中国ZTE、マレーシアで存在感を増す、東南アジアでの開発拠点設置へ

 

東南アジア株式新聞 2024年12月11日


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中国ZTE、マレーシアで存在感を増す、東南アジアでの開発拠点設置へ

中国大手通信機器のZTEがマレーシアで存在感を増している。

マレーシア携帯電話大手2社の5G技術の導入に協力してきたのに加え、最近、首相や貿易産業相に会い、マレーシアを東南アジアにおける開発拠点とすることを伝えた。

米中対立が深まりつつある中、中国大手企業の東南アジア戦略具体化が進展しそうだ。


  
ザフルル投資産業貿易相のX投稿(2024年12月10日)
ザフルル投資産業貿易相のX投稿(12月10日)


The Edge Malaysia の12月11日の記事:

中国ZTE、マレーシアにイノベーションセンター開発のため2億リンギットを投資

China-based ZTE to invest RM200m in Malaysia for development of innovation centres


中国を拠点とする通信機器大手ZTEコーポレーションは、マレーシアに2億リンギットを投資して2つのイノベーションセンターを設立し、現地通信事業者との協力を通じて最新の5G技術を導入する予定だ。


投資貿易産業大臣の(称号テンク・ダトゥク・スリ)ザフルル・アブドゥル・アジズ氏のX(旧Twitter)投稿によると、ZTEはマレーシアをデジタルハブとして位置づけ、グローバル事業のための地域センターオブエクセレンスを構築するという。

「ZTEコーポレーションは中国の5G市場で主要プレーヤーであり、市場シェアの約35%を占めています。特に、ZTEの5G機器の95%はマレーシア産のチップに依存しており、ZTEのグローバル事業にとって同国が重要であることを強調しています」とザフルル氏は述べた。

同氏は、投資貿易産業省(Miti)は新産業マスタープラン(NIMP)の目的に沿って、ハイテク分野への投資支援に引き続き尽力すると付け加えた。


この記事によれば、アンワル首相もX投稿でZTE首脳の表敬訪問を伝えている。


ところで、この記事がわざわざ「China-based」と付けているということは、マレーシアでのZTEの知名度は高くないらしい。

ZTE(中興通訊)は(日本でも一般の知名度は高くないようだが、)米国ではファーウェイ(華為)と並んでよくニュースになっている。

米国が国防上の理由から排除したくなるほどの高度な技術力を持つ通信機器メーカーということだ。


12月7日のワシントンDC発ロイター電:

US House to vote to provide $3 billion to remove Chinese telecoms equipment | Reuters

米下院は来週、年次防衛法案の採決を行う予定だ。この法案には、米国の通信会社が中国の通信会社ファーウェイとZTE製の機器を排除するための30億ドル強の支出が含まれており、安全保障上のリスクに対処するため米国の無線ネットワークに新たな壁が築かれることになる。


     
ZTE(H株)の1年間(2024年12月11日、HKEX公式サイトより)
ZTE(H株)の1年間(HKEX公式サイトより)


一般人の間で知名度は低くても、ZTEは通信業界ではよく知られている。

マレーシアでは大手携帯電話会社2社(セルコム・デジとUモバイル)の5G技術高度化に協力している。

たとえば、同社は以下のような目立つイベントにも参加している。


ZTE の8月26日の発表文:

CelcomDigi、U Mobile、ZTEがマレーシアのSUKMA 2024で5G-Advancedのライブ放送を実現

CelcomDigi, U Mobile and ZTE achieve Malaysia's 5G-Advanced live broadcast for SUKMA 2024


統合情報通信技術ソリューションの世界的な大手プロバイダーである ZTE Corporation (0763.HK / 000063.SZ) は、2024 年マレーシア競技大会 (SUKMA 2024) に 5G-Advanced (5G-A) ミニマリスト・プライベート・ネットワークでワイヤレスのライブ放送ソリューションを提供し、複数の関係者から高い評価と注目を集めました。


SUKMA 2024 のグランドオープニングセレモニーは 2024 年 8 月 17 日にスタジアム・サラワクで開催され、マレーシアの放送史上重要な節目となりました。ZTE、CelcomDigi、U Mobile は協力して 5G-A ワイヤレス超高精細 (UHD) ライブ放送ソリューションを提供しました。この画期的な放送では、SumaVision の浅い圧縮コーデック技術を利用して、Radio Television Malaysia (RTM) を通じてイベントの高品質なライブストリームを提供しました。



SUKMA 2024 は、マレーシアにおける日本の国民体育大会のようなイベントだ。

このイベントでの協力だけでなく、地元のIT情報メディアでは、マレーシアの通信会社とZTEの提携や共同プロジェクトの記事が時折報じられている。


ファーウェイも同様だが、ZTEも東南アジア市場への浸透を急ぎ始めたようだ。


自国の産業高度化をめざすマレーシア政府は先端技術を持つ企業の誘致に積極的であるため、首相と産業大臣がそろってZTEを迎える歓迎ぶりとなった。







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