東南アジア、為替への関心高まる、自国通貨高やドル円の心配

 

東南アジア、為替への関心高まる、自国通貨高やドル円の心配

東南アジア株式新聞 2026年1月28日


本日、ニュースをざっと見ていたら、為替のニュースが目立った。

マレーシアはリンギ高を喜び、タイはバーツ高に危機感を示す。


弱すぎる米ドルと日本円に異変を見る向きもある。



マレーシアはリンギ高を経済発展の証と見る声が多い


マレーシアでは、昨年から続く対ドルでの通貨リンギの上昇を喜ぶ声が多い。

近隣諸国と同程度の関税を米国から課されているが、米国向けを含め輸出は好調だ。

1月27日には、リンギ高についてアンワル首相が「マレーシア経済への信任」とコメントした。


The Edge Malaysia の1月28日(水)の記事:

リンギが2018年の高値まで上昇、トランプ氏や中銀のコメントが追い風

マレーシア・リンギは、ドル安が全般的に弱含み、中央銀行が通貨水準に満足している兆候が見られる中、

約8年ぶりの高値を付けた。

リンギットは一時0.9%上昇し、1ドル=3.9187リンギットと、2018年4月以来の高値を付けた。

水曜日、韓国ウォンに次いで、アジアで最も値動きの大きい通貨となった。

ドナルド・トランプ大統領がドル安を容認したことで、米ドルの長期的な下落観測が高まり、

アジア新興国通貨も上昇した。

マレーシア中央銀行(BNM)のアブドゥル・ラシード・ガフォー総裁も、経済のファンダメンタルズと

進行中の政府改革が、リンギットの長期的なサポート材料となると述べた。


この記事では、三菱UFJ銀行の通貨ストラテジストの予想として、

「第1四半期末までに1ドル=3.85リンギットまで上昇する可能性がある」と書いている。



タイは、バーツ高抑制のため金取引に制限

同じ東南アジア新興国でも、タイの自国通貨高への反応は違う。

タイの輸出も2025年は好調だったが、バーツ高による影響で、2026年は横ばいが予想されている。


対米ドルの通貨高に悩むタイでは、

バーツ高につながる金(ゴールド)の高騰に警戒の目が向いている。

昨年ずっと上昇していた金は、26日のアジア時間に、1オンス当たり5000ドルを超えた。


タイでは金の売買が盛んで、次のような取引がよく起こる。


金価格が高騰すると、利益確定のためタイ人から売りが出る

 ➔ この金売りで取引業者は米ドルを手にする

 ➔ タイ人売り手にわたすため、取引業者はドルをバーツに替える

 ➔ 対ドルでバーツ高になる


それゆえ、政府と中央銀行にとって金の高騰は頭の痛い問題だ。


The Nation Thailand の1月28日の記事:

BoTと金トレーダー、世界的な金高騰の中、金取引のルールを協議へ

地政学的緊張と安全資産への資本流入の中、金の重要性が再び高まっています。金価格は着実に上昇し、

1オンスあたり5,000ドルを超え、タイの金価格は1バーツあたり75,000バーツを超えた。

これにより、中央銀行であるタイ銀行(BoT)は、さらに困難な課題に直面している。

金価格の上昇が続く中でバーツへの圧力を軽減するため、特にアプリを通じたバーツ建て取引を中心に、

金取引の監督を強化する必要がある。

金取引業者協会のジッティ・タンシットパクディー会長は、14人の金取引業者からなるグループは、

監督措置の形態や執行範囲に関する公式の詳細がまだ明らかにされていないため、依然として明確な説明を

待っていると述べました。


金取引者グループはタイ銀行(BOT)から何らかの取引制限がかけられそうになっている

雰囲気が伝わってくる。



米ドル安+日本円安はなぜ?

ドル円レートは、先週159円まで円安が進んでいたが、28日(水)には152円台となっている。

日米の協調介入(レートチェック)が引き金になったとされているが、

米ドルは他の主要通貨に対しても下げており、日本円も米ドル以外の外貨に対して下げている。


米ドル安と日本円安がなぜ起きているのかについて分析記事も出てきた。


CNA の1月28日の記事:

CNA Explains: なぜ米ドルが安いのか、それと、円の問題?

1月26日(月)の月曜日、日米当局が円支持に動くとの憶測が米ドルを圧迫し、アジア通貨全般に広範な動きを

引き起こした。

ニューヨーク連邦準備銀行が円の為替レートについてトレーダーに確認したとの報道を受け、

円は対米ドルで11月以来の高値を付けた。

しかしアナリストらは、円安はドル安の最近の要因の一部に過ぎず、米国の政策方向性や米国資産への需要

に関するより広範な懸念も影響していると指摘する。

ドナルド・トランプ米大統領が火曜日にドル安を軽視する発言をしたことで、米ドルは複数の通貨バスケット

に対して4年ぶりの安値を付けた。


この記事ではまず、円の問題を解説する。

円は、2025年末に高市首相が登場してから顕著に弱くなった。

  • 過去最大の予算案

  • 選挙でさらに財政拡大・減税を各党が訴えた


米ドルは、トランプ政権の政策方向性や米国資産に対する投資家の信頼感に対する広範な懸念を

反映して、安くなっている。

  • 1月27日にドル安についてトランプ大統領は「グレートだ」と発言

  • 今の経済・外交政策が続く限り、ドル安が続く見通しだ


つまり、日米共に政権が変わらなければ、通貨安が続くことになる。



さて、日米の通貨安は、これらの通貨に対して、シンガポールドル、リンギ、バーツが高くなる

ことでもある。

ASEANの国の多くは、輸出を経済成長の柱にしている。

2026年は、自国通貨高に喜ぶ国がどれだけ残るだろうか。






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