが

株価に大きな影を落とした格好だ。


最近でもニュースが多い。


The Straits Times の5月13日の記事:

Cordlife to cancel private placement; 

「コードライフは5月13日、4月17日に発表した820万ドルの私募増資を撤回すると発表した。

これは、高等裁判所が同社の新株発行を一時的に差し止める仮差し止め命令を支持し、

その取り消しを求める上告を棄却したことを受けてのことだ。」

「これとは別に5月13日、経営難に陥った臍帯血銀行は、保健省(MOH)が5月14日の年次株主総会に先立ち、

シンガポールに本拠を置く理事を置くことの重要性を強調する通知を出したと発表した。

 株主間の争いの中で取締役が交代することになる。」


このうち、ビジネス面で痛いのは、株主が起こした訴訟によって裁判所に増資を止められたことだ。

今後、訴訟費用が増えるのが予想される。

また、東南アジア地域での事業拡大に投資をしてきただけに、事業計画が予定通りに進まなくなる可能性が出てきたのが厳しい。


4月までに以下のようなニュースが多数報じられた。


4月5日のマレーシア The Star の記事:

Another Cordlife director arrested, the seventh in string of arrests | The Star

「コードライフの取締役会メンバーがまた一人逮捕された。

これは、問題を抱えている民間臍帯血銀行の幹部の一連の逮捕の最新のものである。

同社は4月5日午後5時18分の証券取引所への提出文書で、取締役会の非独立社外取締役である

Yiu Ming Yiu氏が逮捕され、警察商事局の事務所での面接に出席した後保釈されたと発表した。


Yiu は、コードライフの現グループ CEO、Yiu Pang Fai の弟。

彼は、臍帯血ユニットの誤った取り扱いに関連した会社の開示義務違反の疑いで逮捕された。

以前の逮捕者 6名には、元グループCEO、最高財務責任者、会長代理、取締役が含まれていた。


とはいえ、現在までのところ、コードライフの経営は機能している。少し前には、スキャンダル対応からの脱却をめざす抱負を、ストレートタイムズに語っている。


5月7日の The Straits Times の記事:

‘We don’t want to fail parents another time’: Cordlife CEO on addressing lapses

「コードライフでは、新ボスのイワン・ユイ氏のリーダーシップの下、プロセスの見直しが行われ、

問題を抱える民間さい帯血バンクの信頼を回復することを誓った。

会社の技術力を強化するために、新しい研究室の雇用者も追加された。

ユイ氏は5月7日、2月19日に同グループの最高経営責任者となって以来初めて沈黙を破り、

ストレーツ・タイムズ紙に語った。」


今のところ、株価は下がり続けている。

現経営陣は、スキャンダル対応のコードライフの業績への影響をどこまで限定できるか、

とてつもなく難しい判断を迫られている。


2023年度の決算では、以下のような内容を発表した(2024年2月29日)。

コードライフの 2023 年度の純利益は 23.1% 減の 380 万Sドルに

• 2023 年度の収益は、前年比 1.4% 増の 5,590 万Sドルとなった。 

• 2023年度の営業利益は、2023年12月15日からシンガポールでのグループの事業が停止されたことと、

グループのサービス提供コストに影響を与えたインフレ圧力の影響もあり、31.0%減の290万Sドルとなった。 

• 保健省(MOH)による進行中の調査とシンガポールでのグループの事業停止は、

引き続きグループの財務にマイナスの影響を与えることが予想される。 

当社は引き続きMOHと緊密に連携し、特定された問題に対処していく。 

• 停止および進行中の調査はシンガポールにおけるグループの事業に限定されており、

シンガポール国外にある子会社の事業には影響を与えない。








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