動き出したルソン経済回廊(LEC)

 

動き出したルソン経済回廊(LEC)


フィリピン・米国・日本の政府共催で、「ルソン経済回廊(LEC)投資フォーラム」が9月10日、

マニラ首都圏で開催された。


ルソン経済回廊(Luzon Eonomic Corridor)は、日米比が2024年に立ち上げた大型経済圏構想。

スービック湾、クラーク、マニラ首都圏、バタンガスを相互に結ぶ経済圏に集中投資し、

ルソン島の主要な産業・商業・物流の拠点を連結するのが、中心テーマだ。


今回のフォーラムでは、

LECパートナーシップに、欧州連合(EU)とスペインの参加が正式に決まった。

(パートナーシップには、日米比のほか、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フランス、

イタリア、韓国、スウェーデン、英国が参加している。)


フォーラムには、約600名の投資家、業界リーダー、政府高官が出席した。

  

マルコス大統領のFB投稿(2026年9月10日)
マルコス大統領のFB投稿(9月10日)





国営フィリピン・ニュース・エージェンシー(PNA)の9月10の記事:

マルコス大統領:ルソン経済回廊によりフィリピンを戦略的投資ハブに

PBBM: Luzon Economic Corridor to boost PH as strategic investment hub | Philippine News Agency

フェルディナンド・R・マルコス・ジュニア大統領は木曜日、ルソン経済回廊(LEC)について、

連結性の向上、産業支援、そして長期的な投資の誘致を通じて、戦略的な投資拠点としてのフィリピンの地位を

強化するものであると述べた。

タギッグ市ボニファシオ・グローバル・シティのグランド・ハイアット・ホテルで開催されたLEC投資フォーラム

で演説したマルコス大統領は、スービック湾、クラーク、メトロ・マニラ、バタンガスを結ぶこの回廊が、

ルソン島およびフィリピン全体にとって、より強固な経済基盤をもたらすだろうと語った。

「LECは単なるインフラ・プロジェクトの集合体ではありません。

これは、成長を体系化するための我々の戦略なのです」と彼は述べた。

「我々は今、可能性の特定からプロジェクトの準備へ、関心の表明から商業的パートナーシップへ、

そして共有されたビジョンから、実際に実行可能かつ客観的に測定可能な投資へと、段階を進めています」



独立系メディア Manilla Bulletin の9月10日の記事:

フィリピン、ルソン経済回廊のプロジェクトで投資誘致200億ドルを目指す

Philippines targets over $20 billion in investments for Luzon Economic Corridor projects

フィリピンは、「ルソン経済回廊(LEC)」の初期プロジェクト群(スービック・クラーク・マニラ・バタンガスSCMB)鉄道の建設などを含む)を対象に、200億ドルを超える投資の確保を目指している。


  • 9月10日のLEC初の投資フォーラムで提示された案件概要書(ディールブック)によると、

即座に投資可能なプロジェクト案件が少なくとも38件含まれている。

  • そのうち、17件についてはすでに推定事業費が算出されている。

残る21件については、費用は未定。

  • 対象となるプロジェクトは、エネルギー、水、輸送・物流、デジタル・コネクティビティ、

先端製造業など。


この記事とその他の情報を総合すると、以下のようなプロジェクトが稼働している。


スービック・クラーク天然ガス・エコシステム

  • 事業費は40億ドルから60億ドル。

  • 米国の I Squared Capital が提案した、液化天然ガス (LNG) 発電プラットフォーム。

  • この構想は、地域のエネルギー安全保障を強化すると同時に、米国のLNGやその他のエネルギーのインド太平洋への輸出を拡大することを目的としている。


サングレーポイント国際空港(SPIA)の開発

  • 推定41億ドル。


南北通勤鉄道(NSCR)の延伸

  • 運営・管理に関する40億ドル規模の事業権付与。

  • 日本(JICA)が中心となって支援している。


スービック・クラーク・マニラ・バタンガス(SCMB)貨物鉄道

  • アメリカ貿易開発庁(USTDA)やスウェーデンの基金が資金援助。

  • 実現可能性調査(FS)とプロジェクト設計は完了間近。

  • 建設工事の開始時期について、2027年末か2028年になる見通し。


アギラ・スービック・マルチユース施設

  • 米サーベラス・キャピタル・マネジメントが旧スービック造船所を買い取った。

  • 総合物流・産業ハブへと再生する計画。

  • 韓国の現代重工業との提携 により、フィリピンの造船能力を大きく高める。

コリンズ・エアロスペース社の工場拡張

  • 米コリンズ・エアロスペース社が、バタンガス州の第一フィリピン工業団地(FPIP)内に工場。



2026年5月にパートナーシップの参加国が拡大


在フィリピン日本国大使館の5月12日の発表:

Luzon Economic Corridor Expands Partnership to Accelerate Investment and Regional Prosperity

フィリピン、米国、日本の各政府は5月11日、「ルソン経済回廊(LEC)」のパートナーシップを拡大し、

新たにオーストラリア、カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、韓国、スウェーデン、英国を加えることを

発表しました。



在フィリピン米国大使館の5月12日の発表:

Fact Sheet: Luzon Economic Corridor - U.S. Embassy in the Philippines

「ルソン経済回廊」は、米国、日本、フィリピンによる3カ国のイニシアティブです。

本イニシアティブは、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、韓国、スウェーデン、英国

などのパートナーと連携し、

スービック湾、クラーク、マニラ、バタンガスを結ぶ回廊沿いにおいて、相互の経済成長の促進、雇用の創出、

連結性の強化、そして輸送・物流、エネルギー、デジタル・インフラの改善を図るものです。

こうした投資は、フィリピンおよび志を同じくするパートナーや同盟国に相互の経済的繁栄をもたらし、

企業に新たな機会を創出し、デジタル・イノベーションを促進するとともに、ルソン島全域のインフラを

改善するでしょう。

また、本回廊は、主要分野におけるサプライチェーンの強靭性(レジリエンス)と安全保障の強化にも寄与

します。


  

米国大使館資料の掲載図、2026年5月14日
米国大使館資料の掲載図






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