ADB『アジア経済見通し2025年7月版』、成長率予想を下方修正して4.7%に

ADB『アジア経済見通し2025年7月版』、成長率予想を下方修正して4.7%に


アジア開発銀行(ADB)がアジア太平洋地域の成長見通しを引き下げた。

7月23日に発表した『アジア経済見通し2025年7月版』によると、

2025年の経済成長率は4.7%(4月時点では4.9%)。

2026年の経済正答率は4.6%(4月時点では4.7%)。

米国による関税引き上げや世界的な貿易の不確実性による輸出減少に加え、内需の弱まりが主な要因。




『アジア経済見通し2025年7月版』:

Economic Forecasts: Asian Development Outlook July 2025


ニュースリリース:

ADB、アジア・太平洋地域の経済成長見通しを下方修正 | Asian Development Bank

アルバート・パークADBチーフエコノミストは、

「アジア・太平洋地域は今年に入り、一層厳しさを増す外部環境に粘り強く対応してきたものの、

リスクの高まりや世界的な不確実性を背景に、経済の見通しは弱含んでいる」とした上で、

「地域経済は、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の強化に加え、自由貿易や域内統合の推進を通じて、

投資・雇用・成長の下支えを図る必要がある」と述べた。




地域別の東南アジアの部分を見てみよう。


東南アジア

世界経済の継続的な減速と貿易の不確実性の高まりにより、東南アジアの経済予測は2025年と2026年について

下方修正されました。

外部環境の悪化は企業と消費者の心理を悪化させ、この地域への投資に支障をきたす恐れがあります。

米国の相互関税の発動延期や輸出の前倒しにもかかわらず、この地域の第1四半期の経済状況は、

特に外需依存度の高い国々で減速の兆候を示しています。

この地域最大の経済大国であるインドネシアを除き、東南アジアのすべての国は今後2年間で成長が鈍化する

と予想されています。

そのため、この地域の成長予測は、2025年には4.7%から4.2%に、2026年には4.7%から4.3%に

引き下げられました。


2025年が4.2%、2026年が4.3%の成長予想だ。

4月版では両年とも4.7%だったため、かなり下がった印象だ。

    
ADB経済見通し2025年7月版より
ADB経済見通し7月版より




7月版の Special Analysis のうち、関税リスク・シナリオ (Tariff Risk Scenarios)を見てみよう。


(7月17日時点までの発表に基づいているため、インドネシアとフィリピンの米国関税率19%への低下

は考慮されていない。強めのインパクト予想になっていると見られる)

東南アジアからのADB加盟国は、ADBが「発展途上アジア」と呼んでいる46か国(シンガポールや韓国も含む)に入っている。


米国相互関税の発展途上アジア(中国を除く)の成長率へのインパクトは、

2025年で ー0.04%。

2026年で ー0.32%。


あまり深刻ではないように見える。







 



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