マレーシア国営石油会社ペトロナスと三菱商事が提携強化、日本などへのLNG安定供給・低炭素化へ貢献
東南アジア株式新聞 2024年9月27日
自民党総裁選に反応して、ドル円相場が乱高下した。145円近辺で始まり、(大規模緩和維持の高市氏が優勢の情報で)一時146円台、その後(石破氏が勝ち)142円台まで動いた。
上海総合+ 2.88%、日経平均+ 2.32%(高市氏優勢のうちに取引終了。月曜日に急落の可能性)
マレーシア国営石油会社ペトロナスと三菱商事が提携強化、日本などへのLNG安定供給・低炭素化へ貢献
マレーシアの国営石油会社ペトロナスと三菱商事が9月27日、提携強化を発表した。
両社は1983年に提携して以来、日本へLNG(液化天然ガス)供給をしてきた。共同投資先のサラワク州ビンツルのペトロナスLNGコンプレックスのMLNG事業は、日本にLNGを供給する単一拠点としては最大規模だ(年間約1,000万トン)。
今回の提携は共同事業の継続と追加で、契約書には両社のCEO(最高経営責任者)が署名した。
両社のプレスリリースはともに、日本などアジアへのLNG安定供給と低炭素社会への移行に貢献することに意欲を示した。
ペトロナスの9月27日のプレスリリース:
三菱商事、ペトロナスとの提携を強化、同地域でのLNG事業への信頼を強化
ペトロナスと三菱商事は、新たな契約を締結し、46年にわたるパートナーシップを強化しました。これにより、日本の顧客を中心に、ペトロナスの液化天然ガス(LNG)を国際市場に供給する能力に対する信頼がさらに強固なものとなりました。
この協力は、エネルギー安全保障の確保と、低炭素の未来に向けた共通の意欲に対する両社のコミットメントを強調するものです。
(中略)
契約の主な内容は、三菱商事が今後10年間、マレーシアLNG(「MLNG」)ドゥアとMLNGティガに投資し、MLNGドゥアの株式10%の保有を延長し、MLNGティガの株式10%を再投資することです。この契約は、三菱商事が両事業に引き続き参加し、関連するマーケティング活動やビンツルから日本へのLNGの配送を行うことを表明するものです。
この戦略的提携は、マレーシアの堅調な経済状況、特にサラワク州が外国直接投資の魅力的な目的地であることを浮き彫りにしています。
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(ペトロナス発表資料より) |
三菱商事の9月27日のプレスリリース:
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2024/html/0000054570.html
ペトロナス(Petroliam Nasional Berhad、PETRONAS)
マレーシアの国営石油会社
石油・天然ガスの探鉱・開発・生産、石油精製、石油製品販売、ガス供給など
多数のグループ企業を持つ。以下のように上場企業も
Petronas Gas Bhd(Birsa:6033):天然ガスの輸送、貯蔵、液化天然ガス(LNG)の再ガス化
Petronas Chemicals Group Bhd(Bursa:5183):ポリエチレン、ポリプロピレンなどの石油化学製品の製造・販売
Petronas Dagangan Bhd(Bursa:5681):マレーシア国内におけるガソリンスタンドの運営、石油製品の卸売・小売
ペトロナスの2024年上半期決算リリースより
PETRONAS Accelerates Energy Transition Strategy with a Diverse Portfolio to Drive Future Growth
ペトロナス、多様なポートフォリオでエネルギー移行戦略を加速し、将来の成長を推進
2024年上半期の収益は1717億リンギットで、前年同期の1690億リンギットからわずかに増加した。税引後利益(PAT)は19%減少して324億リンギットだった。
展望
長引く地政学的緊張とマクロ経済の不確実性は、引き続き世界市場に悪影響を及ぼしているボラティリティの高まりの主な要因です。この困難でダイナミックな状況の複雑さの中で、ペトロナスは成長の機会を認識し、優先することに機敏であり続けています。
当グループは、国内外でコスト合理化と価値重視の投資を通じて価値を維持することに尽力しています。特に、再生可能エネルギー分野での取り組みを進めながら、上流資源の収益化に積極的に取り組んでいます。
ペトロナスは創立50周年を迎えますが、当グループの優先事項は、エネルギー安全保障の確保と、国の利益を守り、国家建設の取り組みを支援するために関係者との継続的な協力を促進することに引き続き重点を置いています。
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