マレーシア証券委員会、VC&PE実務ガイドを刊行
マレーシア証券委員会、VC&PE実務ガイドを刊行
東南アジア株式新聞 2024年6月15日
PRACTICAL GUIDE ON VENTURE CAPITAL AND PRIVATE EQUITY IN MALAYSIA
マレーシアの証券委員会(Securities Commission)が6月13日、『PRACTICAL GUIDE ON VENTURE CAPITAL AND PRIVATE EQUITY IN MALAYSIA』(マレーシアにおけるベンチャー・キャピタルとプライベート・エクイティの実務ガイド)を刊行した。
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マレーシアSC刊行のVC・PE実務ガイドの表紙 |
SC Releases Practical Guide on Venture Capital and Private Equity in Malaysia
証券委員会(SC)は、資本市場の規制機関。
このガイドブックは、SCが、Bank Negara Malaysia(中央銀行)、Labuan Financial Services Authority(ラブアン島金融特区の金融サービス庁)、Malaysian Venture Capital and Private Equity Association(業界団体)、EY Tax Consultants(コンサルタント)と共同で作成した。
(メディアリリースの冒頭)
マレーシア証券委員会(SC)は本日、マレーシアで「マレーシアのベンチャーキャピタルとプライベートエクイティに関する実用ガイド」(ガイド)の初版を発行しました。
このガイドは、将来のベンチャーキャピタル(VC)およびプライベートエクイティ(PE)ファンドマネージャー、サービスプロバイダー、投資家に対し、VCおよびPEの運営を規定するマレーシアの政策環境を理解するための詳細な実用知識を提供します。
VCとPEは、マレーシアの資本市場における代替資金調達エコシステムの重要な構成要素です。VCおよびPEファームは、有望な新興企業や急成長企業を育成する上で重要な役割を果たしており、これらはイノベーションを促進し、地元の才能に機会をもたらし、マレーシア経済の成長に貢献する鍵となります。
SC委員長(敬称 Dato’ Seri Dr.) Awang Adek Hussin氏は、「マレーシアのVCおよびPEに関する実用ガイドは、投資とイノベーションを促進する環境を育むという私たちの取り組みです。マレーシアのベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ企業のビジネス環境を明確にすることで、マレーシアの起業家を支援するために、より活気のあるプロの投資家のコミュニティを構築することを目指しています」と述べています。
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VC・PE実務ガイドの目次 |
目次にある通り、ガイドブックは、VC・PEファンドの規制だけでなく、ファンド設定の法律、外為政策、税務問題、ファンド・マネジメントの組織作り、マーケティングをカバーしている。
まさに実務ガイドだ。
実のところ、マレーシアでこの種のガイドブックのニーズがどれほどあるのだろうか、と思った。
だが、メディアリリースの中に以下の記述がある。
VC および PE 業界は着実な成長を見せています。2023 年の VC および PE への総資金コミットメントは 178.5 億リンギットで、2022 年の 160.8 億リンギットから増加しました。
2017 年から 2023 年の間にマレーシアの資本市場で調達された資金総額のうち、VC および PE への投資は 59 億リンギットを占めました。
※178.5億リンギット≒5992.36億円
日本でも、(巨大米系ファンドを除き、)コミットメント(投資家から約束された投資額)が500億円程度のファンドはそこそこ大きいほうだ。
そんなファンドを運用する会社が12社いると思えば、マレーシアのVC・PEファンドもそこそこ育ってきていると言える。
以下、Geminiにマレーシアの代表的なPEファンドをまとめてもらった。
マレーシアの代表的なPEファンド
マレーシアには、数多くのPEファンドが存在します。以下、代表的なファンドをいくつかご紹介します。
Khazanah Nasional Berhad: マレーシア政府系投資ファンド。マレーシア最大のPEファンドであり、1000億米ドル以上の運用資産を有しています。エネルギー、ヘルスケア、金融サービス、インフラなどのセクターに投資しています。
Permodalan Nasional Berhad (PNB): マレーシア国営投資会社。マレーシア人の富の創造と分配を目的として設立されました。700億米ドル以上の運用資産を有し、金融サービス、不動産、ヘルスケアなどのセクターに投資しています。
Creador: 東南アジアに焦点を当てる独立系PEファンド。50億米ドル以上の運用資産を有し、テクノロジー、消費財、ヘルスケアなどのセクターに投資しています。
Xeraya Capital: マレーシアに拠点を置くPEファンド。30億米ドル以上の運用資産を有し、テクノロジー、ヘルスケア、教育などのセクターに投資しています。
Malaysia Venture Capital Management Berhad (MAVCAP): マレーシア政府系ファンド。マレーシアのベンチャーキャピタル業界の発展を目的として設立されました。2億米ドル以上の運用資産を有し、初期段階および成長段階の企業に投資しています。
これらのファンド以外にも、マレーシアには数多くのPEファンドが存在します。
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