6月24日の東南アジア株、材料難で小動き

6月24日の東南アジア株、材料難で小動き、景気見通しは良

東南アジア株式新聞 2024年6月24日

シンガポール STI

マレーシア FBM KLCI

インドネシア IDX総合

タイ

SET

香港

Hang Seng

3314.14

+0.25%

1589.66

-0.04%

6889.17

+0.13%

1316.73

+0.79%

18027.71

-0.00%




6月24日(月)、材料難で小動きな株式市場が多い中、シンガポール、インドネシア、タイの株式市場が強気だった。

シンガポール、マレーシア、タイは先週末より低く始まったが、マレーシア以外は午後に伸びた。

インドネシア株は一日中、先週末を上回る水準で取引された。


この地域の経済メディアが報じていた投資家の動向としては、依然として米金利政策への様子見姿勢が目立った。


為替市場の話題の中心は、日本円だった。

ドル円は、160円突破の可能性が騒がれていたが、159円後半での小幅な値動きに留まった。アジア時間夕方までは。



アジア太平洋(APAC)の第3四半期、輸出国と新興国が好調:S&P GR


材料難の中、シンガポールやマレーシアの経済メディアは、米調査会社 S&Pグローバル・レーティングスの経済リポート『エコノミック・アウトルック・アジア太平洋 2024年第3四半期』を取り上げていた。

  

東南アジアは好調(S&P GR のリポートより 、2024年6月24日)
東南アジアは好調(S&P GR のリポートより )


Economic Outlook Asia-Pacific Q3 2024: Exporters And EMs Are Outperforming

(2024年第3四半期、輸出国と新興国が好調)


(リポートの経済見通し部分)

  • マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムでは、輸出の伸びが改善し、今年のGDP成長率が高まると予想している。他の経済も、今年の輸出の伸びの恩恵を受けるはずだ。

  • 日本では、インフレの高まりが実質所得と消費を圧迫するため、2024年のGDP成長率は鈍化すると予想している。オーストラリアでは、金利引き下げにより、2023年よりもGDP成長率が低下している。とはいえ、両国とも、労働市場の回復が成長への負担を緩和する一因となっている。

  • インドでは、高金利と財政刺激策の縮小により非農業部門の需要が抑制され、今年度の成長率は6.8%に落ち着くと予想している。

  • その他のアジア新興国では、堅調な国内需要の伸びと輸出の回復が力強い成長を牽引し、フィリピンとベトナムはほぼ6%、インドネシアはほぼ5%の成長が見込まれる。

  • 全体として、中国と日本を除く地域では、(2023年は5.4%、2025年予想は5.2%だが、)2024年には5.1%の成長が見込まれる。


リポートが懸念材料としているのは、米国の金利引き下げが遅れることで、この地域の国の通貨防衛が大変になることだ。

インドネシアと台湾では政策金利を引き上げた。中国とマレーシアでは資本市場規制を厳格化・施行し、政策設定の他の要素を調整して為替レートの下落を抑えている。インド、インドネシア、日本、タイ、ベトナムなどでは実際に外国為替市場に介入した。


<アジアの新興国は、一般的に、こうした外的課題に対してかなり良い態勢を整えている。為替レート管理が行われているにもかかわらず、通貨は過去よりもはるかに柔軟になっている。その結果、経常収支は大幅な赤字にはなっていない。外貨準備のカバー率はまちまちだが、短期債務と比較すると概ね十分である(通常、100%の比率が十分であると考えられる)。

それでも、米国の金利がさらに上昇し、資金流出圧力が強まれば、地域の新興国は試練にさらされる可能性がある。>



S&P GR リポートは、おおむね楽観的だ。

まあ、アジア太平洋で通貨危機に最も近そうなのは日本だから、日本が足を引っ張らない限り大丈夫だろう。




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