企業研究|ゲンティン・シンガポール(Genting Singapore、SGXG13)[更新]


東南アジア株式新聞 2024年11月21日

  • エヌビディア株の下げでアジアの半導体関連株も下げたらしい

  • ウクライナ情勢悪化で地政学リスクが意識されたとも言われた

シンガポール STI

マレーシア FBM KLCI

インドネシア IDX総合

タイ

SET

香港

Hang Seng

3739.22

-0.12%

1588.68

-0.59%

7140.91

-0.55%

1440/46

-1.51%

19601.11

-0.53%


企業研究|ゲンティン・シンガポール(Genting Singapore、SGX: G13)[更新]


  • マレーシアを拠点とするゲンティングループの一員

  • シンガポールで統合型リゾート(IR)「リゾートワールドセントーサ」を運営



シンガポールRWSのカジノ免許期限が短縮され、株価がまた下げた

ゲンティン・シンガポール(リゾートワールドセントーサ)の免許が更新されたものの、従来3年間だった免許の期限が2年に短縮された。

シンガポール政府のギャンブル規制当局は、「観光実績が不十分」として、2年後に再審査することにした。

同社の株価は第3四半期業績(減収減益)により下げていたが、さらに下がることになった。

  
ゲンティン・シンガポール株の1年間(2024年11月21日、SGX公式アプリより)
ゲンティン・シンガポール株の1年間(SGX公式アプリより)

シンガポールのギャンブル規制庁(GRA)の11月18日の発表:

GRA RENEWS RWS CASINO LICENCE FOR TWO-YEAR TERM(GRA、RWS のカジノ免許を 2 年間更新)

GRA | Latest Announcements

ギャンブル規制当局(GRA)は、カジノ管理法2006(CCA)第49条に基づき、Resorts World at Sentosa Pte. Ltd.(RWS)のカジノライセンスを2025年2月6日から2年間更新しました。これは、CCA第45条に規定されている事項を考慮したためです。


CCA第45条に基づき、GRAは、他の事項の中でも、RWSが統合リゾート(IR)を現在の市場需要と業界基準を満たす魅力的な観光地として開発、維持、促進する能力を考慮します。その際、GRAは、CCA第45A条に基づき貿易産業大臣が任命した評価委員会(EP)の独立した意見、および貿易産業省(MTI)、シンガポール観光局(STB)、セントーサ開発公社(SDC)の見解を考慮しました。 EPは、2021年1月1日から2023年12月31日までの評価期間中のRWSの観光実績は不十分であり、是正と大幅な改善が必要な分野が多数あると評価しました。EPは、次回の評価を2年後の2026年に実施することを推奨しました。

2009 年カジノ管理 (カジノライセンスおよび手数料) 規則の規則 5 に基づき、GRA は 3 年未満のライセンス期間を指定できます。EP の意見を含む CCA の第 45 条の事項を考慮した上で、GRA は RWS のカジノライセンスを 2 年間更新し、2025 年 2 月 6 日から有効としました。



シンガポールのカジノ免許は2つ。

2025年4月に免許更新を迎えるマリーナベイ・サンズ(MBS)も注目される。

両社とも、巻き返しのため、大型の追加施設プロジェクトを進めている。



2024年第3四半期は減収減益、VIP層の支出額減が響いた


11月7日発表

2024年第3四半期業績

https://gentingsingapore.listedcompany.com/newsroom/20241107_171740_G13_Y207JHIRX63OHTXG.1.pdf

2024年第3四半期、当グループの収益は5億6,190万ドルで、2024年第2四半期から2%減少し、調整後利子・税・減価償却前利益(調整後EBITDA)は前四半期の2億130万ドルに対し1億6,390万ドルとなった。

当グループの業績が前四半期比で低下したのは、主にVIPローリング量と勝率の低下によるものです。ハードロックホテルが改装とブランド変更のために全面閉鎖され、S.E.A.水族館がシンガポール海洋水族館への拡張のために毎週2日間閉鎖されたにもかかわらず、季節変動要因により非ゲーミング事業は改善しました。




10月18日発表

会員による間接完全子会社の自主解散および清算に関するお知らせ

https://gentingsingapore.listedcompany.com/newsroom/20241018_171755_NULL_7WVFEA3QD6H7SYX1.1.pdf

ゲンティン シンガポール リミテッド(以下「当社」)は、日本に設立された当社の間接完全子会社(以下、総称して「子会社」)が会員の自主解散および清算の対象となったことをお知らせします。

_

1. エイコーン株式会社(Acorn Co., Ltd.)

2. ブルーベル株式会社(BlueBell Co., Ltd.)

3. ゲンティン ジャパン株式会社(Genting Japan Co., Ltd.)

4. ゲンティン 東京株式会社(Genting Tokyo Co., Ltd.)

5. リゾーツ ワールド ジャパン株式会社(Resorts World Japan Co., Ltd. )

6. リゾーツ ワールド 東京株式会社(Resorts World Japan Co., Ltd. )

7. サンレイク株式会社(SunLake Co., Ltd.)

会員による子会社の自主解散および清算は、2024 年 12 月 31 日を期末とする会計年度のグループ(当社および子会社)の連結純有形資産および 1 株当たり利益に重大な影響を与えることはないと予想されます。

当社の取締役または主要株主はいずれも、上記メンバーの自主解散および清算に直接的または間接的に利害関係を有していません。



ゲンティン・グループが日本から完全撤退?


2016年にIR法が成立した直後くらいは、ゲンティンは東京・台場でIR免許を取ろうとする日本企業グループと組んでいた。

日本のカジノ免許1号は大阪グループに参加した米MGMインターナショナルが取ったが、その後、日本政府は2つ目の免許(IR法では、2つまで免許を与えることができる)の話へ進まなくなった。

大阪の成果を見ようというのが政府の姿勢のようだが、万博跡地を使う大阪の工事は弱い地盤問題で大幅に遅れる見通しで、日本のIR騒ぎはまったく消えてしまった。


円安で日本からRWSなどへの集客も奮わないことも加わり、ゲンティン・グループとしては日本にいくつも事務所を置いておくのは無駄という判断なのだろう。




8月14日発表

2024年上半期業績

GENTING SINGAPORE LIMITED AND ITS SUBSIDIARIES INTERIM FINANCIAL INFORMATION

収益 13億5,578万ドル(前年同期比 25%増)

純利益 3億5,691万ドル(前年同期比 29%増)


当グループが事業を展開する業界の重要なトレンドと競争状況、および次の報告期間および今後 12 か月間に当グループに影響を及ぼす可能性のある既知の要因またはイベントに関する解説

旅行業界は、世界的な航空便の接続性の向上と主要な出発地からの出発の力強い回復を背景に、2024 年も回復を続けると予想されている。シンガポールへの訪問者数は増加すると予想されるが、地域の旅行先の回復と地政学的緊張の高まりにより、パンデミック前のレベルへの完全な回復には逆風が吹く可能性がある。

2024 年第 2 四半期中、当グループはコンサートやアトラクションでの特別プログラムを通じて安定した訪問者数を維持した。S.E.A. アクアリウムはまた、尊敬される海洋機関とのアウトリーチ活動に取り組んで観客を増やし、評判を高め、シンガポール海洋水族館への拡張の基盤を築きました。これには、国際自然保護連合(IUCN)およびシンガポール自然協会と共同で開催される第5回国際カブトガニ・ワークショップ2024が含まれます。S.E.A. 水族館は、2024年4月にシンガポール南洋理工大学の地球観測所と覚書を締結し、共同で研究プロジェクトを実施します。


リゾートワールド・セントーサ (RWS) の魅力をプレミアム ライフスタイル・デスティネーションとしてさらに高めるため、既存のサービスを刷新し、活性化させていきます。2024 年後半、RWS は 4 つの世界的大ヒット知的財産パートナーシップを展開します。これには、ユニバーサルスタジオ・シンガポールでのイルミネーションの怪盗グルーの月泥棒 4 のメガミニオン、SEA アクアリウムでの原神インパクト、そして Netflix の世界的ヒット作であるスウィート ホームが、近日開催されるユニバーサルスタジオ・シンガポール・ハロウィーンホラーナイトで登場します。2024 年 10 月には、ハリー ポッター: ビジョンオブマジックが、独占的な没入型環境を備えた RWS でアジア初公開されます。これらの差別化されたプログラムとイベントにより、RWS への訪問者数と支出の両方が増加すると予想されます。




東南アジア株式新聞 2024年4月27日

カジノ・プロジェクトの噂で動いた株


マレーシア発祥の世界的なカジノ運営会社、ゲンティンのシンガポール法人、ゲンティン・シンガポール(Genting Singapore、SGX:G13)が株式市場で話題になった。


4月25日、シンガポールの The Strait Times の記事:

Genting shares tumble intraday amid talk of new casino in Johor

Genting shares tumble intraday amid talk of new casino in Johor | The Straits Times


「 マレーシアでコーズウェイの向かい側にライバルのカジノ複合施設が建設されているという情報により、ゲンティン・シンガポール株は4月25日に暴騰し、その後小幅の損失で取引を終えた。

投資家はカジノの話題に興奮し、取引序盤に約1100万株の取引があり、株価は一時4セント下落して90セントとなった。 その後、反発し、この日は2.1%安の92セントで取引を終えた。」



シンガポールと接するマレーシアのジョホール州でのカジノ計画らしきものの情報により、ゲンティン・シンガポール株が売られた。


同じ4月25日、The Strait Times の記事:

Malaysia mulls over plans for casino in Forest City as part of Johor-S’pore Special Economic Zone: Sources

Malaysia mulls over plans for casino in Forest City as part of Johor-S’pore Special Economic Zone: Sources | The Straits Times

マレーシアは、ジョホール州の4,500億リンギット(1,285億シンガポールドル)規模のフォレストシティ・プロジェクトでカジノの運営を許可することを検討しており、これにより問題を抱えている人工島の活性化が期待されている。


情報筋がストレーツ・タイムズ紙に語ったところによると、この開発は、両国間の物品や人の移動を容易にする商業・投資の統合拠点であるジョホール・シンガポール経済特別区(SEZ)の提案の一つであるという。



このような新しいカジノプロジェクトの情報がシンガポールやマレーシアを駆け巡った。


フォレストシティは、マレーシアのジョホール沖の島だ。シンガポールのそばでもある。

開発していた中国不動産会社、碧桂園(カントリー・ガーデン)が経営難に陥り、プロジェクトの行方が懸念されている。


マレーシアの中央と州の政府は、フォレストシティのプロジェクトを再び軌道に乗せるため、策を練っている。

その一案がカジノ。


ギャンブル禁止のイスラム教徒が多数派のマレーシアでは、KL近郊のゲンティン・ハイランドでゲンティンが運営する施設にのみカジノ免許が与えられている。

シンガポールでは、2つの複合リゾート(IR)にのみカジノ免許が与えられている。マリーナベイ・サンズとゲンティン運営のリゾートワールド・セントーサだ。


シンガポールから短時間で行けるフォレストシティに新しいカジノができると影響を大きく受けるのは、シンガポール側のカジノだ、と市場で連想されたわけだ。


だが、マレーシアの複数のニュースではカジノ情報は否定されている。


4月25日付けの Free Malaysia Today:

No plans for casino in Forest City, says Anwar

No plans for casino in Forest City, says Anwar | FMT

首相は、マレーシアがジョホール開発のため、2番目のカジノライセンスを検討しているというブルームバーグの報道を否定した。


この記事には、首相が両腕で×マークを示している画像付きだ。



まだ決定には距離がある検討段階という意味かもしれないし、アンワル首相はカジノ案を推していないということかもしれない。。

とにかく、最近、タイの首相が高額観光客を集めるためカジノ導入を言い出しており、カジノが近隣諸国の話題になりやすかった。



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