企業研究|アフィン銀行(Affin Bank Berhad、Busra:5185) [更新]
東南アジア株式新聞 2025年5月19日
企業研究|アフィン銀行(Affin Bank Berhad、Busra:5185)
マレーシアのイスラム銀行専業の代表格
2024年にサラワク州が大株主となった
グループの主要銀行は、アフィン・バンク、アフィン・イスラミック・バンク、アフィン・ホワン・インベストメント・バンクの3つ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と提携
5月19日発表:
アフィンGの2025年第1四半期(2025年3月31日終了)、税引き前利益が1億7,820万リンギット
https://affin.listedcompany.com/newsroom/PressRelease1Q25.pdf
AFFINグループは、2025年3月31日を期末とする会計年度において、ザカート(喜捨)控除後の税引前利益(PBT)が1億7,820万リンギットとなり、前年同期の1億4,400万リンギットから3,410万リンギット(23.7%)増加したと報告した。
PBTの増加は主に、純利益が3,940万リンギット増加したことによる。
MUFGと協働関係を強化、人材交流も
MUFG Bank (Malaysia) Berhadの3月19日の発表:
AFFIN BANK と MUFG BANK (マレーシア) がマレーシア-日本間で協働強化の覚書
https://www.bk.mufg.jp/malaysia/pdf/20250319_mou_affinbank_and_mufg.pdf
アフィン銀行と、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社であるマレーシアMUFG銀行(マレーシア)は本日、業務協力を促進し、共通の成長機会を推進するための覚書(MoU)を締結したことを発表した。
この協力の下、アフィン銀行とMUFGは、日本とマレーシアの産業マスタープランに沿った戦略的分野における業務協力を推進する。
今年1月に石破首相がマレーシアを訪問し、連携強化について議論したことを受けた銀行間提携だ。
発表分の中で、両行は、人材交流を含め、金融人材の育成でも協力すると言っている。
さらに、MUFG銀行マレーシアは3月26日に、MUFG N0W(Net Zero World)というイベントをサラワク州クチンで開催した。
https://www.bk.mufg.jp/malaysia/pdf/0325_pr_mufgn0w_pr_final.pdf
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の子会社であるMUFG Bank (Malaysia) Berhadは、サラワク州クチンで開催されたMUFG N0Wカンファレンスに、100名を超えるビジネスリーダー、政策立案者、業界専門家、パートナーを集めました。
MUFG N0W(Net Zero World)は、アジアの持続可能な開発における課題と機会に対し、官民の連携を促し、地域におけるネットワーキングとソートリーダーシップを促進する、同行の旗艦プラットフォームです。
今年のクチンでのセッションは、昨年3月にマレーシアで初めて開催されたMUFG N0Wの成功に続くものです。
2024年通年で税引き前利益が前年比35%増加
2025年2月25日の発表:
アフィングループ、2024年度 税引前利益7億100万リンギットを発表
https://affin.listedcompany.com/newsroom/PressRelease4Q24.pdf
AFFINグループは、2024年12月31日終了の会計年度(2024年度)に 7億100万リンギットのザカート(喜捨)後のPBT(税引前利益)を記録しました。
これは、前年度(2023年度)の5億1,830万リンギットから35.3%の増加となります。
総融資額と資金調達額は前年比8.1%増の720億リンギットとなりました。
総資産は2024年12月31日時点で1,118億リンギットと記録されています。
アフィン銀行社長兼グループCEOのダトゥク・ワン・ラズリー・アブドラ氏のコメント:
「グループは2024年第4四半期に早期退職制度を実施し、費用は4,850万リンギットに達しました。
この一時的なコストを除けば、平年通りの営業利益は7億4,950万リンギット、前年比44.6%増となっていました。生み出された大きな利益を再投資し、バランスシートのさらなる拡大とグループのデジタル機能の強化を目指します」
「純金利マージン(NIM)の改善に向けた当グループの取り組みは、CASA(当座・普通預金)で30%の目標を破りました。これは当社の資金基盤を強化する上で重要な節目となります。
同時に、私たちは新しいデジタルトランスフォーメーションの導入によりデジタルトランスフォーメーションの旅を進めています。デジタル コアとモバイル アプリは 2025 年第 1 四半期にリリースされ、2025 年にグループの成長を加速させます」
1−9月では、税引き前利益が前年同期比10%増
11月22日発表の第3四半期ニュースリリース:
アフィン・グループ、2024 年 9 月 30 日までの 9 か月間で RM494.7 百万の税引前利益
https://affin.listedcompany.com/misc/PressRelease/PressRelease3Q24.pdf
AFFINグループは、2024年9月30日までの9か月間(2024年9月期)でザカート(喜捨)控除後の税引前利益(PBT)が4億9,470万リンギットとなり、前年同期(2023年9月期)の4億4,970万リンギットと比較して10.0%増加しました。総資産は1,121億リンギットとなり、前年同期の1,021億リンギットから9.7%増加し、継続的な事業成長を反映しています。
アフィン銀行社長兼グループCEOのダトゥク・ワン・ラズリー・アブドラ氏のコメント:
「当四半期の業績は、AX28計画の戦略的柱である比類のない顧客サービス、デジタルリーダーシップ、影響力のある責任ある銀行業務(Responsible Banking With Impact)に向けた当社の進捗状況を強調しています。機敏な実行と強固なバランスシートに牽引された当グループの変革の旅は、マクロ経済的および地政学的課題に直面しても、持続可能な成長を達成するための前向きな軌道に乗っています。
2024年9月3日に当社のプライベートバンキング部門であるAFFIN Diventiumを立ち上げたことで、当社のビジネスモデルはさらに多様化し、超富裕層の個人の高度なニーズに応えます。この戦略的な動きは、AFFINグループのビジネスの勢いに貢献するでしょう。」
アフィン・グループは9月にプライベートバンキング部門を立ち上げた、と言っている。
サラワク州が約31%の大株主に
9月27日のプレスリリース:
サラワク州政府がアフィン社の株式購入契約を締結、財務状況を強化し、比類ない顧客サービスのための重要な一手
AFFINは、サラワク州政府がその完全子会社であるSG Assetfin Holdings Sdn Bhd(「SAH」)を通じて、Lembaga Tabung Angkatan Tentera(LTAT)とBoustead Holdings Berhadが所有するAFFIN株の株式購入契約(SPA)を締結し、約31%の株式を保有する筆頭株主になったことをお知らせします。
買収前、サラワク州政府はAFFINの4.81%の株式を保有していました。SPAの締結により、その株式は約31%に増加し、大きな前進を示しています。
この戦略的動きはAFFINにプラスの利益をもたらし、その成長を加速させ、銀行業界における大手金融機関としてのAFFINの地位を強化することが期待されます。
東南アジア株式新聞 2024年9月24日
9月23日、マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)の話題の中心は、サラワク州によるアフィン銀行への投資引き上げだった。同州はアフィン銀行の最大株主をめざしている。
23日、24日と株価は大きく上昇した。
The Edge Malaysia の9月23日の記事:
Sarawak to finally ink deal to raise stake in Affin Bank to around 30% on Friday
サラワク州、金曜日に、アフィン銀行の保有株式を約30%に引き上げる契約を最終締結へ
クアラルンプール(9月23日):サラワク州は、長い待ち時間を経て、金曜日にようやくアフィン銀行(KL:AFFIN)の株式を約30%に引き上げる契約を正式に締結する。
メディア向けのイベント招待状によると、州は同日、クチンでアフィン銀行の株主2社、レンバガ・タブン・アンカタン・テンテラ(LTAT)とブステッド・ホールディングス(Boustead Holdings Bhd)と売買契約を締結する予定。
LTATは現在、アフィン銀行の株式28.88%を保有しており、LTATが100%所有するブステッドは約20%を保有している。
エッジ紙が1月31日に関係者の話として報じたところによると、サラワク州はブーステッドが保有するアフィン銀行の株式20%すべてとLTATの株式の一部を取得し、LTATを抜いて同銀行の最大株主となり、株式の約30%を保有することになる。
サラワク州は現在、アフィン銀行の株式をわずか4.8%しか保有していない。
アフィン銀行の第2位の株主は香港に拠点を置く銀行、東亜銀行で、23.93%の株式を保有している。
サラワク州のタン・スリ・アバン・ジョハリ・トゥン・オペン首相が土曜日、同州で記者団に対し、州によるアフィン銀行の株式取得を「1週間以内」に正式に発表する予定であると述べた後、同株は月曜日に急騰した。首相は、マレーシア中央銀行(BNM)を含め交渉はすべてまとまった、と述べた。
同株は月曜日、4.5%上昇してRM3で取引を終え、時価総額は約72億RMとなった。
サラワク州は、ボルネオ島にある1つの州で、面積はマレーシア13州の中で最大だ。
州都はクチン。
同州は隣のサバ州とともに、マレー系以外の原住民が多く、連邦政府から独立した大きな自治権を持っている。
上記の記事では、サラワク州が銀行の大株主になる理由にも言及している。
今年初めの記者会見で、サラワク州が他の州と異なり銀行の株式保有に熱心な理由を尋ねられたアバン・ジョハリ氏は、過去にはバンク・ウタマやワタット銀行など6行もの銀行がサラワク州から誕生した経緯を語った。
「[アジア通貨危機後に]これらすべての銀行を統合するという[連邦政府の]政策があったとき、我々の銀行はすべて大手銀行に飲み込まれた ― 飲み込まれたという言葉を使ってよいのなら。 「中小企業やサラワク州の事業活動を促進するためには銀行が必要だと感じている」と彼は語った。
マレーシアでは、経営安定した国際競争力のある金融グループを作るため、2000年に中核銀行10行の傘下に他の銀行を統合する銀行再編を行った。
サラワクにあった比較的小規模な銀行はそれらの傘下に統合されてしまったことを、州首相は語っている。
そのサラワク州が大株主になるアフィン銀行は中核銀行の1つだ。
東南アジア株式新聞 2024年8月24日
2024年上半期決算ニュースリリース 8月23日発表
アフィングループ、2024年上半期の税引前利益が2億9,310万リンギットと発表
AFFINグループは、2024年6月30日までの6か月間(2024年上半期)でザカート(喜捨)後の税引前利益(PBT)が2億9,310万リンギットとなり、前年同期(2023年上半期)の3億4,570万リンギットと比較して15.2%減少しましたが、これは主に純金利マージン(NIM)の縮小によるものです。
グループの戦略的成長への注力は、総資産が前年同期の1,009億リンギットから7.2%増加して1,082億リンギットとなったことからも明らかです。これは、ローンおよび資金調達ポートフォリオが10.5%増加して690億リンギットに達したことが要因です。
東南アジア株式新聞 2024年6月11日
マレーシアの代表的なイスラム銀行専業のアフィン銀行(Affin Bank Berhad、Bursa: 5185)が、運用会社クロスライト・キャピタルと組んで、暗号通貨のETF(クリプトETF)などデジタル資産に投資するアクティブファンドの提供を始める。
米国や香港市場のクリプトETFが注目されているが、値動きが激しい資産クラスだけに実際の投資は難しい。
だが、株や債券など伝統的金融商品と全く違う値動きをするクリプトは、長期投資家の分散ポートフォリオ内でヘッジ効果が期待できる。
そこで、この分野に強い運用会社にアクティブファンドの運用を任せ、長期投資をする富裕層に提供することにしたようだ。
「クリプトETF」は目を引くが、富裕層しか相手にしていないとわかると少し関心が薄れるようで、銀行の株価にはほとんど影響していないように見える。
6月10日のアフィン銀行の発表文より(日本語訳):
Cross Light Capital と Affin Bank Berhad は、マレーシア初のアクティブ運用デジタル資産ファンドの立ち上げを発表しました。
この革新的なファンドは、マレーシアで初めて、AFFIN INVIKTA™ の顧客にデジタル資産への前例のない「トリプルプレイ」投資機会を提供する予定です。
AFFIN BANK は、AFFIN INVIKTA™ を通じて、Cross Light Capital のデジタル資産ファンドを配布し、ビットコイン、イーサリアム、ブロックチェーンに公開されている上場企業など、多様な投資への初めてのアクセスを顧客に提供します。
この取り組みは、AFFIN BANK が金融イノベーションの最前線に立ち続け、顧客に最先端の投資機会を提供するというコミットメントの証です。
※ AFFIN INVIKTA™は、富裕層向け運用サービス。
ところで、「どうせならクリプトETFを提供すればよいのに」と思ったが、調べてみると、マレーシアでは現状、無理のようだ。
NSTの3月25日の記事:
Bursa Malaysia says no to cryptocurrency on multi-asset exchange [BTTV]
(マレーシア証券取引所、マルチアセット市場でのクリプト上場にノー)
<マレーシア証券取引所の最高経営責任者(CEO)(敬称ダトゥク)ムハマド・ウマル・スウィフト氏は、同取引所は仮想通貨や上場投資信託(ETF)の提供を検討したが、目標に沿わないためその道は断念したと述べた。>
「仮想通貨は実際の資産ではなく、本質的な価値はありません。取引所は人々が資金を調達できるように設計されており、取引だけが目的ではありません」と、同氏は語ったそうだ。
だからこそ、アフィン銀行のデジタル資産ファンドは、マレーシアの富裕層投資家がクリプトに投資するための選択肢になる可能性があるりうる。
5月21日発表のアフィン銀行の第1四半期業績は、微妙な内容(前年比、売上微増、利益減少)だった。
https://affin.listedcompany.com/news.html/id/2495360
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