トランプ規制緩和を追い風に2025年M&Aブームが来る?
東南アジア株式新聞 2024年11月18日
3連騰後のシンガポールが一休みだが、他の市場に強気が復活した
トランプ規制緩和を追い風に2025年M&Aブームが来る?
最近、M&A(合併・買収)ブームが来る、というニュース記事をよく見る。
現在、プライベート・エクイティ(PE)ファンド、特にバイアウト業界では待機資金がたまっており、大型買収案件は大歓迎の状態だ。
そこに、米国のトランプ次期政権がバイデン政権に比べ大型合併に対する規制を弱めるとの予想が加わった。
2025年にM&Aブームが本当に来れば、トランプ関税で貿易が縮小するのとは違い、株式市場にとって良いニュースだ。
アジア地域も例外ではない。むしろトランプ関税などの影響が生き残りをかけたM&A戦略を活性化する可能性もある。
それに、ダイナミックな買収の横では、PE投資の有力な出口であるIPO(新規上場)が増える可能性が高い。
(以下、有料記事ばかりで中身は読めないかもしれないが、いちおう挙げておく)
日本経済新聞の11月15日の記事:
JPモルガン社長「規制緩和でM&A拡大」 トランプ政策に期待 - 日本経済新聞
Bloombergの11月15日の記事:
日本の新たなM&Aへの愛が奇妙な同盟関係を生む
Japan's Newfound Love of M&A Makes for Strange Bedfellows - Bloomberg
CNBCの11月17日の記事:
ウォール街はトランプ政権下でM&Aブームを準備している。これらの企業は魅力的なターゲットになるかもしれない
Wall Street is gearing up for an M&A boom under Trump. These companies could be attractive targets
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モルガン・スタンレーのポッドキャスト |
米投資銀行 モルガン・スタンレーのポッドキャスト(11月15日)で興味深いコメントがあった。
M&Aブームの始まり?
(前略)
現在の世界的なM&A取引量は、それ自体の歴史的傾向や株式市場に見られるより広範な強さと比較して、依然として異常に低い水準にあります。
M&A活動にとってしばしば重要となる経済全体は、特に米国で堅調であり、インフレは引き続き緩和し、金利引き下げが始まっています。
売り手の動機は、プライベート エクイティ・ ポートフォリオの老朽化、ベンチャーキャピタルのパイプラインの成熟、株式のバリュエーションの上昇などです。
また、買い手を動かす要因として、プライベート・マーケットの 4 兆ドルの「ドライ・パウダー」から、非金融バランスシートに眠っている約 7.5 兆ドルの現金、ディールの資金調達能力を提供する資本市場の開放など、他にもあると見ています。
(中略)
政策の背景も重要です。
今年はM&A活動が当初の予想ほど増加しなかった理由の 1 つは、中央銀行が利下げを開始する時期と米国選挙の結果の両方に関する不確実性でした。
しかし、これらの不確実性はどちらも、ある程度は弱まっています。
FRB、ECB、イングランド銀行による利下げが始まっており、米国選挙での共和党の勝利は、私たちの見方では、アニマルスピリットをさらに刺激する可能性があります。
4兆ドルの待機資金(ドライ・パウダー)はとても大きい。
PEは借り入れでレバレッジをかけることが多いため、買収キャパシティはものすごい金額になる。
そして、スピーカー(head of Corporate Credit Research、 Andrew Sheets 氏)は次のように締めくくった。
最後に、より多極化した世界は、世界の舞台で競争するためにより多くの地域のチャンピオンを生み出そうとする動きがあるため、実際にはより多くのM&Aを支援する可能性があると考えています。しかし、同じ世界的な摩擦が活動や信頼を全体的に混乱させる場合、これは間違っている可能性があります。時が経てばわかるでしょう。
同社は米大統領選の少し前にもM&Aブームを予見するリポートを書いていた。
こちらも興味深いポイントを整理しているので、オススメだ。
10月15日のリサーチ・リポート
政治はM&A回復の妨げにはならないはずだ
Politics Shouldn't Stall M&A Rebound
(副題)どの候補者がホワイトハウスに入るかに関係なく、合併と買収は数年にわたる回復に向けて準備が整っているように見える。
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