2025年上半期(1-6月)の東南アジア株は低迷、強かったのは香港株

 

東南アジア株式新聞 2025年6月30日

2025年上半期(1-6月)の東南アジア株は低迷、強かったのは香港株


今年上半期の株式市場の最大テーマは、景気や企業業績の不透明感だった。

最大の原因は米国の関税政策。

4月にトランプ大統領が相互関税と称して、最低10%、対米黒字の大きな国には20~40%台と発表した。

猶予期間3か月の間に、高い関税率を課される国は対米交渉に取り組んだ。

(だが、交渉成立したのは英国のみ)


日本や東南アジアの国で操業する企業は、事業計画の変更を検討しつつ時を過ごした。

(米国生産を増やすにしても、部品・材料がどの程度値上がりするのか読めないと、計画が立たない)

株式市場も、企業の業績見通しがどう変更になるのか不明な状態が続いている。

(それでも、強気な投資家はどこにでもいる)


上半期のアジア株式市場で、独り勝ちしたのは香港株だった。

東南アジア株は総じて低迷した。

(参考までに、日経平均は6か月で1.49%上昇)


下半期に向けて、最初の注目は米国が7月9日に発表する見込みの国別の関税率だ。

そこから有利な資産・販売体制へ向け、大規模なサプライチェーン(SC)の変更が始まる。

大規模なSC変更はすぐには終わらないわけで、市場の不透明感は(中身を変えて)継続する見通しだ。




香港ハンセン指数

アジア地域で(世界中でも)際立って好成績だったのは香港株だ。

香港の上場株は、中国のハイテク株の比重が高い。

AIやEVなど中国ハイテク企業の将来性に楽観的な投資家が多いようだ。


(1月2日)19623.32⇢(6月30日)24072.28

20.00%の上昇


   
ハンセン指数の6か月(2025年6月30日、HKEX公式サイトより)
ハンセン指数の6か月(HKEX公式サイトより)





シンガポール STI

シンガポールは米国関税の最低10%の対象国で、

東南アジアの中では米関税の影響が軽微だと見られている。


(1月2日)3800.81⇢(6月30日)3964.29

4.66%の上昇        


  
STIの1年間(2025年6月30日、SGX公式アプリより)
STIの1年間(SGX公式アプリより)

マレーシア FBM-KLCI

トランプ関税ショックなどで外国人投資家の資金が流出

(1月2日)1632.87⇢(6月30日)1532.96

6.66%の下落


   
FBM-KLCIの6か月(2025年6月30日、Bursa公式サイトより)
FBM-KLCIの6か月(Bursa公式サイトより)


インドネシア IDX総合指数

トランプ関税ショックなどで外国人投資家の資金が流出

(1月2日)7163.21⇢(6月30日)6927.68

2.15%の下落


   
IDX総合指数の6か月(2025年6月30日、IDX公式アプリより)
IDX総合指数の6か月(IDX公式アプリより)


タイ SET指数

トランプ関税ショックなどで外国人投資家の資金が流出

中国人旅行客の減少も景気不安の要因に

(1月2日)1379.85⇢(6月30日)1089.56

22.19%の下落


   
SET指数の6か月(2025年6月30日、SET公式サイトより)
SET指数の6か月(SET公式サイトより)





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