インドネシア−マレーシア首脳会談(2025年6月27日)

 

インドネシア−マレーシア首脳会談(2025年6月27日)

東南アジア株式新聞 2025年6月28日

マレーシアのアンワル首相が6月27日に隣国インドネシアを公式訪問した。

インドネシアのプラボウォ大統領と会談し、友好関係を確認した。

とはいえ、両首脳は今年、すでに数回会っており、この首脳会談はめずらしくはない。


それでも緊急性の高いものはある。

両国の報道から、3つの合意ポイントを抜き出してみた。

  • 米国の関税問題対策としてASEANの連携強化

  • 中東和平を呼びかけ

  • アンバラット(Ambalat)海域の共同開発




インドネシア大統領のX投稿(6月27日)


本日、私はマレーシアの首相閣下@anwaribrahimの公式訪問を受けました。

首相閣下は両国の公式代表団を伴い来訪され、栄誉の衛兵による公式歓迎を受けました。


今回の会合では、湾岸協力会議(GCC)及び中国政府との第46回ASEAN首脳会議の結果のフォローアップ、

並びに来年末に開催される第13回インドネシア・マレーシア年次協議の準備について重点的に議論しました。


また、我々は世界的課題の進展についても議論し、国家の繁栄と地域の安定を促進するために

二国間協力の相乗効果を強化することに尽力します。


ムルデカ宮殿、ジャカルタ、2025年6月27日。


  
プラボウォ大統領のX投稿(2025年6月27日)
プラボウォ大統領のX投稿




ASEANの連携強化


インドネシア国営アンタラ通信の6月27日(金)の記事:

インドネシアとマレーシア、ASEANとの連携強化を誓約、米国の関税に対抗

インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、

米国による相互関税を含む関税問題への対応において、両国が国内の能力を強化し、

ASEANにおける役割を強化することで合意した。

金曜日、ジャカルタのムルデカ宮殿でプラボウォ大統領との共同記者会見を行ったアンワル首相は、

世界的な課題への共通の取り組みとして二国間投資の促進に取り組むプラボウォ大統領のコミットメントを

支持すると表明した。

「関税関連の問題や国際関係における緊張に対処する上で、我々の強みは国内の強靭性、二国間協力、

そしてASEANの結束力にあります。

これらは、両国の指導者間の共有された精神の上に築かれなければなりません」とアンワル首相は述べた。


両国は、相互関税協定をめぐる米国との交渉を継続する中で、情報交換を密にしている。

アンワル首相は、「これらの問題への対応において可能な限り最良の結果を達成できるよう、引き続き緊密に協議していく」と記者会見で語った。



中東和平の呼びかけ


アンタラ通信の6月28日の記事:

インドネシアとマレーシアの指導者が中東和平を呼びかけ


インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、

イランとイスラエルの間を含む中東地域の平和を訴えた。

「プラボウォ大統領が述べたように、イランとイスラエルの間だけでなく、中東全体の平和実現への

共通の願いを持つことは非常に重要です」と、アンワル首相は金曜日、ジャカルタのムルデカ宮殿で

プラボウォ・スビアント大統領との共同声明を発表した際、述べた。


22日に米国がイランの核施設を空爆した後、

23日にイランがカタールの米軍基地を攻撃したのを区切りに、

イスラエル−イラン間の戦闘行動は止まった。


そのすぐ後のタイミングでの、インドネシア大統領とマレーシア首相の公式談話となった。

インドネシアとマレーシアの両首脳は、イスラエル−イラン間だけでなく、パレスチナを含めた中東の平和を実現するため行動していく意志も示した。



アンバラット海域の共同開発

アンバラット(Ambalat)は、ボルネオ島の東側。

マレーシアにとっては、サバ州の領域、

インドネシアにとっては、北カリマンタン州の領域と、相互の領有権の主張が重なっている。


The Star の6月27日の記事(中身はマレーシア国営ベルナマ通信):

アンワル氏とプラボウォ氏は、アンバラット地区の共同開発に向け戦略的協力強化で合意

アンワル・イブラヒム首相とインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は、アンバラットにおける

マレーシアとインドネシアの海上国境地帯における平和的かつ互恵的な共同開発を含む、

様々な分野における戦略的協力を加速させるという両国の強い決意を表明した。

6月27日(金)、ムルデカ宮殿で行われた二国間会談後の共同記者会見で、アンワル首相は、

両国は国民に利益をもたらす海上国境地帯を含む経済協力を検討すべきだと述べた。


ここのアンワル首相発言の前に、プラボウォ大統領が次の発言をしたそうだ。

「技術的に時間がかかる可能性のある国境問題に関しては、我々は互恵的な解決策を見つけることで合意しました。例えば、アンバラット地域では、法的解決を待つ間、共同開発メカニズムを通じて経済協力を開始したいと考えています」


具体的にどんな共同開発をするのかは現時点では不明。




マレーシア首相の6月27日のX投稿


大統領@prabowoご来賓の皆様、貴重なお時間をいただき、温かいおもてなしをいただき、誠にありがとうございます。多くの点を指摘し、議論することができました。両国の友好関係の促進のためには、この緊密な関係をさらに強化していく必要があると感じています。


一緒に地域の友好と協力を強化しましょう!

🇲🇾🤝🇮🇩


  
アンワル首相のX投稿(2025年6月27日)
アンワル首相のX投稿





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