伊勢丹シンガポール(Isetan (Singapore) Limited) [更新] 9月19日にシンガポール上場廃止、親会社主導で機動的な運営へ
東南アジア株式新聞 2024年9月19日
米利下げを受けて、東南アジア株式は強気一色
伊勢丹シンガポール(Isetan (Singapore) Limited)、9月19日にシンガポール上場廃止、親会社主導で機動的な運営へ
三越伊勢丹ホールディングスの 9月19日の発表文:
https://pdf.irpocket.com/C3099/I7Sq/qO4n/RWzy.pdf
Isetan (Singapore) Limited の上場廃止に関するお知らせ
2024 年4月1日付「Isetan (Singapore) Limited の株式取得(完全子会社化)に向けた手続き 開始の合意に関するお知らせ」及び 2024 年8月7日付「Isetan (Singapore) Limited の臨時株主 総会における株式取得に関連する承認に関するお知らせ」に関して、株式会社三越伊勢丹(以下 「三越伊勢丹」)の子会社である Isetan (Singapore) Limited(以下「Isetan (Singapore)」)の完 全子会社化の手続きが完了し、本日をもって Isetan (Singapore)はシンガポール証券取引所での上 場廃止となりましたことをお知らせいたします。
関係者の皆様には、長年にわたり上場企業としての Isetan (Singapore)の経営にご理解と温かいご支援を賜りましたことを心より感謝申し上げます。
親会社の三越伊勢丹ホールディングスが東証上場企業なのだから、親子上場を嫌う日本の株式市場の感覚では、あまり変なことではない。
親会社と子会社がともに上場していると、利益相反やガバナンス問題が生じる。たとえば、親会社の株主から見れば、子会社から利益を吸い上げるのは問題ないが、子会社の株主(大株主である親会社を除く少数株主)から見ると、その行為によって投資先企業の利益が減る。
また、日本の株式市場では、オーナー大株主によるMBOという手段で非上場化し、(少なくとも建前上では)経営立て直しに集中する、というイベントはときどき起きている。
ちなみに、東南アジアでは親子上場はめずらしくないし、親子上場それ自体が大きな批判の対象にもなっていない。
伊勢丹シンガポールは、1970年代からシンガポールで店を構え、「日本の百貨店」を代表する存在となっている。
上場廃止後も、伊勢丹シンガポールはシンガポールの3店舗の営業を継続する。
今後について言及した記事としては以下がある。
The Business Times の8月2日の記事:
Isetan Singapore narrows H1 loss to S$126,000 but faces lower sales
伊勢丹シンガポール、上半期損失を12万6000シンガポールドルに縮小も売上減に直面
(決算数字部分は省略、上記URLの記事を参照)
シンガポール伊勢丹は、今後の見通しについて、シンガポールのマクロ経済要因は良好であるものの、「特に小売事業において、パンデミック後の回復の勢いを維持する上で引き続き課題に直面している」と述べた。
「また、自国通貨高で海外旅行ができるため、一部の顧客がシンガポールではなく海外で支出を増やす可能性がある」と同社は述べた。
同社は小売部門で収益性を達成するために努力する中で、もう一つの課題として「高い運営コストの継続」を挙げた。
しかし、不動産部門には明るい兆しが一つある。4月に発表されたように、シンガポール伊勢丹は所有するハブロックロードのオフィスビルの一部について新たなリース契約を締結した。このリース契約は、テナントが当局から必要な承認を得ることを条件としている。「賃貸契約が継続されれば、同社の不動産部門にとってプラスとなるだろう」とシンガポール伊勢丹は述べた。
三越伊勢丹ホールディングスの公式サイトによると、伊勢丹ブランドで展開している海外店舗は以下の通り。
シンガポール伊勢丹 スコッツ店
シンガポール伊勢丹 タンピネス店
シンガポール伊勢丹 セラングーン店
クアラルンプール伊勢丹 Lot 10店
クアラルンプール伊勢丹 KLCC店
クアラルンプール伊勢丹 THE GARDENS店
東南アジア株式新聞 2024年4月2日
非公開化方針のニュースで株価急伸
伊勢丹シンガポール(Isetan singapore、SGX:Isetan)の株が4月2日、シンガポール株式市場(SGX)で大きな話題になった。
「Hot stock: Isetan Singapore jumps 147.5% on proposed privatization after resuming trade」
というのが、The Business Times の記事(4月2日)の見出しだ。
今回のにわか人気は、親会社の三越伊勢丹ホールディングスが1日に発表した株式非公開化方針のためだ。
発表後、株式の取引が再開した2日に、伊勢丹シンガポール株は大きく買われた。
発表は、シンガポール現地法人を8月をメドに完全子会社化する、という内容だった。三越伊勢丹HGが株式の52.73%を保有しており、残りを約157億円で取得する。「経営の機動性を高めて、富裕層や観光客の多いシンガポール市場での成長につなげる」のが狙いだ。
伊勢丹シンガポールは伊勢丹3店舗を運営しており、三越伊勢丹HGのほかに現地投資会社などが株式を保有している。日本の親会社は、1970年の現地法人設立以来、100%子会社化の機会を探っていたという。
株主の同意や裁判所の許可を得られれば全株式を取得する。完全子会社化後は非公開会社となる。
発表資料
https://pdf.irpocket.com/C3099/CiO3/x7f5/A3sQ.pdf
「三越伊勢丹は2023年7月に、フィリピンの首都マニラで大規模複合施設を本格開業した。一方、中国では収益が悪化した伊勢丹3店を24年4〜6月に閉店することを決め、商業施設1店のみに縮小した。成長が見込める東南アジアに注力する」と日本経済新聞(4月1日)は書いた。
以下、Gemini に最近の伊勢丹シンガポールについてまとめてもらった。
伊勢丹シンガポール:近年の動きと最新情報
2024年4月2日
伊勢丹シンガポールは、日本を代表する百貨店の一つであり、シンガポール国内で6店舗を展開しています。近年は、デジタル化や顧客体験の向上に積極的に取り組んでおり、コロナ禍においても着実に成長を続けています。
1. デジタル化への取り組み
公式アプリの刷新: 2023年4月に公式アプリを刷新し、UI/UXを改善するとともに、パーソナライズされた商品提案やオンライン予約機能などを導入しました。
ECサイトの強化: ECサイト「Isetan Online Store」を運営しており、日本を含む海外への発送にも対応しています。
ライブコマース: 2023年10月からライブコマースを試験導入し、顧客との新たな接点を構築しています。
2. 顧客体験の向上
OMO施策の推進: オンラインとオフラインのチャネルを融合したOMO施策を推進しており、顧客の利便性を向上させています。
イベント開催: ファッションショーやワークショップなど、顧客参加型のイベントを定期的に開催しています。
顧客サービスの充実: 専属スタッフによるパーソナルショッピングサービスや、日本語対応可能なスタッフの配置など、顧客サービスを充実させています。
3. 近年の業績
2023年12月期決算: 売上高は前期比5.3%増の約17億シンガポールドル、営業利益は同12.8%増の約1億5000万シンガポールドルを達成しました。
2024年3月期第1四半期決算: 売上高は前期比4.1%増、営業利益は同7.8%増と、好調なスタートを切りました。
4. 今後の展望
伊勢丹シンガポールは、今後もデジタル化と顧客体験の向上に注力し、東南アジアにおけるリーディングデパートメントストアを目指していくとしています。
最新情報
2024年4月12日、伊勢丹タンピネス店(Isetan Tampines)にて、日本の人気キャラクター「すみっコぐらし」とのコラボイベントを開催予定です。
2024年5月、伊勢丹スコッツ店(Isetan Scotts)にて、高級ブランド「グッチ」のポップアップストアを開催予定です。
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