インドネシアで多発する山火事、マレーシアに深刻なヘイズもたらす

 

インドネシアで多発する山火事、マレーシアに深刻なヘイズもたらす

東南アジア株式新聞 2026年8月25日


最近、マレーシアがヘイズに覆われる日が多い。

ボルネオ島(カリマンタン島)のインドネシア側で多発する山火事の煙が北西方面へ流れ、

マレーシアに深刻なヘイズをもたらしている。


(wild fire を「山火事」と訳したが、山とは限らないようでもある。

インドネシアに、農業用地などを作るため、ジャングルの一部を燃やす人・企業がいるらしい。)


クアラルンプールが世界一、大気の質が悪い都市になることも増えた。


8月25日午前10時頃(マレーシア時間)の世界の大気質ランキング | IQAir 日本


   
IOAirサイトより、2026年8月25日
IOAirサイトより


マレーシアでヘイズが深刻な問題として意識され始めたのは少し前のことだ。


8月半ば、大気汚染が危険値に達したため、ボルネオ島のサラワク州で、108の学校が閉鎖された。

8月12日のKL発ロイター電:

Malaysia's Sarawak shuts 108 schools as haze worsens, state media says | Reuters

隣国インドネシアの森林火災による煙霧の悪化から子供たちを守るため、マレーシアのサラワク州では

100校以上が閉鎖されたとマレーシア国営通信社が報じた。


その後、10日間以上経過しても、事態はあまり改善していない。


The Star 8月23日の記事:

Seven areas in Malaysia record unhealthy API readings as of 9am | The Star

マレーシアの大気汚染指数管理システム(APIMS)によると、8月23日(日)午前10時時点で、マレーシア国内の

7つの地域で大気汚染指数(API)が健康に有害なレベルを記録した。


  • サラワク州では、セリアン(API値194)、クチン(183)、スリ・アマン(177)、

サマラハン(175)の4地域で健康に有害なレベルを記録した。

  • セランゴール州では、ジョハン・セティアでAPI値157、ケダ州ではスンガイ・ペタニで

API値140、ペラ州ではタイピンでAPI値121を記録した。

  • API値は、0~50が良好な大気質、51~100が普通、101~200が不健康、

201~300が非常に不健康、300以上が危険と分類される。



東マレーシア=ボルネオ島は、インドネシアのカリマンタン島と同じ島だ。

そのカリマンタンで山火事が相次ぎ、その煙が流れてサラワク州など東マレーシアを覆い、

そして、半島部のクアラルンプールまでも大気汚染が目に見えるようになった。


   
ヘイズで霞むメルデカ・メイバンク・タワー。2026年8月25日午後6時。
ヘイズで霞むメルデカ・メイバンク・タワー

上の画像は、25日午後6時ごろ撮影したが、

同タワーは、晴れた日ならこの時間も太陽光に照らされている。



インドネシア国軍が山火事対応に出動、マレーシアも協力


The Straits Times の8月22日(土)の記事:

Indonesia deploys 1,500 soldiers to tackle Borneo wildfires | The Straits Times

インドネシア政府は、ボルネオ島に1,500人の兵士を追加派遣すると、当局者が8月22日に発表した。

これは、島内の広範囲を焼き、一部地域を濃いスモッグで覆っている山火事への対応を支援するためだ。


  • 1月から7月にかけて発生した山火事は、首都ジャカルタの3倍の面積に相当する20万ヘクタール

以上を焼き尽くした。強力なエルニーニョ現象による乾燥状態が続いていることが原因だ。

  • 内閣官房長官によると、プラボウォ大統領は8月22日、山火事対策会議を主宰するため

ボルネオ島を訪問し、部隊の増派を指示した。

  • インドネシア国軍の3個大隊、約1,500名の兵員が22日よりカリマンタン島外から追加で

派遣されることになった。



CNAの8月24日の記事:

Indonesia to open airspace for cloud seeding to tackle haze, Malaysia says - CNA

マレーシアの環境大臣が24日(月)に発表したところによると、インドネシア政府がマレーシアの機関に対し、

インドネシア領空への立ち入りと人工降雨作業の実施を正式に許可した。

これは、両国が地域を覆う煙害対策の一環として行われている。


インドネシアは、森林火災や山火事によって発生した煙害の拡大を抑制するため、対策を強化している。今月、この煙害により、隣国マレーシアを含む多くの学校で休校措置が取られた。


  • マレーシアの国家災害管理庁と気象局は現在、国境地帯における人工降雨作戦のスケジュールを

準備していると、天然資源・環境持続可能性大臣のアーサー・ジョセフ・クルップ氏が声明で

述べた。この作戦はインドネシア軍と連携して実施される。

  • クルップ大臣は、両国は今後数週間の祝日、特に9月16日のサラワク州でのマレーシア・デー

祝賀行事を前に、消火活動と火災予防対策を強化すると述べた。

  • ボルネオ島に位置し、インドネシアのカリマンタン州と国境を接するサラワク州は、

煙害による被害が最も深刻だ。

  • 環境省が発表したデータによると、サラワク州の6つの地区で月曜日に大気汚染指数(API)が

健康に有害なレベルに達した。

  • マレー半島4州の他の8つの地区でも、同様に健康に有害なレベルのAPIが記録されたことが

データで明らかになった。




インドネシアは山火事に関与した人と企業を取締強化


CNAの8月24日の記事:

Indonesian police arrest 72 people suspected of starting forest fires - CNA

インドネシア警察は23日(日)、森林や泥炭地で発生した大規模火災に関与した疑いで72人を逮捕した。

同国中部および西部では大規模な火災が発生し、深刻な煙霧が発生している。


  • インドネシア国家災害対策庁(BNPB)によると、インドネシアではエルニーニョ現象の激化と

長期にわたる乾季の影響で火災が発生しており、発生した濃い煙はマレーシアにまで

達している。

  • 国家警察犯罪捜査局特別犯罪課長のモハマド・イルハムニ氏によると、農地を開墾するために、

農園主や伝統的な農民がしばしば火を放つという。

  • 放火容疑者らはボルネオ島5州とスマトラ島4州で発生した89件の森林火災および土地火災事件

に関連して捜査を受けている。

  • 同氏によれば、容疑者のほとんどは、低コストで農地を開墾するために意図的に土地を

焼き払った疑いが持たれている。

  • 捜査当局は、企業が土地の開墾に資金提供や指示を行ったかどうかを判断するため、

依然として財務記録の追跡調査を進めており、捜査は逮捕された人物以外にも拡大する

可能性があることを示唆している。

  • 「現場の実行犯だけに留まるつもりはない」と、イルハミ氏は首都ジャカルタでの記者会見で

述べた。

「これらの活動から誰が利益を得たのか、最終的に誰がその背後にいたのかを突き止める」

  • 容疑者らは、高額の罰金から最長15年の懲役刑まで、様々な刑罰が科される可能性がある。



インドネシア国営アンタラ通信の8月24日の記事:

Indonesia targets 30 companies over forest fires, seeks fines - ANTARA News

インドネシア政府は今年、森林火災や土地火災に関与した企業約30社に対し、国家損失賠償と環境復旧費用として約15兆ルピア(約8億4790万ドル)の賠償を求める法的措置を講じている。


  • モハマド・ジュムフル・ヒダヤット環境相は月曜日、南カリマンタン州バンジャルバルで

山火事対策活動を視察した後、法的請求額には国家の直接損失に対する5兆ルピア

(約2億8260万ドル)と環境復旧費用約10兆ルピア(約5億6530万ドル)が含まれると述べた。

  • 「企業は国家損失を補償し、環境復旧費用を負担しなければならない」とヒダヤット環境相は

述べ、全国的な取り締まりは違法な土地焼却の禁止を厳格に執行することを目的としている

と強調した。

  • 今年これまでに南カリマンタン州で焼失した面積は約8,000ヘクタールで、

2023年の深刻な乾季に焼失した19万ヘクタールと比べると大幅に少ない。

  • 「これまでに8,000ヘクタールが焼失したが、2023年の水準には達しないことを願っている」と

ヒダヤット氏は述べ、地元の関係者に対し、引き続き共同で予防活動に取り組むよう呼びかけた。


これと同じ企業を指しているのかは不明だが、インドネシア政府は森林利用事業許可業者にも

罰を課した。


アンタラ通信の8月25日の記事:

Indonesia sanctions 6 firms after 1,511 hectares burn in Kalimantan - ANTARA News

森林省は、カリマンタン州の各社の事業区域で発生した1,511.55ヘクタールに及ぶ森林火災を受け、

森林利用事業許可(PBPH)保有企業6社に対し制裁措置を科した。


  • 同省の森林監督・行政制裁・民法担当局長、アルディ・リスマン氏によると、

西カリマンタン州のPT WEL、PT FI、PT MPK、PT WSPの4社に対し行政制裁を科した。

中央カリマンタン州のPT NESと東カリマンタン州のPT PSRにも制裁が科された。

  • 「政府による強制措置は、企業に対し、防火システムの改善や被災地の復旧を定められた

期限内に行うことなど、特定の義務を遵守することを求めるものだ。

PT MPKの場合、火災の規模と頻発を鑑み、営業許可を停止し、政府による強制措置を講じた」

と、リスマン氏。

  • 「我々は行政処分を用いて修復、復旧、法令遵守を徹底させるが、

犯罪行為が発覚した場合は刑事手続きを進める。

これは、森林を故意に焼き払ったり、火災や地域への被害から利益を得たりする者への警告

でもある。我々は証拠に基づいて捜査を行い、処罰する」。






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