マレーシア人がリタイアするとき 400万リンギ必要、HSBC調査が話題に

 

東南アジア株式新聞 2024年11月5日

  • アジア時間今夜の米大統領選を前に、アジアの株式市場はどこも楽観的だった

シンガポール STI

マレーシア FBM KLCI

インドネシア IDX総合

タイ

SET

香港

Hang Seng

3581.61

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+0.26%

7491.93

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マレーシア人がリタイアするとき 400万リンギ必要、HSBC調査が話題に


The Edge Malaysia の11月4日の記事:

マレーシア富裕層の考えでは快適に退職するには約400万リンギット必要、HSBCの調査

Wealthy Malaysians say they need nearly RM4 mil to retire comfortably, HSBC survey shows

HSBCの最新調査によると、裕福なマレーシア人は、快適な老後を送るには平均で約400万リンギットが必要だと見積もっている。

HSBC の「Quality of Life Report 2024」によると、必要な退職金は香港やシンガポールの調査対象者よりは低いが、インドやインドネシアよりは高い。同レポートによると、裕福なマレーシア人の73%の大多数が、退職後の目標は順調に進んでいると述べている。

HSBCマレ​​ーシアのウェルス&パーソナルバンキング部門のカントリーヘッド、リンダ・イップ氏は、「貯蓄だけでは不十分な場合があり、ここで財務計画と適切な投資および保全の決定が不可欠となる」と述べた。

同レポートは、マレーシアを含む11の市場で、11,000人以上の裕福な個人(投資可能資産が10万米ドル(RM436,225)から200万米ドルの人と定義)を調査した。この調査は、2024年3月にマレーシアの富裕層約500人を対象にオンライン調査を通じて実施されました。



400万リンギット=約1億3,975万円


  
HSBC 調査の表紙
HSBC 調査の表紙

このHSBCの調査は以下:

The HSBC Quality of Life Report 2024 で、PDFで全文が読める。


Retirement の章にある以下のタイトルのページに平均必要貯蓄額が記載されている。

Perception of savings needed for retirement is highest in US and HK, followed closely by SG and TW. |Savings needed for retirement and intention to work post-retirement 


上記 The Edge の記事では、マレーシアで400万リンギットと言っているが、HSBC調査で示されたマレーシアの必要貯蓄額は USD 83万であり、約362万リンギット(約1億2,661万円)といったほうが近い。 


調査の、主要な国の必要貯蓄額は以下の通り。

米国:USD 113万

シンガポール:USD 98万

中国:USD 87万

マレーシア:USD 83万

英国:USD 63万

インド:USD 39万

インドネシア:USD 34万



ひところ、日本では年金給付を受けることを前提に、必要老後資金は2,000万円とか言われていた。

それは金融庁の金融審議会が2019年に高齢夫婦無職世帯について試算した数字だった。


最近では日本経済新聞が「老後資金1億円」として記事を書いている。

「老後資金1億円」の確保は不可能? 頑張ればできる? - 日本経済新聞


それでも1億円。マレーシアの富裕層が必要と思う平均額より低い水準だ。


富裕層同士を比べれば、日本とマレーシアで生活の水準に大きな差はない。

公的年金が維持されるという前提がなければ、日本の数字はもっと大きくなるはずだ。


それに、HSBC調査は、すでに資産形成グセのある富裕層を対象にした調査結果だ。

おそらくは少しはリスクを織り込んで現実的な数字より大きな金額を答えたのだろう。


結局のところ、リスクを考慮に入れていけば、老後資金はいくらあっても足りない、まで行く。

そして快適な生活や幸福が老後に待っているかどうかは神のみぞ知る話だ。


HSBC調査レポートの発表文は、以下のように始まる。

クオリティ・オブ・ライフとは何でしょうか?

2024 年のクオリティ・オブ・ライフ・レポートでは、世界中の 11,200 人以上の人々に、良い生活の質とは何であるかを尋ねました。

QOL指数は、多次元の概念から導き出された平均スコアです。この概念には、身体的、精神的健康、および経済的健全性が網羅されています。平均指数は現在 76 です。これは 2023 年より 1 ポイント上昇しています。


どこの国でもマスメディアは読者が驚きそうな部分をクローズアップするため、The Edgeなどマレーシアのメディアは「400万リンギット」を見出しにした。

だが、老後の資金ばかりを考えていては、心の平穏は得られない。

世界のQOL指数が前年比1ポイント上昇したことを素直に喜んでおくくらいが良いのではないか。





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