企業研究|IHHヘルスケア(IHH Healthcare Berhad、Bursa:5225)[更新]
東南アジア株式新聞 2025年2月7日
企業研究|IHHヘルスケア(IHH Healthcare Berhad、Bursa:5225)
マレーシア発祥の世界最大級の民間医療サービス会社
M&Aで世界各地に大型医療施設を持つグループに
高品質医療の提供に力を入れ、メディカル・ツーリズムの代表的目的地でもある
三井物産の子会社MBK Healthcare Management Pte Ltdが約3割の大株主
第一三共に対する訴訟で損害賠償請求額を引き上げ
Malay Mail の2025年2月7日の記事(中身は国営ベルナマ通信):
IHHヘルスケア株価が上昇、フォルティス買収をめぐり第一三共に対して57億リンギットの損害賠償請求
IHHヘルスケアBhdの株価は、同社の子会社であるノーザンTKベンチャーPte Ltd(NTK)がインドのフォルティス・ヘルスケアの株式取得に関して日本の第一三共株式会社に補償を求めたため、取引開始時にマレーシア証券取引所で小幅上昇した。
午前11時28分時点では、株価は1セント上昇してRM7.26となり、取引株数は510,800株となった。
請求額の引き上げは、6日に証券取引所に提出した書類で明らかになった。
2月6日、証券取引所(Bursa Malaysia)にIHHが提出した発表:
https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=155116&name=EA_GA_ATTACHMENTS
同書類や現地メディアの報道から経緯をまとめてみた。
【請求額の増額】
2023年10月、NTKは日本の製薬会社に対し、2018年にNTKがフォルティス・ヘルスケアの株式を取得する公開買い付けを進めるのを妨害したとして訴訟を起こした。
当時、NTKは当初200億円(6億5300万リンギット)の損害賠償と年3%の利息を求めていた。
NTKがコンサルタント会社を雇って賠償額を算出し直したところ、「2億リンギットから57億リンギットの範囲」という結果となった。これをNTKは東京地裁に提出し、請求額の増額を求めた、という話だ。
57億リンギットは約2,000億円。
【買収の妨害】
2018年8月、IHHはフォルティス・ヘルスケアの支配株31.1%を400億ルピー(24億リンギット)で買収し、フォルティス株のさらに26%を市場から取得する公開買い付けを開始した。
その年の12月、第一三共がフォルティス・ヘルスケアの創業者に対して法廷侮辱罪の答弁書を提出したことを受けて、裁判所がフォルティス・ヘルスケアの支配株をNTKに売却することに関して現状維持を命じたため、IHHはフォルティス・ヘルスケアの26%の追加株式購入の公開買付けを取り下げた。
第一三共とフォルティス創業者との紛争は、2008年、創業者らの製薬会社ランバクシーが米国食品医薬品局と司法省の調査に直面しているという情報を隠蔽し、ランバクシーの株式を第一三共に売却したことに関係していた。
その後も問題が噴出し、結局、第一三共は2014年に、ランバクシーを売却した。
というわけで、第一三共が意図して IHH子会社の妨害をしたわけではなさそうだ。日本の製薬会社は買収したインド製薬会社が見かけとは違うことに気づいて自らの損失を最小限に抑えようとしていたように見える。
東南アジア株式新聞 2024年9月5日
The Star の9月4日の記事:
IHH Healthcare to acquire 600-bed capacity Island Hospital for RM3.92bil | The Star
IHHヘルスケア、600床のアイランド病院を39億2000万リンギットで買収へ
IHHヘルスケアBhdは、ペナンに拠点を置き、600床を有するアイランド・ホスピタルSdn Bhd(IHSB)の株式100%を現金39億2000万リンギットで買収することを提案した。
マレーシア証券取引所への提出書類で、IHHは間接的に100%所有する子会社のパンタイ・ホールディングスSdn Bhd(PHSB)が、提案された買収のために、アジアの大手プライベートエクイティ会社アフィニティ・エクイティ・パートナーが設立し、過半数株式を所有する会社であるコンプリヘンシブ・ケアSdn Bhd(CCSB)と売買契約を締結したと述べた。
IHHヘルスケアのアイランド病院買収についてのプレゼン資料:
The Star の8月30日の記事:
IHH Healthcare’s 2Q net profit doubles to RM623mil | The Star
IHHヘルスケアの第2四半期純利益、6億2,300万リンギットに倍増
IHHヘルスケアBhdの純利益は、2024年6月30日までの第2四半期(2024年第2四半期)に、23年第2四半期の3億100万リンギットから6億2300万リンギットに増加した。
ヘルスケアグループは昨日、マレーシア証券取引所への提出書類で、この好業績は、好調な業務実績、繰延税額控除のプラス効果、MFRS 129の適用による純金銭的利益によって押し上げられたと述べた。
収益は、質の高いヘルスケアサービスに対する継続的な需要、より重篤な患者のケースミックス、インフレに対抗するための価格調整により、23年第2四半期の46億7000万リンギットから30%増加して60億9000万リンギットとなった。
(中略)
2024年上半期(1H24)のグループの純利益は13億9,000万リンギットに減少しましたが、すべての市場で患者数と収益の強さが持続的に改善したため、収益は120億5,000万リンギットの2桁成長を記録しました。
以下、Geminiに IHHヘルスケアの概要と歴史をまとめてもらった。
IHH Healthcareの概要と歴史
IHH Healthcareは、世界有数の民間医療サービスプロバイダーです。多様な医療サービスを提供しており、その規模とグローバルな足跡は、同社をヘルスケア業界における主要なプレーヤーとして位置付けています。
概要
多様な医療サービス: 病院運営、医療保険、医薬品製造など、ヘルスケア領域における幅広いサービスを提供しています。
グローバルなネットワーク: マレーシアに本社を置きながら、トルコ、シンガポール、インドなど、世界各地に医療施設を展開しています。
高品質な医療: 先進的な医療技術と経験豊富な医療スタッフによって、高品質な医療サービスを提供することを目指しています。
歴史
IHH Healthcareの歴史は、マレーシアにおける医療サービスの成長と発展と深く結びついています。
設立: IHH Healthcareの前身となる企業は、マレーシアにおいて設立されました。
成長と拡大: 積極的なM&A戦略を通じて、事業規模を拡大し、海外市場への進出を加速させました。
グローバルな医療グループへ: トルコのAcibadem Healthcare Groupを買収するなど、大規模な買収を行い、世界的な医療グループへと成長しました。
特徴
多文化環境: 世界各地で事業を展開しているため、多様な文化背景を持つ患者に対応できる体制が整っています。
先端医療: 最新の医療機器を導入し、高度な医療技術を提供しています。
患者中心の医療: 患者中心の医療サービスを提供することを重視しており、患者満足度の向上に努めています。
強み
グローバルなネットワーク: 世界各地に医療施設を持つことで、患者はより身近な場所でIHH Healthcareのサービスを受けることができます。
専門性の高い医療スタッフ: 各分野の専門医が多数在籍しており、高度な医療サービスを提供することができます。
財務基盤の安定性: 堅実な財務基盤を持つことで、長期的な成長を支えています。
IHH Healthcare は、積極的に M&A を活用して事業規模を拡大し、海外市場への進出を加速してきました。その主な買収案件は以下の通りです。
2012年: トルコの Acibadem Healthcare Group を買収。
2015年: インドの Global Hospitals Group を買収。
2018年: シンガポールの Parkway Pantai Limited を買収。
2021年: マレーシアの Timberland Medical Centre を買収。
これらの買収により、IHH Healthcare はグローバルなネットワークを構築し、多様な医療サービスを提供できるようになりました。また、これらの買収は、IHH Healthcare の財務基盤を強化し、将来の成長を支えることにも貢献しています。
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