東南アジアのデジタル経済、2年で2.5倍利益増加、グーグル・テマセク・ベイン調査

 

東南アジア株式新聞 2024年11月6日

  • 取引時間中にトランプ氏優勢は伝わっていたので、下げた市場はショックだったか?

シンガポール STI

マレーシア FBM KLCI

インドネシア IDX総合

タイ

SET

香港

Hang Seng

3602.99

+0.60%

1634.17

+0.83%

7383.87

-1.44%

1467.42

-0.96%

20538.38

-2.23%

東南アジアのデジタル経済、2年で2.5倍利益増加、グーグル・テマセク・ベイン調査

11月5日、グーグル、シンガポール政府系ファンドのテマセク、経営コンサルタント会社のベイン・アンド・カンパニーが年次共同調査「e-Conomy SEA 2024」を発表した。

24年版のテーマは「Profit on the rise, harnessing SEA's advantage(利益が上昇、東南アジアの強みを活かして)」。

東南アジアのデジタル経済は2年で利益が2.5倍に増加したという。

eコマースからデリバリー、輸送、旅行など6つのデジタル・セクターや国ごとの分析もしている。

 
e-Conomy SEA 2024 の表紙
e-Conomy SEA 2024 の表紙


テマセクの11月5日の発表文:

e-Conomy SEA 2024 report: Profitability push in Southeast Asia’s digital economy delivers 2.5X profits in two years as businesses focus on monetisation - Temasek


Google、Temasek、Bain & Companyは本日、e-Conomy SEAレポートの第9版「利益が上昇、SEAの優位性を活かして」を発表しました。このレポートでは初めて、利益という観点からデジタル経済の健全性を検証しています。主要プレーヤーは収益性に向けて大きな進歩を遂げ、手数料の引き下げ、ターゲットを絞ったインセンティブ、新しい収益源により、過去2年間で利益が2.5倍に増加しました。2022年以降、収益性は2022年の40億ドルから2024年には110億ドルへと2.5倍に成長し、長期的な成功の基盤が整いました。


全体として、レポートでは、2024年にデジタル経済の総流通額(GMV)が昨年比15%増の2,630億ドルに達すると予測しています。収益は 14% 増加し、2024 年には 890 億ドルに達すると予測されています。これは、デジタル経済が収益性と成長の両方を同時に達成できることを示しており、持続可能な経済価値の実現に向けた大きな一歩となります。


(中略)

東南アジアは AI の革新と採用のグローバル ハブとして台頭しています。AI インフラストラクチャへの多額の投資と、スタートアップ企業と開発者の活気あるエコシステムにより、この地域はさまざまな分野で AI の変革力を解き放つ態勢が整っています。この地域は競争に有利な立場にあり、2024 年上半期だけで 300 億ドルを超える AI インフラストラクチャ投資を集めました。


さらに、AI ソリューションの検討と採用に対する消費者の関心が高まっており、AI の検索はわずか 4 年で 11 倍に増加しています。若く成長を続ける人口、高いデジタルリテラシー、スマートフォンの普及率を背景に、東南アジアは AI を活用した製品やサービスにとって大規模で受容性の高い市場を提供しています。AI を活用した旅行プランナーから生成 AI を活用した不正検出まで、AI はセクター固有の幅広いビジネス・ユースケースを通じて、この地域のデジタル経済の価値を高めています。AI の成長とガバナンスをサポートする革新促進政策は、デジタル経済でより多くの機会を生み出すのに役立ちます。



明るい未来が描かれており、本当かなと思う人もいるかもしれないが、日本と比べれば東南アジア主要国のデジタル化は生活に浸透している。

マレーシアに住む私は、地元はもちろん近隣諸国への旅行でもほとんどキャッシュレスで済ませている。(例外は1年ほど前のインドネシア旅行。短期ビザ=入国税が現金のみだったのでATMでキャッシングした。)

旅行先での移動も Grab ばかり利用している。

各地で店・レストランに入ればカードとQR決済がほぼ使える。


レポートの全文PDFは以下のグーグルのサイトからダウンロードできる。

https://economysea.withgoogle.com/report/

スライドが 128ページもあるので、読むのに時間がかかることを覚悟した方が良いだろう。

デジタル経済・金融に関心のある人は楽しめるはずだ。


国別分析の概要コメントをほんのさわりだけ見ておこう。

インドネシア🇮🇩

  • ビデオコマースの普及に伴い、電子商取引の競争が激化

  • デジタル大手が小都市に進出、将来の成長を支える

マレーシア🇲🇾

  • オンライン銀行がデジタル金融サービスの勢いを再燃させる

  • 政府はエコシステムとデジタルインフラの開発に注力

フィリピン🇵🇭

  • デジタル決済が普及

  • ラストマイルコミュニティに到達するためデジタルインフラ拡張中

シンガポール🇸🇬

  • AIイノベーションがシンガポールの活気ある観光シーンの中心に

  • 引き続きテクノロジーと資金調達の中心地、SGXは出口環境の改善に取り組み中

タイ🇹🇭

  • eコマースが引き続きデジタル経済の主な原動力で、緩やかな成長

  • 政府は全国規模のデジタルウォレットプログラムを展開し、普及を促進

ベトナム🇻🇳

  • 配車サービスが熱を帯び、地元含めEV企業が勢いを増す

  • ベトナムのキャッシュレス社会への急速な移行





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