米国が新関税率を発表[更新]新たに8か国に
米国が新関税率を発表[更新]新たに8か国に
東南アジア株式新聞 2025年7月10日
米国時間の9日、トランプ大統領は新たに8か国の関税率を発表した。
日本経済新聞の7月10日の記事:
トランプ大統領、ブラジルの関税5倍の50%に 8カ国に新税率通知 - 日本経済新聞
トランプ米大統領は9日、ブラジルに8月1日から50%の新たな相互関税の税率を適用すると表明した。
従来の税率の5倍になる。
ブラジル政府の偽・誤情報対策やトランプ氏と親しかったボルソナロ前大統領への裁判をやめるよう要求する
など、ルラ政権への不満を示した。
9日に新税率を通知したのは8カ国となった。
自身のSNSで8カ国に新たな相互関税の税率を通知する書簡を公表した。
フィリピンは20%でブルネイとモルドバは25%。スリランカ、アルジェリア、イラク、リビアは30%だった。ブラジルの50%が突出した。
前回とは異なり、ホワイトハウス(米大統領府)からの発表は9日の時点でなかった。
ブラジルのルラ政権へのいじめのようだ。
ブラジル政府は「関税の一方的な引き上げ措置に対して相互主義に基づいて対応する」との声明を発表。
ところで、このトランプ大統領の投稿によって、
ASEANのうち、フィリピンとブルネイの新税率が明らかになった。
フィリピン:20%(旧 18%)
ブルネイ:25%(旧 24%)
両国とも関税率を微妙に引き上げられた。
フィリピン、引き続き交渉する
マニラ、7月10日(ロイター) - フィリピンの経済担当大統領補佐官は10日、米国がフィリピン製品
に20%の関税を課す決定を下したことに懸念を抱いているものの、引き続き交渉を続けると述べた。
フレデリック・ゴー補佐官は記者団に対し、フィリピンは自由貿易協定などの二国間協定の締結を
目指し、米国との協議に引き続き尽力すると述べた。
米国が14か国を対象に新関税率を発表、東南アジアは高めのまま
東南アジア株式新聞 2025年7月8日
米国時間の7日、トランプ大統領が新しい関税率を発表した。
日本経済新聞の7月8日の記事:
トランプ氏、日本と韓国に新関税25%通告 交渉期限8月1日に延長
日本や韓国、東南アジアの国々は依然として高めの関税率を課せられる予定となっている。
ベトナムが米国と合意した20%より高いことを考えると、
「ベトナムが示した以上に対米黒字を減らす策を示せ」が、
日韓や東南アジア新興国に対するトランプ大統領のメッセージなのだろう。
対象国は、7月中により良い条件を引き出すための対米交渉に挑むことになる。
米ホワイトハウスの7月7日の発表:
アメリカ主導の政策維持:ドナルド・J・トランプ大統領は本日、当初7月9日に失効予定だった
特定の関税率を2025年8月1日に失効させることを決定する大統領令に署名しました。
トランプ大統領はまた、多くの国に関税通知書を送付し、8月1日に発効する新たな相互関税率を通知
しました。
(中略)
大統領は今後数日から数週間のうちに、さらに書簡を送る可能性があります。
本日書簡を送った国は以下のとおりです。
日本 (25%)
韓国 (25%)
南アフリカ (30%)
カザフスタン (25%)
ラオス (40%)
マレーシア (25%)
ミャンマー (40%)
チュニジア (25%)
ボスニア・ヘルツェゴビナ (30%)
インドネシア (32%)
バングラデシュ (35%)
セルビア (35%)
カンボジア (36%)
タイ (36%)
ASEANの国について見てみる
![]() |
ASEAN諸国に対する米国の新関税率 |
マレーシアの関税率は新旧とも、日本と同じだ。
マレーシアは貿易協定の締結へ向け尽力
25%に引き上げられてしまったマレーシアは、交渉を継続することを表明した。
The Edge Malaysia の7月8日の記事:
マレーシア貿易産業省、関税発表後も米国との交渉継続と表明
マレーシアは、未解決の問題に対処し、発表された関税の範囲と影響を明確にし、交渉の終結に向けて
米国と引き続き協議していく。
マレーシア投資貿易産業省(MITI)は声明で、
「マレーシアは、バランスのとれた、互恵的で包括的な貿易協定の締結に向けて、
米国との継続的な協議に尽力する」と述べた。
インドネシアは首都ワシントンへ交渉団派遣
インドネシアは、BRICSサミットでブラジルにいた大臣をそのまま米国の首都へ派遣することにした。
Indonesia Business Post の7月8日の記事:
政府は経済担当相をワシントンに派遣し、米国の新たな関税を巡る協議へ
ドナルド・J・トランプ大統領率いる米国がインドネシア製品に高関税を課すという最新の貿易政策転換を受け、
インドネシア政府は迅速な外交行動をとった。
アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は、ブラジルで開催された2025年BRICS首脳会議に
プラボウォ・スビアント大統領に同行した後、ワシントンD.C.へ直行し、
新たに発表された貿易措置について米国当局者と交渉するつもりだ。
カンボジアの報道が示した危機感
最近、カンボジアと米国が合意したと一部報道があったが、どうもそうではないらしい。
40%台から30%台ヘ関税率は引き下げられたが、まだ隣国ベトナムよりかなり高い。
カンボジアの Khmer Times は7月8日、
トランプ米大統領からフン・マネット首相にあてた書簡の画像付きで詳報した。
US to impose 36% tariff on Cambodian exports starting August 1 - Khmer Times
![]() |
カンボジア首相宛の書簡 |
「カンボジアとの貿易関係は、互恵的とは程遠いものでした」とトランプ大統領は書簡の中で述べた。
「2025年8月1日より、米国に輸出される全てのカンボジア製品に36%の関税を課します」
トランプ大統領は、この措置は、より均衡のとれた公正な貿易関係の実現を目指した長年の協議の末に実施された
と強調した。
36%の関税は、米国とカンボジアの貿易赤字の拡大に対処するためのものであり、同赤字は持続不可能であり、
米国の国家安全保障に対する潜在的な脅威であると述べた。
これに続けて、2つの警告が書かれていた。
第三国を経由した貨物の積み替えによる関税回避の試みは、より高い関税の適用につながる
カンボジアが米国製品に対する関税を引き上げることを決定した場合、
36%の関税に加えて、同額の関税が引き上げられる
カンボジア政府は、米国の決定に対する公式な回答をまだ発表していません。
新たな関税は、衣料品、履物、自転車、農産物など、米国市場に大きく依存しているカンボジアの輸出品に
幅広い影響を与えると予想されます。
米国は依然としてカンボジアにとって最大の輸出先の一つです。
アナリストたちは、解決策が見つからなければ、36%の関税はカンボジアの企業、雇用、そして経済全体に
重大な影響を及ぼす可能性があると警告しています。
クメール・タイムズは、この進展するニュースを引き続き追っていきます。
大々的な声明などの発表はなくても、その他の国も動いている。
タイは6日に新しい提案をしたばかりだ。
ピチャイ・チュンハワジラ財務相は8日に、記者団に楽観論を語った。
「タイは、大半の米国製品に対する輸入税をゼロにするという提案に基づき、
ドナルド・トランプ大統領が発表した36%の関税率よりも低い税率を確保できると楽観視している」
とブルームバーグ電が伝えた。
関連記事:インドネシア製品の米国の関税率は19%に、「大統領の電話会談の成果」
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