ケッペルREIT(Keppel REIT、SGX:K71U)、グリーン・ファイナンシングの枠組みを導入
東南アジア株式新聞 2024年6月27日
シンガポール STI | マレーシア FBM KLCI | インドネシア IDX総合 | タイ SET | 香港 Hang Seng |
3343.35 +0.35% | 1584.94 -0.38% | 6967.95 +0.90% | 1309.46 -0.73% | 17716.47 -2.06% |
ケッペルREIT(Keppel REIT)、グリーン・ファイナンシングの枠組み(GFF)を導入
シンガポールのケッペルREIT(Keppel REIT、SGX:K71U)は、環境に配慮した財務管理のガイドラインとなる「グリーン・ファイナンシング・フレームワーク」を作り、運用開始した。
名前だけのESG金融商品が増えたため世界的にはESG投資について賛否両論が並立するようになっているが、ケッペルREITはESG重視の姿勢を貫く構えだ。
GFF採用は大手金融機関などで見られるが、REITではめずらしい。
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| Keppel REIT株価の1年間(SGX公式アプリより) |
(念のために、不動産投資信託 REIT は、企業株式と違い、常に値上がりを求められるわけではない。安定した分配金利回りを重視する機関投資家も多い。ケッペルREITの分配金利回りは現在、6.310%で、日本のJ-REIT平均=4.6%くらい=よりかなり高い。)
Singapore Business Review の6月27日の記事:
Keppel REIT launches Green Financing Framework
(ケッペルREIT、グリーン資金調達フレームワークを開始)
It outlines guidelines for proceeds use, project evaluation, fund management, and reporting.
(収益の使用、プロジェクト評価、資金管理、報告に関するガイドラインとなる)
ケッペル REIT の運用会社、ケッペル REITマネジメント・リミテッドは、持続可能性の課題を推進することを目的としたグリーン ファイナンス フレームワークを導入した。
このフレームワークは、国際資本市場協会のグリーンボンド原則(GBP)2021およびグリーンローン原則(GLP)2023に沿っており、収益の使途、プロジェクト評価、ファンド管理、報告プロセスに関するガイドラインを定めている。
DBSは、このフレームワークの独占アドバイザーを務めました。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、このフレームワークを外部から審査し、持続可能性品質スコアSQS2(非常に良い)を付与し、持続可能性への大きな貢献であると述べた。
要するに、DBS銀行の協力を得て、国際的に認められた原則に則った、ケッペルREITのグリーン資金管理フレームワークを構築した。
さらに、格付け会社ムーディーズのお墨付きも得た。
記事の中では、最近ケッペル REITが発行した、2027 年満期の変動金利グリーン債(1億 7,500万豪ドル)の収益はフレームワークの適格基準を満たした利用がされる、とも書かれている。
ケッペルREITのニュースリリースの中で、REIT運用会社のCEO、コー・ウィーリー(Koh Wee Lih)氏は次のようにコメントした。
「ケッペルREITは、持続可能性への取り組みを堅持しており、ESG要因を戦略と業務に統合することに専心しています」
「このフレームワークは、長期的な持続可能性の目標をサポートしながら、将来志向で回復力のあるポートフォリオの構築に向けた投資を導きます」
ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に対しては、投資リターン絶対重視派やグリーンウォッシュ(名前だけグリーンにする行為)警戒派からネガティブな意見もある。
しかし、日本の国民年金ファンド GPIFのように、ESGへの配慮を投資判断で重視している機関投資家が依然として多いのも事実だ。
ケッペルREITは、ESG配慮の投資を貫いている。
以下、GeminiにケッペルREITのESG配慮の取り組みをまとめてもらった。
Keppel REITのESG配慮の取り組み
概要
Keppel REITは、環境・社会・ガバナンス(ESG)の原則を投資と事業運営に統合することに積極的に取り組んでいます。同社は、持続可能な成長と長期的な価値創造を促進するために、以下の3つの柱に基づいたESG戦略を実施しています。
1. 環境管理
エネルギー効率と水資源の使用量を削減するための取り組み
温室効果ガス排出量の削減
廃棄物削減とリサイクルの促進
グリーンビルディングの認証取得
2. 責任ある事業
倫理的な調達とサプライチェーン管理
従業員の安全と福利厚生の向上
地域社会への貢献
コーポレートガバナンスの強化
3. 人とコミュニティ
従業員の多様性と包括性を促進する
安全で健康的な職場環境を提供する
地域社会への投資と支援
顧客満足度の向上
具体的な取り組み
Keppel REITは、これらのESG原則を具体化するために、以下の取り組みを実施しています。
エネルギー効率の向上: Keppel REITは、エネルギー効率の高い設備への投資、スマートグリッド技術の導入、エネルギー管理システムの強化など、エネルギー効率を向上させるための様々な取り組みを実施しています。
温室効果ガス排出量の削減: Keppel REITは、温室効果ガス排出量を削減するために、再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギー効率の向上、省エネ対策の推進などを積極的に取り組んでいます。
グリーンビルディングの認証取得: Keppel REITは、すべての建物においてグリーンビルディング認証を取得することを目指しています。2023年現在、同社のポートフォリオの98%がグリーンビルディング認証を取得しています。
倫理的な調達とサプライチェーン管理: Keppel REITは、サプライヤーに対して倫理的な調達と持続可能な調達を求めています。同社は、サプライヤーのESGパフォーマンスを評価するためのフレームワークを導入しています。
従業員の安全と福利厚生の向上: Keppel REITは、従業員の安全と福利厚生を向上させるために、様々な取り組みを実施しています。同社は、安全衛生管理システムを導入し、従業員向けのトレーニングプログラムを提供しています。
地域社会への貢献: Keppel REITは、地域社会への貢献活動に積極的に取り組んでいます。同社は、教育、環境保護、社会福祉などの分野で様々な活動を行っています。
コーポレートガバナンスの強化: Keppel REITは、コーポレートガバナンスの強化にコミットしています。同社は、コーポレートガバナンスコードを導入し、取締役会と経営陣の透明性と説明責任を強化しています。
評価と展望
Keppel REITのESGへの取り組みは、投資家やアナリストから高く評価されています。同社は、MSCI ESG RatingsやGRESBなどの主要なESG評価機関から高い評価を受けています。

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