ASEAN 2026 (議長国 フィリピン)【更新】

 

ASEAN 2026(議長国 フィリピン)

テーマは、「Navigating Our Future, Together」(共に未来へ)




ASEAN エネルギー・食料安全保障の仕組みはどう作る?

東南アジア株式新聞 2026年5月11日


第48回ASEAN首脳会議では、首脳らは地域燃料備蓄や食料安全保障のための待機メカニズムといった

新たな構想が提案されたが、具体的に何をいつ実行するのかについては何も合意されなかった。


なぜそうなったかについて、以下のCNAのコメンタリー記事(5月11日)が詳しく書いている。

ASEAN’s proposed resilience measures must go into ‘full gear’, but domestic priorities a stumbling block

フィリピン中部マクタン島の高級ビーチリゾート近くの満員の記者会見場で、

フェルディナンド・マルコス大統領は、東南アジア諸国が直面する喫緊の課題について見解を述べた。

中東紛争の継続は、地域に深刻な物資供給の混乱をもたらしている。東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳らは、

5月8日(金)、同島に集まり、エネルギーと食料安全保障における協力強化、および危機時の連携強化を

目的とした措置を承認した。


しかし、具体策については何の合意もなかった。


同記事がエネルギーや食料の安全保障の専門家に聞いて回ったところによると、

いろいろ難しい実態が明らかになった。

記事は主に2つのASEANの既存制度に焦点を当てている。


APSAの問題点

ASEAN石油安全保障枠組み協定(APSA)は、加盟国が個別に、または共同で石油安全保障を強化し、

短期、中期、長期の措置を実施することにより、緊急事態へのリスクを最小限に抑えることを目的と

した協定だ。

石油の共同備蓄も推奨している。

協定は2025年10月にマレーシアのクアラルンプールで開催されたASEANエネルギー大臣会合で

更新された。


金曜日の本会議において、

シンガポールのローレンス・ウォン首相は、ASEAN閣僚が燃料備蓄について協議したことを認めつつ、

2025年に最後に更新されたASEAN石油安全保障協定(APSA)の迅速な批准を求めた。


APSA最新版の批准については情報がないが、シンガポール首相の発言は、

批准があまり進んでいないことを示している。

また、記事では、「各国政府は、国家の柔軟性を制約する可能性のある義務に縛られることを警戒する

だろう。まさにこうしたジレンマこそ、この協定が解決しようとしているものだ」

という専門家の意見を紹介している。。


APTERRの問題点


(マレーシア首相の)アンワル氏は金曜日、危機発生時の「食料安全保障のための地域的待機体制」の検討と、

ASEANプラス3緊急米備蓄(APTERR)メカニズムを肥料にも拡大することを提案した。


APTERRは、ASEAN加盟国に加え、中国、日本、韓国が参加しており、2011年から運用されている。

災害発生時に市場価格を混乱させることなく、米を即時放出するための備蓄体制だ。


専門家の意見:

  • 保管と管理にコストがかかる肥料にこの仕組みを拡大すると、コストが大幅に増加する。

  • 物流面ではさらに複雑な問題がある。保管基準、植物検疫規則、輸送インフラが異なるため、

迅速な展開が困難だ。

  • マレーシア、インドネシア、ベトナム、ブルネイが実際に肥料生産を拡大し、

関税ゼロにできれば、肥料の自由な流通は地域にとって大きな恩恵となるだろう。

  • 次に問題となるのは、それが物理的な備蓄になるのか、保管費用は誰が負担するのか、

ということだ。


東南アジア株式新聞 2026年5月9日


議長マルコス大統領によるFB投稿(2026年5月8日)
議長マルコス大統領によるFB投稿(5月8日)


ASEANサミット(セブ、5月8日)


フィリピンのセブで開催されたASEAN首脳会議で、指導者たちは以下の共同声明と宣言を出した。


地域内問題について:

ミャンマーのいちおうの選挙を経た政権への対応については意見の統一はならなかった。

タイとカンボジアの国境問題については、フィリピンの仲介で両国首脳が問題解決へ進む意向を示した。


5月8日の発表:

中東危機対応についてのリーダーズ声明

ASEAN Leaders' Statement on the Response to the Middle East Crisis

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、地政学的緊張の高まりと地経経済情勢の不確実性の増大という状況の中、

2026年5月8日にセブで開催された第48回ASEAN首脳会議に集結しました。

私たちは、中東情勢の進展と、地域貿易、投資、エネルギー、食料安全保障、

そしてASEAN国民への影響を含む、ASEANへの影響に早急に対処する方法について意見交換を行いました。


私たちは、急速に変化する中東情勢に深刻な懸念を表明しました。

この情勢は、市民の生命と安全、そして地域および世界の平和と安定に重大な脅威をもたらしています。

私たちは、パキスタン・イスラム共和国の仲介により、関係各国の支持を得て、米国とイラン・イスラム共和国

の間で停戦が合意されたことを歓迎し、この紛争の恒久的な解決に向けて、誠意をもって交渉を継続していく

ことを表明しました。

私たちは、関係するすべての当事者に対し、最大限の自制心を発揮し、あらゆる敵対行為を停止し、

事態を悪化させる可能性のあるいかなる行為も避けることにより、停戦の完全かつ効果的な実施に資する良好な

環境を維持するよう強く求めました。

私たちは、中東全域における敵対行為の完全かつ即時停止の必要性を含め、地域の平和、安定、繁栄の維持、

国際法の遵守、紛争や緊張への対処における真摯な対話と外交の促進の重要性を強調しました。


海洋問題解決における協力についてのリーダーズ宣言

ASEAN Leaders’ Declaration on Maritime Cooperation

私たち、東南アジア諸国連合(ASEAN)、すなわちブルネイ・ダルサラーム国、カンボジア王国、インドネシア共和国、ラオス人民民主共和国、マレーシア、ミャンマー連邦共和国、フィリピン共和国、シンガポール共和国、

タイ王国、東ティモール民主共和国、ベトナム社会主義共和国は、2026年5月8日に

第48回ASEAN首脳会議において、以下のとおり宣言する。

地域における平和、安全、安定及び繁栄の維持及び促進、並びに紛争の平和的解決

(1982年国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に従い、

武力による威嚇又は武力の行使に訴えることなく、

法的及び外交的手続きを完全に尊重することを含む)に対する共通のコミットメントを再確認する。





フィリピン・エネルギー省の4月26日の発表:

ASEAN Advances Coordination on Energy Security Amid Middle East Developments

中東情勢の緊迫化を受け、ASEANはエネルギー安全保障に関する連携を強化

フィリピンは、ASEANエネルギー担当上級実務者会合(SOME)の議長国として、中東情勢の最近の動向と

その地域エネルギー安全保障への影響に関するASEANエネルギー大臣特別会合(AMEM)の準備として、

対話パートナー国との臨時の準備会合および協議会を開催しました。

フィリピンのエネルギー担当上級実務者でありSOME議長でもあるフェリックス・ウィリアム・B・フエンテベラ

次官は、世界および地域のエネルギー市場に影響を与える情勢変化の中で、タイムリーな連携の重要性を

強調しました。

「ASEANは、今回の臨時会合を通じて、地域エネルギー安全保障に影響を与える情勢変化に対処するため、

協議と連携を継続していく」とフエンテベラ次官は述べました。


  • 協議会では、対話パートナー国が現在の供給状況に関する最新情報を共有し、供給源の多様化、

エネルギー資源へのアクセス、市場の透明性、緊急時対応の連携など、協力分野について

意見交換した。

  • 技術ブリーフィングでは、供給ルートの制約や地域に影響を与える貿易フローの変化など、

世界の石油・ガス市場の状況に関する最新情報が提供された。

 ASEAN加盟国は、各国の状況を考慮した上で、監視システムの強化、データ透明性の向上、

戦略的備蓄および緊急備蓄への取り組みの推進の重要性を認識した。



     


東南アジア株式新聞 2026年4月14日

外相団声明:米国とイランに紛争の恒久的終結への交渉継続を呼びかけ

ASEAN加盟国は4月13日、オンラインでASEAN外相会議を開き、声明を出した。

「我々は、米国とイラン・イスラム共和国に対し、

紛争の恒久的終結と地域における永続的な平和と安定につながる交渉を継続するよう強く求める」

と声明は述べている。


米国とイランの交渉は12日に停止となったが、ASEANは、中東に近く、関係の深い国々の共同体

として、交渉の継続を求めた。


フィリピンのマ・テレサ・ラザロ外務大臣は記者会見で、閣僚らは肥料をはじめとする重要な農業資材の確保

に向けた共同アプローチについても協議したと述べた。

「また、迅速に招集できるASEAN外相危機コミュニケーション・プロトコルの策定の可能性についても検討した」

とラザロ外相は述べた。

「ASEAN議長国として、フィリピンは5月に開催される首脳会議の開催に向けて尽力しており、

同会議では食料・エネルギー安全保障、そして加盟国国民の安全が主要議題となる」と付け加えた

Free Malaysia Today の4月13日の記事


   
ASEAN外相団声明(2026年4月13日)表題部分
ASEAN外相団声明の表題部分


ASEANの4月13日の発表:

中東情勢に関するASEAN外相団声明

(全文の日本語訳)

1. 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国は、2026年4月8日に発表されたアメリカ合衆国と

イラン・イスラム共和国間の2週間の停戦を歓迎する。


2. 我々は、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法、および

国際民間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)の関連基準と勧告に従い、

国際航行に利用される海峡における航行の自由と上空飛行の自由を維持し、

海上安全保障を確保することの重要性を改めて確認する。

この点において、我々は、1982年のUNCLOSに沿ってホルムズ海峡における船舶と航空機の安全かつ

妨害のない継続的な通過を回復すること、そしてすべての関係国が海上人命安全条約(SOLAS条約)

に従って船員と船舶の安全を確保することを求める。


3. 我々は、米国とイラン・イスラム共和国に対し、紛争の恒久的終結と地域における永続的な平和と

安定につながる交渉を継続するよう強く求める。

この点におけるパキスタン・イスラム共和国および関係各国の協力的な努力を称賛する。


4. 我々は、さらなる苦痛と人命の損失を防ぎ、1982年の国連海洋法条約に従い、

特に商船、非戦闘船舶、航空機の海上安全保障と航行および上空飛行の自由を確保し、

エネルギーおよび生活必需品の流れへの混乱を最小限に抑え、世界経済の安定に対する悪影響を

緩和することを目的とした停戦の完全かつ効果的な履行を求める。


5. 我々は、関係当事者すべてに対し、停戦の完全かつ効果的な履行に資する良好な環境を維持する

よう強く求める。

これには、停戦条件を厳格に遵守し、最大限の自制心を発揮し、あらゆる敵対行為を停止し、

責任ある行動を取り、事態を悪化させる可能性のあるいかなる行為も避け、

国際法、国連憲章、および関連する国連安全保障理事会決議に従って、

包括的かつ永続的な解決に向けて共同で取り組むことが含まれる。


6. 我々は、中東におけるあらゆる戦線での完全かつ即時の敵対行為停止の必要性を含め、

紛争と緊張に対処する主要な手段として、地域の平和、安定、繁栄の維持、国際法の遵守、

真摯な対話と外交の促進の重要性を強調する。


7. 我々は、すべての国家が国際法、国連憲章および関連する国連安全保障理事会決議に従って、

平和的手段によって相違を解決する義務、すべての国の主権および領土保全を尊重する義務、

武力紛争における民間人および民間インフラを保護する義務、

国連平和維持要員および人道支援要員の安全と保障を確保する義務を改めて確認する。




東南アジア株式新聞 2026年1月31日

非公式外相会議(1月28日、29日)


フィリピンは2026年1月28日から29日まで、セブ市のヌスターホテルで

ASEAN外相会議リトリート(非公式会議)を主催した。

これが、同国が2026年のASEAN議長国として初めて開催する主要な閣僚会議となった。



CNAの1月30日の記事:

ASEAN 、軍政が勝利を主張するミャンマー選挙を承認せず

フィリピンの外相は1月29日(木)、2021年に軍が政権を掌握して以来初めてとなるミャンマーで行われた

選挙について、ASEAN(東南アジア諸国連合)はこれを承認しないと述べた。

軍が支援する政党が勝利を主張したミャンマー選挙をASEANが承認しないことは、同国の軍政による国際的な

承認獲得への努力にとって大きな打撃となる。

ミャンマーを含む11カ国からなるASEANは、2021年に軍がアウンサンスーチー氏率いる選出された政府から

権力を奪取して以来、軍政を承認していない。この権力奪取により、貧困に苦しむこの国は壊滅的な内戦に

陥った。

記者会見で、ASEANがミャンマーの選挙を承認していないかとの質問に対し、フィリピンのテレサ・ラザロ

外相は「現時点ではイエスだ」と答え、ASEANは「実施された3段階の選挙を承認していない」と付け加えた。


  • ミャンマー軍事政権は、1月26日に、選挙で勝利したと発表した。主要野党が投票に参加せず、

反対意見も厳しく制限されたため、軍系政党USDPの勝利は広く予想されていた。

  • 比外相の発言は、この選挙を承認することについて、

ASEAN外相たちの間ではコンセンサスがなかったことを示した。


この会議では、もう1つ注目の議題があった。

「南シナ海の領有権紛争を管理するためのいわゆる「行動規範(COC)」に関する交渉を

今年中に終結させるべく、中国との月例会合を開催することでも合意したと述べた。」







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