インドネシアのゴールデンビザ、7月導入から471件発給、取得者からの投資額は9兆ルピア(約857億円)に

 

東南アジア株式新聞 2024年12月18日


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インドネシアのゴールデンビザ、7月導入から471件発給、取得者からの投資額は9兆ルピア(約857億円)に

インドネシアが今年7月に導入したゴールデンビザの12月までの発給は471件で、ビザ取得者からのインドネシアへの投資は9兆ルピア(約857億円)だった。

最近、国営アンタラ通信が報じた。


同国へ高度人材と投資を引き寄せるが目的のビザ制度は、少なくとも投資に関しては初年度で十分な効果を示したようだ。





国営アンタラ通信の12月17日の記事:

471 golden visas issued, generate Rp9 trln investment - ANTARA News


移民・矯正省の移民総局は、7月にプログラムを開始してから2024年12月までに471件のゴールデンビザを発給した。総投資額は9兆ルピア(5,440億米ドル)に達した。

「(ゴールデンビザ利用者は) 471人で、9兆ルピアの投資を伴いました」と、居住許可および移民ステータスの局長ジャヤ・サプトラ氏は火曜日の記者会見で述べた。


(中略)

ゴールデンビザプログラムは、7月25日にインドネシアの第7代大統領ジョコ・ウィドド氏によって導入された。

この政策は、ビザおよび居住許可に関する2023年法務人権大臣規則第22号および2023年財務大臣規則第82号に基づいている。


ゴールデンビザには、個人投資家、法人投資家、元インドネシア国民 (WNI)、元 WNI の子孫、セカンドホーム、世界的な才能、世界の著名人など、いくつかのビザ・タイプがあります。

このタイプのビザは、外国人の投資計画とインドネシアでの就労を容易にします。 ゴールデンビザでは、一定の投資要件を満たせば、インドネシアでの滞在期間が 5 年と 10 年と長くなります。

ゴールデン ビザ保持者に提供されるその他の特典には、国際空港の入国管理サービス ラインへの優先アクセスや、限定滞在許可 (ITAS) を申請する必要がないことなどがあります。



「総投資額は9兆ルピア(5,440億米ドル)」で「471人」だから、単純な人数割りで、一人当たり 191億ルピア投資したことになる。

投資の中身はわからないが、ゴールデンビザのうち、個人の投資家 2タイプ(会社設立、インドネシアの国債・株式に投資)と法人の投資家(インドネシアに支店・子会社を設立)1タイプのビザ取得者からの投資額と見られる。

191億ルピアは、日本円換算で、1.8億円。


ゴールデンビザには必ずしも大きな投資を必要としないタイプもある。

元インドネシア国民やその子孫を対象とするタイプもあるし、政府が招待したグローバル・タレント(第1号はインドネシア代表サッカーチームのコーチだった)というタイプもある。

ということは、投資家タイプのゴールデンビザの人数は471より少ないはずで、一人当たり投資額は1.8億円より多い計算だ。


ゴールデンビザが呼び水となってそれだけの投資があったとすれば、ゴールデンビザは政策効果が大きいと言えるのではないか。


インドネシア政府のゴールデンビザ・サイト:Golden Visa – Indonesia.nl によると、14タイプある。

以下に、ゴールデンビザのうち 4タイプについて応募要項の抜粋を作った。


E33E: Silver Hair Visa (リタイアメント・ビザ)

滞在:最長 5 年間 (延長可能)

費用:IDR 13,000,000

このビザでできること:インドネシアに居住、インドネシアへの往復は何度でも可能


書類要件:

  • 少なくとも12か月有効な国籍パスポート

  • 本人または家族の生活費として最低2,000米ドルまたは同等額の証明

  • 最新のカラー写真

  • 申請者が国営銀行の本人名義の口座に最低50,000米ドル相当の資金を入金するという誓約書

  • 月額最低3,000米ドルの収入または給付の証明



E28B: INDIVIDUAL INVESTOR (会社を設立)

滞在:5 年または 10 年 (延長可能)

費用:IDR 13,000,000 (最長 5 年)、IDR 19,500,000 (最長 10 年)

このビザでできること:インドネシアでビジネスおよび投資活動を行う、資格のある家族を連れてくる、仕事関連の活動を行う


書類要件:

5年間の滞在の場合、次のものを提供する必要があります。

  • 少なくとも6か月有効な国籍パスポート

  • 少なくとも5,000米ドルまたは同等の生活費の証明

  • 最新のカラー写真

  • 国際基準の公認会計士による親会社の財務監査報告書に記載されている、インドネシア国外の会社の株式所有の証明

  • 国際基準で監査された財務諸表に記載されている、海外の企業における売上高/販売額が少なくとも 2,500 万米ドルであることを示す証明

  • 申請者がインドネシア入国日から 90 日以内に、インドネシアに最低 5 年間の滞在期間で発行資本 (株式) または投資額が少なくとも 250 万米ドルの会社を設立するという誓約書




E28C: INDIVIDUAL INVESTOR (インドネシア国債・株式を購入)


滞在:5 年または 10 年 (延長可能)

費用:IDR 13,000,000 (最長 5 年)、IDR19,500,000 (最長 10 年)

このビザでできること:インドネシアでビジネスおよび投資活動を行う、資格のある家族を連れてくる、仕事関連の活動を行う


書類要件

5年間の滞在の場合、次のものを提供する必要があります。

  • 少なくとも6か月有効な国籍パスポート

  • 少なくとも5,000米ドルまたは同等の生活費の証明

  • 最新のカラー写真

  • インドネシア入国日から 90 日以内に履行しなければならない誓約書

例:

  • 滞在期間 5 年以内の 350,000 米ドル相当のインドネシア国債の購入

  • インドネシア上場企業の 350,000 米ドル相当の株式または投資信託の購入



E28D: CORPORATE INVESTOR (インドネシアに支店・子会社を設立する)


滞在:5 年または 10 年 (延長可能)

費用:IDR 13,000,000 (最長 5 年)、IDR 19,500,000 (最長 10 年)

このビザでできること:インドネシアでビジネスおよび投資活動を行う、資格のある家族を連れてくる、設立された会社の取締役または評議員として働く


書類要件:

5 年間の滞在の場合:

  • 少なくとも6か月有効な国籍パスポート

  • 少なくとも5,000米ドルまたは同等の生活費の証明

  • 最新のカラー写真

  • インドネシアに最低 25,000,000 米ドルの投資額で会社を設立し、滞在期間を最長 5 年とする誓約書

  • 国際公認会計士事務所が監査した財務監査報告書に記載されている海外企業の売上高が最低 100,000 米ドルであることの証明





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