企業研究|GOTO(PT GoTo Gojek Tokopedia Tbk、IDX:GOTO)[更新]

企業研究|GOTO(PT GoTo Gojek Tokopedia Tbk、IDX:GOTO )

  • インドネシアの大手IT企業

  • 配車「Gojek(ゴジェック)」とeコマース「Tokopedia(トコペディア)」が2021年に合併

  • 配車サービス、EC、金融サービスを統合したスーパーアプリを展開

  • 2022年、インドネシア証券取引所に上場

  • 2023年、TikTokがTokopediaに出資(約18億米ドル出資し、約75%所有)し、インドネシアでのEC事業をTokopediaと統合

  • 現在の主力事業はGojek(モビリティとデリバリー)と goto financial(決済、ローンなど金融)。

    

GOTO株の1年間(2025年11月13日、IDX公式サイトより)
GOTO株の1年間(IDX公式サイトより)



インドネシア政府主導の、Grabとの合併論が盛り上がる

にわかにインドネシア政府主導で政府系ファンドのダナンタラが参加する合併案が盛り上がっている。

Gojek と Grab Indonesia の合併だ。

GoTo株主がCEOを追い出す動きもあり、急展開がありそうになってきた。


The Business Times の11月10日の記事:

GoTo株が3カ月ぶり急上昇、ダナンタラがGrabとの合併に参加するとの報道を受け

インドネシア政府高官が、政府系ファンドであるダナンタラが、

GoToグループと競合のGrab Holdingsの統合計画に関与する見通しだと述べたことを受け、

GoTo(Gojek Tokopedia)の株価は3カ月ぶりの高値に急騰した。

インドネシアのプラセティオ・ハディ国務長官が11月7日、記者団に対し、

複数の省庁もGrabとGoToグループの潜在的な取引に関する協議に参加していると述べたことを受け、

GoToの株価は一時9.8%上昇し、8月13日以来の高値を付けた。


インドネシア政府のことだから民間企業同士の合併を強制する可能性は十分にある。


その後、メディアから取材を受けたダナンタラ幹部は、政府の指導に従うとコメントした。


関連して以下のようなニュースも出てきた。


11月11日のブルームバーグ電:

ソフトバングがGOTOのCEO追放案に参加、Grabとの合併に勢い

ソフトバンクグループ、プロビデント・キャピタル・パートナーズ、ピークXVなど、GoToグループの

有力支援企業が、CEO(最高経営責任者)のパトリック・ワルージョ氏の後任を探している。

この劇的な展開は、グラブ・ホールディングスによる買収交渉を加速させる可能性がある。

事情に詳しい関係者によると、複数のGoTo株主が取締役会に臨時株主総会の開催を求める覚書に署名した。

関係者は、この動きが非公開であることを理由に匿名を条件に語った。

GoToの共同創業者を含む支援企業は、CEOの交代を含む議案の採決を提案している。

ワルージョ氏は、在任期間中にGoToの時価総額を40%以上下落させた。

関係者によると、ワルージョ氏はグラブによる買収にも反対しているようだ。



(感想)

GOTOは、いよいよ万年赤字からの脱却が近づいている。

株価は底ばい。

インドネシア政府内部では、ダナンタラが投資する良いケースと見ているのかもしれない。

大株主の方は、とにかくGOTO株価が上がってほしい。

Grabやダナンタラが大口出資するなら、GOTOから投資を引き揚げる機会にもなる。


Grabから見ると、

インドネシア部門がインドネシア国営企業のようになるのはうれしくなさそうに思う。

(合併しないと市場から締め出されかねない場合、妥協するのだろう)



2025年第3四半期、損失は縮小傾向だが赤字から脱却できず


10月29日の発表:

2025年第3四半期決算発表

GoToグループ、初の四半期調整後税引き前利益を計上、通期ガイダンスを上方修正

インドネシア最大のデジタルエコシステムであるPT GoTo Gojek Tokopedia Tbk(IDX: GOTO)は本日、

2025年度第3四半期の業績を発表しました。

当社は初めて調整後税引き前利益を計上し、通期業績予想を上方修正しました。


単位:

十億ルピア

3Q 2025

前年同期比%

純収益

4,736

21

EBITDA

369

n/a

純損益

(255)

85


2025年度の更新ガイダンスとして、グループ調整EBITDAを 1.8-1.9 兆ルピアに引き上げた。

(以前は、1.4-1.6 兆ルピア)。


伸びているのは金融(Fintech)部門だ。

第3四半期に調整EBITDAが1,360億ルピアと、前年同期比2,010億ルピア増加した。


オンデマンド・サービス部門の収益やGTV(総取引高)は伸びが鈍化している。

第3四半期の純収益は前年同期比10%増、GTVは2%増だった。

利益は出やすくなっており、調整EBIDAは3,400億ルピアだった。




AP通信の9月5日の記事(ジャカルタ発):

Founder of Indonesian payments platform Gojek arrested in connection with graft probe | AP News

インドネシアの決済プラットフォーム兼配車サービス会社ゴジェックの共同創業者が、

学校向けのグーグル・クロームブック・ノートパソコンの政府調達に関連する1億1500万ドルの

汚職疑惑スキャンダルの捜査の一環として木曜日に逮捕された。


ナディム・アンワル・マカリム氏(41歳)は、新型コロナのパンデミックのとき、教育大臣だった。

学校における遠隔学習への移行過程において、マカリム氏が果たした役割について焦点を当てた尋問

を受けたそうだ。




東南アジア株式新聞 2025年8月16日

2025年第2四半期、損失は縮小傾向


8月13日の発表:

GoToグループ、2025年第2四半期決算で過去最高の業績を達成

インドネシア最大のデジタルエコシステムであるPT GoTo Gojek Tokopedia Tbk(IDX: GOTO)は本日、

2025年度第2四半期の決算を発表しました。

当社は、グループコアGTV1.4、純収益¹、EBITDA1.9、調整後EBITDA1.3において過去最高を記録し、

GoToの強力な実行力と統合エコシステムの回復力を示しました。


過去最高というのは、第2四半期のグループコアGTV、純収益、EBITDA、調整EBITDA。

  • コアCTV:89兆7590億ルピア

  • 純収益:4兆3280億ルピア

  • EBITDA:2920億ルピア

  • 調整EBITDA:4270億ルピア


さらに、第2四半期には、純損失が2220億ルピアまで縮小した。(前年同期は9540億ルピアの損失)


金融テクノロジー部門の貢献が大きい。

(金融テクノロジー)

  • コアGTVは、消費者決済の伸びに支えられ、前年比46%増の82.2兆ルピア。

  • 純収益は、ローン残高の拡大と決済取引の増加に支えられ、前年比76%増の1.4兆ルピア。

  • 月間取引利用者数は2,240万人で、前年比29%増。GoPayアプリの普及拡大による。

  • 調整後EBITDAは、ローン残高と決済事業の伸びにより、前年比2,560億ルピア増の880億ルピア。

  • 貸出収益は前年比130%増の8,790億ルピア。

  • 消費者向けローン残高は6.6兆ルピアとなり、前年比90%増。 

  • TikTok ShopにGoPay Pinjamを導入し、

GoToはTikTokエコシステム内で直接即時現金ローンを提供するプラットフォームとなった。



2025年上半期の業績は以下のようになった。


単位:

十億ルピア

1H2025

1H2024

増減%

純収益

8,559

6,596

30

EBITDA

447

(1,258)

n/a

純損益

(499)

(1,374)

63




東南アジア株式新聞 2025年7月12日


Goto創業者、汚職疑惑が浮上


CNAの7月12日の記事:

Chromebook不正利用事件(6億1000万ドル)の捜査でGoTo Gojek Tokopedia が捜索受ける

インドネシア当局は、Chromebookノートパソコンの政府調達における汚職疑惑の捜査に関連して、

国内IT大手GoTo(ゴジェック)の事務所を家宅捜索した。

地元メディアは、検事総長室のハルリ・シレガー報道官の発言を引用し、捜査官が火曜日に

南ジャカルタの事務所を家宅捜索したと報じた。


汚職疑惑は、2019年から2022年にかけて

教育・文化・研究・技術省が9兆9000億ルピア(6億1000万米ドル)の予算で

Chromebookを調達したことに関係しているそうだ。


検察庁は5月に、Chromebook調達を正当化するための調査の起草に関わった者の間で共謀、

あるいは「犯罪的陰謀」があった疑いがあると述べた。


そもそもインドネシアでは、Chromebookの需要が低いと報告されている、と上記記事は書いている。




東南アジア株式新聞 2025年3月14日

GoToの2024年業績、調整後EBITDAで初の黒字化


Financial Times の3月12日の記事:

インドネシアのGoToが初の黒字化、Grabとの合併も視野に


GoToのCEOが業績発表で、同社の初の年間プラスの利益を発表するとともに、

ライバルのGrabとの合併の可能性を否定しなかったーーという記事だ。


最近またこの合併するかも話を見るようになったが、個人的には、ないと思う。

Grabは単独でインドネシアの配車・配達の両市場でかなりシェアを取っているし、

Grabにプラスがなさすぎる。



GoTo の3月12日の発表:

GoToグループ、業績予想を上回る記録的な業績を発表

2024年第4四半期および通期の業績


主なハイライト

  • グループのコアGTV(総取引額)が第4四半期には過去最高の79.2兆ルピアに達し、前年比66%増、通年では58%増

  • 総収益が第4四半期には過去最高の5兆ルピアに達し、前年比28%増、通年では30%増

  • 経常現金固定費は通年で前年比3%減少

  • グループ調整EBITDAが第4四半期は3990億ルピアと過去最高、通年では3860億ルピア

  • 金融テクノロジー部門の調整後EBITDAが黒字化した。GoPayアプリ利用とローン残高がともに増加したことによる。2025年にはさらに拡大する見込み

  • オンデマンドサービス部門は堅調な成長と収益性を維持 - コアGTVは第4四半期に前年同期比24%増、通年では17%増。調整後EBITDAは第4四半期には2670億ルピア、通年では6790億ルピア

  • GoToは2025年の調整後EBITDAを 1.4兆ルピアから1.6兆ルピアとガイダンスを発表



当期損益で見ても、2024年度は損失が5.4兆ルピアと、2023年度の損失90兆ルピアより大幅に減少した。


Grabと合併?あまり現実的には思えない。

配車・配達はインドネシア市場での寡占率が高すぎる状態になるため、インドネシア政府が許可するとは想像しにくい。

強いて言えば、統合できるのはインドネシアでの金融サービスくらいか。

Grab側のメリットがなさすぎる。



東南アジア株式新聞 2024年7月17日

インドネシアの GOTO、株式が底値を這い続けて1カ月


最近、インドネシアの複合企業 GoTo Gojek Tokopedia (GOTO) の株価がまるで罰ゲーム状態に陥っている。

6月19日以降のこの1カ月間、ときおり微妙に上がることはあるものの、底値の50ルピアに張り付いている。

このままでは、上場廃止の可能性も出てきているようだ。



Jakarta Globe の6月20日の記事:

GOTO Stock Dips to Record Low Below 1 Cent, Raises FCA Listing Concerns

(GOTO 株価が 1 セントを下回る記録的安値に下落、FCA リスト入りの懸念)

テクノロジー複合企業 GoTo Gojek Tokopedia (GOTO) の株価は木曜日に史上最安値の 50 ルピアまで急落した。

株価は一時 51 ルピアに達したが、すぐに 1 セント未満の 50 ルピアまで下落した。

GOTO の株価は大きな圧力にさらされている。

6 月 11 日に開催された株主総会 (RUPS) では株価は上昇しなかった。

過去 1 か月で株価は 24.24% 下落し、過去 3 か月で 30.56% 下落した。

GOTO 株が 50 ルピア水準で約 6 か月間推移した場合、フル・コール・オークション (FCA) の特別監視ボードに

載せられるリスクがある。

このボードの基準の 1 つは、過去 6 か月間の通常市場の平均株価が 51 ルピアを下回っていることだ。


FCAについて正確には知らないが、コール・オークションは株式市場の場(通常の取引時間)外の時間にまとまったコール(売り注文)がある時だけオークション形式で取引を成立させることだ。

上場廃止に近い状態と言えそうだ。


さて、私が GoTo の株価を調べたのは、最近 TikTok のニュースを見たからだ。


Nikkei Asia の7月16日の記事:

TikTok e-commerce grows fourfold in ASEAN, narrows gap with Shopee

(TikTokの電子商取引がAS​​EANで4倍に成長、Shopeeとの差が縮まる)

中国のバイトダンスが所有する人気ショートビデオアプリ「TikTok」は、ShopeeやアリババのLazadaなどの

地元企業が長らく独占してきた東南アジアで、最大のeコマースプラットフォームの1つになりつつあることが、

火曜日に発表された年次調査で明らかになった。

同アプリのeコマースプラットフォーム「TikTok Shop」は、2022年の44億ドルから昨年は163億ドルと、

流通総額(GMV)がほぼ4倍に増加し、地域のライバルの中で最も高い成長率を記録したと、

シンガポールを拠点とするコンサルティング会社Momentum Worksが報告している。

TikTokが昨年過半数の株式を取得したインドネシアのTokopediaと合わせると、

TikTokのeコマースプラットフォームはLazadaを抜いてASEAN地域で2番目に大きな企業となり、

昨年の市場シェアは推定28.4%となったと報告書は述べている。


少し見方を変えれば、このTikTok 絶好調の記事とは別の世界もある。

4月に米国でTikTok利用を禁止する法律が成立し、米国での営業が継続できるか微妙になっている。

米国ではTikTok利用者も多いが、中国系テクノロジーを嫌悪する人も多い。


大市場の米国で生き残るためには、中国との関係を薄くする必要があるため、TikTokが狙える大市場

として東南アジアの重要性が高い。

だが、TikTokは昨年12月、インドネシアでソーシャルメディアで商品販売を禁止する法律に違反すると

認定された。

このため、インドネシアの大手eコマース Tokopediaに出資し、商品販売はTokopediaを通じて

やっていますという形を取り、インドネシアでの営業をかろうじて継続した。


上場以来、株価不振から脱却できないインドネシアの期待の星


というわけで、TikTok 絶好調のニュースがあれば、インドネシアでのパートナーがどうなっているか

気になるというもの。


はっきり言えば、GOTOの株価不振は2022年4月の上場以来ずっと続いている。

かつての期待のユニコーンでも、いつまでも赤字営業していれば、株主が逃げていく。

同社が何の努力もしなかったわけではない。


4月29日に第1四半期の業績発表をしたときも、TikTokとの提携により黒字化に向けて順調に進んでいる

ことを強調した。

しかし、同期の基礎損失は1020億ルピア(628万米ドル)と巨額であり、黒字への道は遠い印象を

残した。


最近でも、7月16日に GoToエコシステム全体に最新のAI(人工知能)テクノロジーを開発して

組み込む長期的なプログラム「GoTo AI」を導入したと発表した。

その一環として、インドネシア語で使える初のAI対応フィンテック音声アシスタント「Dira by GoTo AI」

も発表した。

だが、株価は反応しなかった。


GoTo Gojek Tokopedia は2021年に、インドネシアの2つの最も価値のあるスタートアップである

配車大手Gojekとeコマース企業Tokopediaの合併した会社だ。インドネシアの輝く星だった。

それから3年で、上場廃止の危機とは・・・。





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