ナイトフランク調査:2024年東南アジアにおけるデータセンター投資の誘致、マレーシアが圧勝
東南アジア株式新聞 2024年12月24日
シンガポールと香港は半日取引
ナイトフランク調査:2024年東南アジアにおけるデータセンター投資の誘致、マレーシアが圧勝
今年、マレーシアがデータセンター投資を引き寄せていたのは、東南アジアのビジネスに関心のある多くの人が知っているだろう。
そのうえで、専門の調査会社がまとめた資料を読むことは、情報の整理に役立つ。
不動産情報会社ナイトフランク・マレーシア(Knight Frank Malaysia)が12月23日、『データセンター調査リポート2024(Data Centre Research Report ‐ 2024)』を発表した。
Malaysia Data Centre Research Report - 2024
東南アジア5カ国のデーターセンター機会指数で、マレーシアが昨年に続きトップ
ナイトフランクのデータセンター調査レポート2024によると、マレーシアはデータセンター(DC)に関して他の4つの国を上回っており、2024年1月から10月までに1417億2000万リンギットのDC投資を確保した。
これは2023年に確保したデジタル投資総額の3倍だ。
ナイトフランクのリポートより |
SEA-5データセンター機会指数によると、マレーシアは年間429メガワット(MW)と驚異的なデータ量となるDCを誘致した。
2位が、昨年に続きインドネシア。93MW。
3位には、昨年から順位を上げたタイが入った。
有名IT企業が軒並みマレーシアに。インドネシアとタイを好む中国勢も
ナイトフランクによると、マレーシアの成長は、2023年12月から2024年10月の間に発表された合計233億ドルの戦略的投資によって推進された。
これらの投資は、テクノロジー大手のNvidia、Microsoft、Google、ByteDance、Amazon Web Services(AWS)、Oracleによって人工知能とクラウドインフラストラクチャ向けに行われた。
ファーウェイ(Huawei)とテンセント(Tencent)の中国勢はそろって、インドネシアとタイにDC投資をした。
もっとも、Google、AWS、Alibaba Cloudは、マレーシア、インドネシア、タイの3カ国ともにDC投資をしている。ファーウエイやテンセントが今後、マレーシアも投資先にする可能性は十分にある。
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ナイトフランクのリポートより |
マレーシアの強み:再生可能エネルギーのインフラと地域間競争
ナイトフランク・マレーシアは、マレーシアの強みとして、政府や公益企業の電力インフラに注目している。
2023年8月に開始されたテナガ・ナショナル・ベルハッド(TNB)のグリーンレーン・パスウェイ(データセンターへの電力供給を加速するために、実装期間を36~48か月からわずか12か月に短縮)や、データセンターによる再生可能電力供給の採用を支援するマレーシア政府の企業再生可能エネルギー供給スキームについて、リポート内で紹介している。
また、マレーシア国内の地域・州の誘致競争も激しい。
ジョホール州がIT容量でトップで、これにクランバレー地域が続き、サラワク州、ネグリ・スンビラン州、ケダ州が今後のデータセンターの立地として浮上していると、ナイト・フランク・マレーシアは述べている。
地域・州の詳しい分析もあるので、関心のある方はリポートを読んでみてほしい。
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