東南アジア株式新聞 2025年5月17日
マレーシアの長期滞在ビザ「MM2H」最新情報
JS-SEZ特区専用の「MM2H」がお得?
マレーシアの長期滞在ビザ「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」の種類が増えている。
以前調べたときは、連邦政府のMM2Hとサラワク州とサバ州の各MM2Hしかなかった。
現在では、許可される滞在期間によりプラチナ(20年)、ゴールド(15年)、シルバー(5年)がある。
経済特別区・金融特別区(SEZ/SFZ)専用のMM2Hもある。
最後の特区用は、今年から本格始動したジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)のために新設された種類だが、マレーシアの銀行に預ける金額が他のMM2Hに比べ安い。
現地が定める最低額の不動産を購入する必要があるが、長期滞在ビザを手に入れるのが格段に容易になっているように見える。
シンガポール人を誘致するためのメイバンク・プレミアの資料
最近こんな記事があった。
NST の5月15日の記事(中身は国営ベルナマ通信):
マレーシア、改訂されたMM2H居住制度でシンガポール人を誘致
Malaysia woos Singaporeans with revamped MM2H residency scheme | New Straits Times
シンガポール:マレーシア観光芸術文化省は、変化する世界情勢に対応し、透明性の向上、手続きの簡素化、政策の柔軟性向上を目指し、マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムを継続的に強化していると、ティオン・キング・シン大臣は述べた。
(中略)
ティオン氏は当地での実務訪問中に、メイバンク・シンガポールと共同で「メイバンク・プレミアMM2H - マレーシアへのゲートウェイ」プロモーションイベントを開催した。
イベントで大臣は、シンガポール国民に対し、マレーシアを訪れるだけでなく、次の戦略拠点として検討するよう促しました
この記事には、長期滞在ビザ「MM2H」がどう「継続的に強化」されているのかは書かれていなかった。
そこで、記事に登場したメイバンク・プレミアと「MM2H」を検索すると、以下の資料を見つけた。
https://www.maybankpremierwealth.com/iwov-resources/PremierWealth/static/pdf/tc-mm2h.pdf
メイバンク・シンガポールが上級顧客に対し、マレーシアのビザ「MM2H」を得るサポートをする、ということらしい。
メイバンクの資料には、以下の表(西マレーシア)やサラワク州、サバ州のMM2Hについて各要件がまとめられている。
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メイバンク・プレミアのMM2H資料より |
ジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)のMM2H
特区用MM2Hの資料(担当官庁が作成したもの)を見つけた。
現在は、JS-SEZだけが対象だ。
JS-SEZのSFZ(金融特区)は、フォレストシティ。
TERMS AND REGULATIONS UNDER SPECIAL ECONOMIC ZONE/SPECIAL FINANCIAL ZONE CATEGORY The Ministry of Tourism, Arts and Culture has
以下、ざっと日本語に翻訳した。気になるところを赤字とした。
特別経済区/特別金融区カテゴリーにおける条件および規制
観光芸術文化省は、新たに設置された特別金融地域におけるMM2Hプログラムに特別な条件を導入しました。特別経済・金融地域におけるMM2Hプログラムの特別な条件は次のとおりです。
参加年齢要件
| 主に外国投資を促進するため、21歳以上の申請者を対象としています。 |
財政要件 | i. 参加資格のある方は、2013年金融サービス法(法律第758号)または2013年イスラム金融サービス法(法律第759号)に基づき認可されたマレーシアの金融機関に、以下のとおり定期預金(FD)を預け入れている必要があります。 - 21歳から49歳の場合:65,000米ドル。 - 50歳以上の場合:32,000米ドル。
ii. MM2H参加者としての承認取得後、マレーシアでの住宅購入、教育、医療、観光活動のために、定期預金元本の最大50%の引き出しが認められます。 |
参加費(一回限り) | i. 名義人の申請ごとにRM1,000の参加費がかかります(1回限り)。 ii. 扶養家族には参加費はかかりません。
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住宅の購入 | i. MM2H参加者としての承認を得た後、不動産/住宅(最低価格はジョホール州の不動産取得政策に従う)を購入し、所有することが義務付けられます。 ii. 申請者は、不動産業者や既存の所有者を介さずに、不動産開発業者から直接住宅を購入する必要があります。 iii. 住宅の売却は10年間禁止されます。ただし、現在の物件からより価値の高い住宅へのアップグレード(新しい住宅の購入)は可能です。 iv. 上記のいずれかの条件に違反した場合、MM2Hパスは取り消されます。
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最低滞在期間 | i. 1年間にマレーシアに90日間(累計)滞在すること。 ii. 21歳から49歳までの参加者の場合、マレーシア滞在期間は本人または扶養家族が満たすことができます。
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扶養家族 | 参加者は、以下の扶養家族を連れてくることができます。 i. 配偶者(妻/夫) ii. 実子/継子/養子(21歳未満の場合)。ただし、21歳から34歳の場合は、マレーシア滞在中に無職かつ独身である必要があります。 iii. 医学的に障害があると診断された児童 (年齢制限なし) iv. 両親または義理の両親
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MM2H PASS | i. 10年間有効のMM2Hパス(マルチプルエントリービザ(MEV)付き)。 ii. 本人および扶養家族向け。 iii. 更新可能。 iv. パスの有効期限は、参加者のパスポートの有効期限によって決まります。 v. 参加者のパスポートの有効期限がMM2Hパスの有効期間の終了前に切れる場合、参加者はパスを更新する必要があります。
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教育 | 扶養家族(子供)は、マレーシア政府公認の高等教育機関において、高等教育レベルまでの教育を受けることができます。扶養家族(子供)は、既存のMM2Hを利用するか、自動的に学生パスを取得できます。 |
医療 | マレーシアでは長期の医療治療が許可されています。 |
事業/投資活動 | 不許可 |
キャリア機会 | 不許可 |
健康診断 | MM2Hプログラムへの参加承認を受けた後、本人および扶養家族は、観光・芸術・文化省が指定する指定クリニック/病院で健康診断を受けることが義務付けられます。 |
カテゴリー特典
| 定期預金などの入金にかかる税金が免除されます。 |
名義人の変更 | 本人死亡の場合、故人のMM2Hパスは登録扶養家族のうち近親者に譲渡可能です。 |
MM2H PASS 更新条件 | • パスは、プログラムの最大年数を修了した後、5年ごとに更新できます。 • 申請者は、以下の最新の書類を提示する必要があります。 i. 有効なパスポートのコピー ii. 最新の健康診断書のコピー iii. 健康保険証 • 更新申請は、MM2Hワンストップセンターに提出する必要があります。 • パスの更新料は、申請者本人と扶養家族でRM300です。
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(注意)英文資料の表をざっと日本語に直しただけであり、正確な情報は観光芸術文化省の原文(正文はマレーシア語)を確認してください。
観光芸術文化省ワンストップ・センターのMM2H資料
もう1つ見やすい資料を紹介する。
担当官庁はMM2H専用の相談窓口(ワンストップ・センター)を設けている。
ONE STOP CENTRE MALAYSIA MY SECOND HOME MM2H CATEGORY & REQUIREMENTS PLATINUM GOLD SILVER SEZ / SFZ AGE 21-49 SEZ / SFZ AGE
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ワンストップ・センターのMM2H資料 |
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