トランプ勝利後の投資家心理、米市場について香港は強気・シンガポールは慎重---MDRi
東南アジア株式新聞 2024年11月19日
シンガポール株は17年ぶりの高値
トランプ勝利後の投資家心理、米市場について香港は強気・シンガポールは慎重---MDRi
英系法律事務所グループの調査分析会社、MDRi が11月15日に発表した調査結果『After the election: Assessing Investor Sentiment in Hong Kong and Singapore Post-Trump’s Election』によると、今、香港の投資家はシンガポールの投資家より米国市場に強気だ。
調査対象は香港とシンガポールの投資家で、どちらも米中対立の行方に懸念を持っている。
また、どちらの投資家も、トランプ次期大統領の経済政策が世界経済やアジア経済に与える影響の大きさを認識している。
だが、トランプ政権の政策が米市場に与える影響をポジティブに見て、米市場への資産配分を増やすという点では、香港側がシンガポール側に比べやや強気になっている。
![]() |
MDRiサイトより |
MDRiの調査リポート:
選挙を終えて:トランプ氏の選挙後の香港とシンガポールの投資家心理を評価する
香港とシンガポールの投資家は、来年米国市場への投資配分を3~5%増やす予定
MDRiの調査では、トランプ氏の当選後の米中関係悪化に対する香港とシンガポールの懸念が高まっていることが浮き彫りになった。
香港の投資家は米国市場に対してより大きな信頼を示しており、シンガポールの投資家の見通しはより慎重である。
投資決定は、市場のボラティリティ、金利の変動、トランプ氏の経済政策に対する認識に影響される。
MDRiのCEO、Simon Tye氏のコメント:
「この調査は、ドナルド・トランプ氏の当選が香港とシンガポールの投資家心理にどのような影響を与えているかについて、重要な洞察を提供しています。香港の投資家は米国市場に対してより強気な見通しを示していますが、シンガポールの投資家は特に慎重な姿勢を示しています。これらの異なる視点は、地政学的な力学と現地の経済信頼感との間の影響を浮き彫りにしており、企業は変化する環境の中でそのどちらにも対応しなければなりません。」
米市場への影響という意味では、Make America Great Again (MAGA) スローガンを掲げるトランプ氏は米国の景気を良くすることを最優先すると予想される。
そんなトランプ氏の人気に差が出た。
選挙前、トランプ氏とハリス氏のどちらを支持するかを聞いたところ、香港では70%もの人がドナルド・トランプ氏を支持したのに対し、シンガポールでは回答者の半分だけが支持した。
だが、米中対立が悪化すれば、米国でも中国でも経済活動の足を引っ張る。
その場合、米経済や市場だけでなく世界市場全体に悪影響が出る。
米中対立の行方をどう見るかも、センチメントに影響する。
香港の30~44歳のミレニアル世代のうち、35%が米中関係の悪化を予想しているが、これは全体平均の40%よりわずかに低い。
対照的に、シンガポールの年配世代は懸念が高まっており、45歳以上の53%が否定的な結果を恐れており、全体平均の46%を上回っている。
このリポートについては、香港や東南アジアのニュースメディアが多く取り上げていた。
2024年と25年で地域別資産配分の変化もグラフ化しており、広く東南アジアの投資家にとって参考情報になるからだろう。
関連記事:
コメント
コメントを投稿