タイの新名所 One Bangkok 訪問記
東南アジア株式新聞 2025年1月1日
タイの新名所 One Bangkok 訪問記、バンコクの”ヒルズ”プロジェクトは既存モールに勝てるのか
2024年12月28、29日にタイの首都バンコクの新商業施設『ワン・バンコク( One Bangkok)』 を訪れた。
「The Heart of Bangkok」(バンコクの心臓)を自称するワン・バンコクは、投資会社TCCアセッツ(タイ)・カンパニーと不動産デベロッパーのフレイザーズ・プロパティによる巨大プロジェクトで、同年10月25日に開業した。
施設のコンセプトは、東京で森ビルがやっている〇〇ヒルズと基本的に同じで、高級ホテル・オフィス・レジデンス・ショッピングモール・国際会議場施設を一か所にまとめている。
まずは富裕層・高額所得者を住民や通勤者として囲い込む。ホテルとモール、それに会議場部分で外部からの客も呼び込む。
個人的な関心は、バンコク中心部の既存のモールに集客力で勝てるのか、という点だ。
駅から直結で便利、日本の店が多い
2週間前くらいに急に思い立ってバンコク旅行を決めたため、また年末休暇シーズンでもあり、中心部のホテルは高かったため、ドン・ムアン空港近くのホテルに滞在した。
せっかくなので電車で行くことにした。
ドン・ムアン空港からレッドラインでバンスー駅まで。
バンスーでMRTブルーラインに乗り換えてルンピニ駅へ。
1時間と数10分かかるが、レッドラインもブルーラインもVISAかマスターのカードでそのまま乗れるため切符を買う手間はいらない。
ワン・バンコクはルンピニ駅から直結で行ける。
もちろんバンコク中心部からならGrabで車を簡単に呼べるので、車でも比較的安価で行ける。
観光客など外部からの客にとってもアクセスは便利だ。
商業エリアと庭園など共有部分を見て回ったが、それほど広大ではない。
イベント会場にもなる庭園(日本でいう2階)をコの字型に囲んでいくつも建物がある。
2つのモール(パレードとストーリーズ)は、外の入口が違うが内部で連結している。
さて、駅からパレードに入るところから。
少し驚いたのは音声アナウンス。「小さなお子様連れのお客様は・・・」と日本語が聞こえてきた。
MITSUKOSHI DEPACHIKAという日本の食品・食材売り場、MUJI、ニトリ、ツルハ薬局、その他日本のレストランが多い。
ストーリーズ側は、有名ファッション・ブランド店が多い。
そちらにも、ラーメンやしゃぶしゃぶなど日本のレストランがある。
総じて日本の店が多い。
通路スペースにはアートやオブジェが配置され、家族・友人で写真を撮る光景も見られた。
年末休暇シーズンであったためか、全般に客は多くいた。
だが、特別に多く客が集まるような店・施設は見当たらなかった。
既存の巨大モールの魅力
比較対照するため、30日には既存の巨大ショッピングモールを訪れた。
MRTスクンビットで、BTSに乗り換え、チットロム駅(セントラル・ワールドに近い)かサイアム駅(サイアム・パラゴン直結)へ。
(BTSはまだカードそのまま乗車に対応していないが、チケット販売機でQR支払い> アリペイ(私が使っているマレーシアのTNGアプリでQRを読める)を選んでキャッシュレスで済ませた)
パラゴンとセントラル・ワールドはそれぞれ巨大だ。
やはり集客力はこちらのモール2つのほうがワン・バンコクを上回っている。
魅力は、囲い込みの反対、外部との接続性にあると思う。
とりわけチットロム駅からだと、モールやその他の大型商業施設、高級ホテルへ、空中の屋根付き通路(巨大な陸橋)でつながっている。
(念の為。バンコクの道路は常時、四輪・二輪・三輪の車両がひしめき、下の道路をわたるのはほぼ無理だ)
この通路を多くの人が利用し、一度の訪問で複数の施設へ行けることにより、エリア一帯で集客力を上げている。
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セントラル・ワールドから外を見る (カウントダウン・イベント用の櫓や、左奥に空中通路が見える) |
バンコクという巨大都市の機能向上の観点から言えば、一か所囲い込みもエリア集客も両方あって良いのだろう。
ただ、短期滞在の観光客としては、名所を回りやすいエリア集客型が好ましいように思う
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