ジョホール金融特区フォレストシティの受難【更新】

ジョホール金融特区フォレストシティの受難

東南アジア株式新聞 2026年8月1日


マレー半島の南端ジョホール州にあるフォレストシティは昨年から金融特区となっている。


フォレストシティは同州と中国の大手不動産の合弁で複合都市を作る計画だった。

だが、中国側の事情で頓挫し、「ゴーストタウン」化したと評判を落とした。

昨年からJS-SEZ(ジョホール‐シンガポール経済特区)内の金融特区として再活性化が図られていた。


そんな中で、最近、2つの不幸がフォレストシティを襲った。

1つは、オンライン詐欺集団の拠点になっていたことが発覚したこと。

もう1つは、イスラム教の国マレーシアと国交のないイスラエル人の入国騒ぎだ。


    

Google Mapより
Google Mapより


東南アジア株式新聞 2026年7月31日

オンライン詐欺拠点になっていた!


NST Online の7月28日の記事:

Forest City scam centres busted, 335 arrested

フォレストシティの改装されたアパートやバンガローを拠点に活動していたオンライン詐欺グループが摘発され、

偽の仮想通貨投資や海外の被害者を狙った恋愛詐欺などの手口が明らかになった。

ジョホール州警察署長のダトゥク・アブ・ラハマン・アルサド氏は、

逮捕されたのは中国人309人、インドネシア人19人、ミャンマー人4人、マレーシア人3人で、

年齢は20歳から58歳だと述べた。

容疑者らは7月15日、犯罪組織の活動拠点として使われていたアパート27戸とバンガロー5棟を同時に捜索した

際に拘束されたという。

「今回の作戦で、オンライン詐欺に関与していた2つの犯罪組織が摘発された。

これらの組織は、特に中国とインドネシアの海外の被害者を標的とした、不正な仮想通貨投資スキームや

恋愛詐欺などを行っていた。」


今回のジョホール警察の捜査で以下のことが明らかになった。

  • コンピューター313台、携帯電話1,557台、ノートパソコン17台、モデム10台、

マツダCX-8スポーツユーティリティ車1台、その他推定100万リンギ相当の機器が押収された。

  • 偽の仮想通貨取引を行っていたとみられる犯罪組織には、容疑者279人が関与し、

投資詐欺と恋愛詐欺をしていた。

  • 2つ目の犯罪組織には容疑者56人が関与、うち54人が中国人、2人がマレーシア人だった。

  • このグループは法律事務所を装い、海外の被害者に対し偽の投資や仮想通貨投資を持ちかけて

いた疑いがある。



東南アジアのオンライン詐欺グループはこれまで、

カンボジアとミャンマーを中心に拠点を持ち、その周囲のタイとラオスあたりにも存在していた。


この1~2年、中国と米国から圧力を受け、それらの4カ国が捜査・摘発を急いでいる。

拠点は壊滅し、強制労働させられていた人たちが逮捕され、出身国へ強制送還されている。


だが、犯罪グループの幹部が逃亡しているケースが多い。

その一部が、近隣のマレーシアの、「投資してくれる外国人歓迎」のフォレストシティに

目をつけたということらしい。




マレーシアのジョホール金融特区にイスラエル人が潜入?

東南アジア株式新聞 2026年7月15日


マレーシアで奇妙な騒動が起きている。

国交のないイスラエル国籍のブロガーががジョホール金融特区フォレストシティに存在したとの疑惑が

浮上し、マレーシア内務省やジョホール州が調査を始めた。




CNA の7月14日の記事:

Malaysia probes startup community based in Johor's Forest City over alleged Israeli links - CNA

マレーシア内務省は14日(火)、ジョホール州イスカンダル・プテリに拠点を置くスタートアップコミュニティ

の運営について調査を命じた。

これは、イスラエル国籍の者が他国の二重パスポートを使って同コミュニティのプログラムに参加していた

との疑惑を受けた措置である。


  • 同省は声明の中で、「ネットワークスクール(Network School)」に対する調査が進行中

であることと、国家安全保障、入国管理法の遵守、マレーシアの入国管理施設の不正利用

といった問題には厳正に対処することを表明した。

  • 2024年に設立されたネットワークスクールは、フォレストシティに拠点を置き、

テクノロジー系創業者、リモートワーカー、コンテンツクリエイターのための、

共同生活と共同学習の場ということになっている。

  • 火曜日、ジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ州首相は、

ネットワーク・スクールの運営について当局に調査を要請し、

州政府は同組織に関する国民の懸念を認識していると述べた。


イスラエルとマレーシアは外交関係を結んでいないため、イスラエル国籍の人は、

内務省の事前許可なしにマレーシアに入国することはできない。


昨年10月、イスラエルのビデオブロガー、ヌセイア・ヤシン(Nas Dailyとしても知られる)氏が、

ジョホール州で撮影されたネットワークスクールの宣伝動画に出演したことで物議を醸した。

マレーシアのメディアのニュー・ストレーツ・タイムズが報じた。

ジョホール州のランドマークとシンガポールの景色を映したこの動画は、その後削除されたそうだ。




マレーシアの新聞メディア NST の7月15日の記事:

[UPDATED] All 266 foreigners in Forest City community hold valid papers, says Immigration

入国管理局による予備調査の結果、フォレストシティのコミュニティで検査を受けた外国人266人全員が

有効な入国書類を所持していたことが判明した。

ただし、物議を醸している「ネットワークスクール」に関する調査は継続中である。

入国管理局長のダトゥク・ザカリア・シャーバン氏は、

この検査は7月14日にイスカンダル・プテリ市議会(MBIP)、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)、

ジョホール州政府事務局、警察が参加する合同作戦で実施されたと述べた。


この調査は、ヌセイア・ヤシン(Nas Dailyとして知られる)氏が第二国籍パスポートを使用して

マレーシアに入国したとの疑惑を受けて開始された。


昨年10月、イスラエル人ブロガーのヌセイア・ヤシン(Nas Dailyとして知られる)氏が、

ジョホール州フォレストシティにあるネットワークスクールを宣伝する動画に出演し、物議を醸した。

ジョホール州のランドマークやシンガポールの景色を映したこの動画は、その後削除された。


同記事によると、(今年)「5月に、ネットワークスクールにイスラエル人が在籍しているという

新たな疑惑が浮上した」。



注目の人物は、2022年に一度、マレーシアに入国し、騒ぎを起こしていた。


マレーシアのソーシャルニュースメディア Says の2022年10月25日の記事:

Nas Daily Releases Video About M’sia After Buying A RM700K Passport To Enter The Country

ナス・デイリー(本名ヌセイア・ヤシン)は、10月22日(土)にこの動画をFacebookに投稿し、

この記事執筆時点で既に200万回以上の再生回数を記録している。

「この国を皆さんに見せるためだけに、新しい市民権を買ったんだ」とキャプションには書かれている。

4分間の動画の中で、ヌセイアはシンガポールとの海峡を挟んだ対岸に立っていた際、

イスラエル国籍を理由にマレーシアへの入国を拒否された時のことを語りながら、

カメラに向かってセントクリストファー・ネイビスのパスポートを見せている。


セントクリストファー・ネイビスはカリブ海の島国。

ナス・デイリー氏はここで国籍を取得し、そのパスポートを使って、マレーシアへ入国した。

自身が動画で語っているところによると、

その4年前にシンガポールから対岸マレーシアを見て、入国を試みたが、

イスラエルのパスポートのため拒否された。

セントクリストファー・ネイビスのパスポートを使い、マレーシア入国を果たした、

と述べている。


Saysの記事には、ナス・デイリー氏がフェースブックに投稿した写真が数点掲載されている。


当時、セントクリストファー・ネイビスのパスポートで入国した件は、マレーシア内務省も確認した。

Immigration D-G: ‘Nas Daily’ an Israeli but came to Malaysia on St Kitts passport | Malay Mail




ネットワークスクールに営業停止命令


CNA の7月18日の記事:

Network School ordered to cease operations at Forest City site over licensing breach

マレーシア当局とフォレストシティにあるネットワークスクールを巡る騒動に新たな展開があった。

ジョホール州政府は、ネットワークスクールの施設の一つが有効な営業許可証なしで運営されていたことを

発見し、同校に対し営業停止命令を出した。


  • 同校の創設者である米国人投資家のバラジ・スリニヴァサン氏は、7月18日(土)、

ネットワークスクールが閉鎖されるという報道を否定し、当局から2件の通知を受け取っており、

「両方の問題について是正期間が与えられる」と述べた。



教訓:マレーシアでのビジネスでは宗教への配慮が必須


CNAの7月29日の分析記事:

What Network School’s closure tells foreign investors about doing business in Malaysia - CNA

ジョホール州政府がフォレストシティにあるデジタルノマドコミュニティ「ネットワークスクール」の

キャンパスを閉鎖するという決定は、

マイクロソフト、グーグル、オラクルといった世界的なテクノロジー大手企業の投資計画には影響を与えない

可能性が高いものの、

マレーシアを拠点として検討している小規模投資家や起業家にとっては再考を促す要因となる可能性があると、

アナリストは指摘する。


この記事ではビジネスや不動産のコンサルタントたちの意見をまとめ、教訓を引き出している。

  • 規制や許認可の完全な遵守を確保する

  • マレーシアの連邦政府と州政府間の権限分担を理解する

  • 人種、宗教、イスラエル・パレスチナ紛争といった問題に対するマレーシアの敏感さを認識する























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