日本人の国外財産、2024年末で8兆円(国税庁調査)

 

日本人の国外財産、2024年末で8兆円(国税庁調査)

国外財産の把握を強める国税庁

東南アジア株式新聞 2026年2月1日


国税庁が日本人の国外財産の把握を強めている。

同庁の発表によると、2024年末で日本居住者の国外財産は8兆円超に達した。

これは、「国外財産調書」に基づく集計だ。


日本経済新聞の1月28日の記事:

国外財産、初の8兆円超で過去最高に 2024年分・国税庁集計

国税庁は28日、外国に5千万円超の資産がある人に提出義務がある「国外財産調書」について、

2024年分の提出件数が1万4544件(前年比9.8%増)、総額が8兆1945億円(同26.3%増)で

いずれも過去最高だったと発表した。

担当者は「円安や外国株式の値上がりで提出義務がある人が増えた」とみている。


この調査に加え、国税庁は外国で納税義務を持つ人の納税者番号(TIN)を集めている。

経済協力開発機構(OECD)策定した共通報告基準(CRS)に基づき、

資金洗浄(マネーロンダリング)防止のため、

日本を含む各国が銀行口座情報を税務当局間で共有しているためだ。


国税庁がどんな情報を収集しているか以下にまとめた。



国外財産調書は5,000万円超の国外資産が対象

令和6年分の国外財産調書の提出状況について

令和6年分の国外財産調書(※)の総提出件数は 14,544 件(対前年 1,301 件増(+9.8%))、

総財産額は8兆 1,945 億円(対前年 1 兆 7,048 億円増(+26.3%))でした。

国税庁では、引き続き制度の周知・広報に努めていくほか、国外財産調書の提出を要すると見込まれる方や

記載内容に不備がある方に対して文書照会を行うなどの取組を継続し、その適正な提出を確保することを

通じて国外財産に係る課税の適正化に一層努めてまいります。

※ 令和6年 12 月 31 日時点の財産価額を記載して提出されたもの


    
国税庁の発表資料より(2,026年1月)
国税庁の発表資料より


  • 国外財産調書の制度は、2014年1月から施行されている。

  • 日本の居住者(非永住者を除く)で、その年の12月31日時点で

国外資産の総額が5,000万円を超える場合、提出が義務付けられている。

  • きちんと提出すれば申告漏れがあった場合に加算税が5%免除される

  • 提出しない・記載がないときに申告漏れがあった場合には加算税が5%加重される。

  • 期限内(翌年6月30にまで)に提出がないと、以下の罰則がある。

    • 1年以下の拘束または50万円以下の罰金





CRSに基づく各国税務当局の情報交換


令和6事務年度 租税条約等に基づく情報交換事績の概要


CRSに基づく⾮居住者の⾦融⼝座情報(CRS情報)の交換

  • CRSは、⾦融機関等を利⽤した国際的な脱税や租税回避に対処するため、

⾮居住者の⾦融⼝座 情報(⽒名・住所・⼝座残⾼など)を税務当局間で定期的に交換する

ため、OECDが 策定・公表したもので、

日本もこの枠組みに基づき、外国税務当局との間で情報交換を実施している。

  • 2024年度に国税庁は、⽇本居住者のCRS情報約275万件(個⼈⼝座約272万件、

同残⾼約9.6兆円、法⼈⼝座約3万件、同残⾼約8.1兆円)を101か国・地域の

外国税務当局から受領し、

外国居住者のCRS 情報約33万件(個⼈⼝座約31万件、同残⾼約1.3兆円、法⼈⼝座約2万件、

同残⾼約6.7兆円)を84か国・地域の外国税務当局に提供した。 


CRS情報及び要請に基づく情報交換の活⽤例

X国より受領したCRS情報から、会社員AがX国内に有している証券⼝座において、株式の配当等による 収⼊を

得ていることを把握したため、調査に着⼿。調査対象者は、⼝座を保有する事実を認めたものの、 

発⽣した所得の計算に必要な資料の提供依頼に応じなかったことから、

X国税務当局に対して証券⼝座の取引明細書等の情報提供要請を⾏った。 

X国税務当局から受領した情報に基づいて、配当所得の⾦額及び株式等に係る譲渡所得の⾦額を算定し、

課税を⾏った。




外国納税者番号(TIN)の収集を厳格化


さらに、日本人の海外居住者の情報も集めている。


日本の金融機関(銀行・証券・保険)が、日本人で海外に住む「非居住者」の顧客から

「外国納税者番号(TIN)」を取得することが、2026年(令和8年)1月から厳格化された。



国税庁の個人向けパンフレット(令和8年1月1日以降用):

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/crs/pdf/seidogaiyo_02.pdf


「令和7年(2025年)12月31日以前に金融機関等と口座開設等の取引を行った方

(⑴の届出書の提出が必要な方を除きます) ⇒ 任意届出書」となっており、

個人の届け出は「任意」レベルのようだが、国税庁が金融機関に厳格に指導するという話なので、

外国居住の日本人が、今年、日本の銀行などで何かの手続きをした際に、

TINも聞かれることになるだろう。










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