日銀が利上げすれども為替は円安へ(2025/12/19)
日銀が利上げすれども為替は円安へ(2025/12/19)
日本時間 19日お昼前、日本銀行が利上げした。
政策金利:0.5%➔0.75%
30年ぶりの水準だそうだ。
ついでに、今後も金融政策正常化(段階的利上げ)を続けると発表した。
発表後、(1.97台まで到達していた)長期金利(10年金利)は、2%台に乗った。
19年ぶりだそうだが、これは予想されていた通り。
株は発表後大きく上げ、前日比1%高で引けた。
かつては利上げ➔株安だったが、長く予告したあげくの 0.75%だと誰も気にしない、
ということらしい。
奇妙なのは為替だ。
ドル円相場は、今日朝には155円半ばだったが、利上げ発表後、一時156円台と円安方向へ動いた。
通常、日本の利上げ=日米金利差の縮小なので、円高(と言えないまでも円安ストップ)要因のはずだが、逆方向へ動いた。
来週の市場を見てみないと、はっきりした傾向はわからないが、
利上げでも円安が止まらない、ということなのか。
そうであるなら、残る円安を止める手段は財政健全化しかない。
当然ながら「積極財政」を掲げる高市政権では円安は止まらない。
だが、今や日本の政界はポピュリスト政治家が全盛で、選挙での人気取り政策に集中する傾向がある。
他の首相に代わったところで財政健全化(増税や政府支出削減)は無理だろう。
長期的な円安トレンドは変わらないと予想する。
東南アジアで報道された日銀の利上げ
東南アジアのメディアの報道を見てみよう。
こちらで報道される日本の金融をテーマにした記事は、
通信社電をそのままか、ベースにして記者が編集したものがほとんどなのだけれど。
それでも、東南アジアのメディアが日銀の利上げに関心を持っていることはわかる。
CNAの12月19日の記事(東京発ロイター電がベース):
日本銀行、金利を30年ぶりの高水準に引き上げ、更なる利上げを示唆
日本銀行は12月19日(金)、過去30年で最大の利上げ水準に政策金利を引き上げ、更なる利上げへの準備が
あることを示唆した。
これは、数十年にわたる巨額の金融緩和とほぼゼロの借入コストに終止符を打つ画期的な一歩となる。
この動きは、日本が賃金上昇に支えられ2%のインフレ目標を安定的に達成できる軌道に乗っており、
金融政策の正常化を継続する準備ができているという日銀の確信を改めて示すものとなった。
この記事では、為替と長期金利のことを淡々と伝えた。
「政策発表後、円は0.3%以上下落し、1ドル=156.02円となった。これは市場では
ほぼ織り込まれていた。
指標となる10年国債利回りは3.5ベーシスポイント上昇し、2.0%となり、2006年5月以来の
高水準となった。」
次は、少しだけ時間が経過した後の記事だ。
The Edge Malaysia の12月19日の記事(東京発ロイター電がベース):
日銀の利上げで日本の10年国債利回りは1999年の高水準に、ハイテク株が日経平均株価を牽引
日本銀行が政策金利を30年ぶりの高水準に引き上げ、さらなる金融引き締めを示唆したことを受け、
日本の10年国債利回りは金曜日、26年ぶりの高水準に急上昇した。
半導体メーカーのマイクロンが予想を大きく上回る見通しを示したことを背景に米国株が前夜に急伸したこと
を受け、日経平均株価は人工知能(AI)関連銘柄に牽引されて上昇した。
10年国債利回りは序盤の上昇幅を拡大し、一時5.5ベーシスポイント上昇の2.02%と、
1999年8月以来の高水準をつけた。2%という水準は、日本が数十年にわたりデフレと闘ってきた中で、
象徴的な上限として機能してきた。
しかし、円は当初の反射的な上昇からすぐに反転し、1ドル=156.19円まで0.4%下落した。
「円は当初の反射的な上昇からすぐに反転し、1ドル=156.19円まで0.4%下落した。」と
円安へ振れたことを書いている。
これに関連し、こちらの記事では、インベスコのストラテジストのコメントを引用している。
「日銀の緩やかな金融引き締めは、金利差がワイドなままであることや市場ボラティリティの低下と
相まって、円安傾向を維持する可能性がある」
東南アジア通貨に対しても円安進む
実は、東南アジアの主要通貨に対して日本円はこの数カ月で大幅に安くなっている。
Google Finance で、
マレーシアリンギ(MYR)、タイバーツ(THB)、日本円(JPY)の対ドル為替レート推移を
6カ月間のグラフにしてみた。
この6カ月間、
MYRとTHBは対ドルで4%上昇。
日本円は7%超下落。
アジア新興国通貨は、特に日本から見ると、もはや安くない。
![]() |
| 各国通貨の対ドルレート6カ月推移(Google Finance で作成) |

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