企業研究|ビングループ(Vingroup JSC、HOSE:VIC)EVビンファストと株価が連動
ビングループ(Vingroup JSC)、新興EVメーカーのビンファストと株価が連動
東南アジア株式新聞 2024年5月5日
電気自動車(EV)が、供給過剰で値下げ競争期に入りつつあるようだ。
中国メーカーの低価格モデルの投入や米テスラが低価格モデルから徹底するのではというニュースが相次いでいる。
東南アジアでは、ベトナムのビンファスト(Vinfast)がEVメーカーの代表選手だ。
だが、あまり芳しくないニュースをよく聞くようになった。
4月26日付けの日本経済新聞の記事:
ベトナム、ビンファストCEO「自社に1500億円寄付」
「ベトナムの電気自動車(EV)メーカーであるビンファストのファム・ニャット・ブオン最高経営責任者(CEO)は25日、同社に個人資産で10億ドル(約1550億円)を寄付すると明らかにした。ビンファストは先行投資がかさんで資金流出が続く。創業者の資産で苦しい経営環境を支える。」
ビンファスト株価(NASDAQ:VFS)は、2023年8月の上場時には急騰した後、急落し、現在までさえない。
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ビンファストの上場来の株価(Yahoo Financeより) |
ビンファストはNASDAQ株だから東南アジア株とは違うだろうと思う人もいるかもしれない。
実は、ビンファスト株の公開部分は一部であり、今でも62%を親会社のビングループ持ち株会社 Vingroup JSC (HOSE:VIC)が持っている。
ビンファストの株価はビングループの株価に大きな影響を与えている。
ホーチミン証券取引所のビングループ株も、ビンファスト株と同じ動きをしている。
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ビングループ株のこの1年(Yahoo Finance より) |
3月14日の日本経済新聞の記事:
ベトナム・ビンファストの会長「EV販売10万台目指す」
「ベトナムの国産車メーカーのビンファストがこのほど発表した2023年1〜12月期の連結決算は57兆ドン(約3500億円)の最終赤字だった。決算説明会でレ・ティ・トゥ・トゥイ会長は2024年の電気自動車(EV)販売目標を前年比3倍近い10万台と宣言し、「米国ではディーラーとの契約を進め、24年末までに130カ所の販売網を構築できる」と話した。」
ビンファストはベトナム国内では着実に新車販売台数のシェアを拡大している。
しかし、国外では熾烈な競争にさらされ、巨額の投資を怠れない。
そのため、冒頭の、CEOが自社に寄付というニュースになったわけだ。
CEOからの寄付という変わった資金調達は、ビングループはベトナムの巨大財閥ではあるものの、ビンファストに投資を集中し続けるのは限界があることを示している。
東南アジア/ASEAN諸国では EV普及の速度はけっして速くはない。
KLで見る限り、たまにテスラやBYDの展示会を見るが、道路にいるのはほとんどガソリン車とハイブリッド車だ。
とはいえ、人口1億人で経済成長中のベトナムをホーム市場としているのは強み。目論見通り米国である程度存在感を示せるようにならば、(親会社も含めて)株価の回復も期待できるだろう。
以下、Gemini にビングループについてまとめてもらった。
Vingroup JSCについて
Vingroup JSCは、ベトナム最大の民営企業グループであり、多角化事業を展開しています。同社は、不動産、小売、医療、教育、自動車、農業、観光などの分野で事業を展開しています。
Vingroup JSCの主な子会社は以下の通りです。
Vinhomes: ベトナム最大の不動産開発会社
Vincom Retail: ベトナム最大の小売事業者
Vinmec: ベトナム最大の民間医療グループ
VinUniversity: ベトナム初の私立大学
VinFast: ベトナム初のEVメーカー
Vinschool: ベトナム最大の私立学校チェーン
Vinpearl: リゾートホテルチェーン
Vinfarm: 農業事業
VinEco: 観光事業
Vingroup JSCは、ベトナム経済の成長とともに急速に成長してきました。 同社は、ベトナムで最も成功した企業グループの一つであり、今後数年間のさらなる成長が見込まれています。
Vingroup JSCの株価は、HOSE(ベトナム証券取引所)に上場しており、2024年5月4日現在の終値は44,400 VNDです。
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