AZECプラス・オンライン会合、ASEAN各国はエネルギー確保のための地域内協力を重視
AZECプラス・オンライン会合、ASEAN各国はエネルギー確保のための地域内協力を重視
東南アジア株式新聞 2026年4月16日
4月15日、日本が議長国となり、
オンラインでアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)プラス会合が開催された。
AZECは2023年に日本が提唱して始めた脱炭素化と経済成長を両立させるための枠組みだ。
高市首相が、「アジア・エネルギー・資源供給力強靭化パートナーシップ(パワー・アジア)」
の立ち上げを発表した。
この新しい協力の枠組みでは、
日本の政府開発援助(ODA)、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、
それにアジア開発銀行(ADB)のローンなどで、
東南アジアを中心とした地域の、
原油・石油製品のサプライチェーン維持と備蓄制度の整備に金融支援する。
日本経済新聞の4月15日の記事:
政府、東南アの原油調達1.5兆円支援 日本への医療品供給維持へ
のように、日本では「1.5兆円(約100億ドル)」「日本への医療品供給維持」を強調して報道された。
東南アジアでの報道では、金額よりも地域内でのエネルギー確保について協力関係が重視された。
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| 外務省プレスリリース掲載の画像 |
日本外務省の4月15日の発表:
4月15日、午後3時00分から約60分間、高市早苗内閣総理大臣は、
アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)パートナー国をはじめとするアジア地域の首脳らとの間で
オンライン会合を行いました。
冒頭、高市総理大臣から、ホルムズ海峡を経由するエネルギーや資源の供給が滞ることの影響を
最も受けているのは、アジアであり、また、その影響は、サプライチェーンで密接に結びつく全ての国に
及ぶため、深刻な懸念を共有するアジアの国が共に対応することが必要である旨述べました。
その上で、高市総理大臣から、緊急対応と中長期な構造的対応の両輪からなる、
新たな協力の枠組みとして
「アジア・エネルギー・資源供給力強靭化パートナーシップ(パワー・アジア)」
(Partnership On Wide Energy and Resources Resilience Asia(POWERR Asia))の立上げを発表しました。
同枠組みは、アジアにおける、原油・石油製品等の調達やサプライチェーン維持のための融資などの
緊急対応や、アジア域内の原油備蓄日数の拡大に向けた、備蓄・放出制度の構築や備蓄タンクの
建設・利用、重要鉱物の確保・バイオ燃料といったエネルギー源多様化及び省エネへの取組を通じた
産業の高度化等の構造的対応に取り組むため、総額約100億ドルの金融面での協力等を行うものです。
これはアジア諸国の原油や石油製品の調達に換算すれば、最大で約12億バレル、
ASEAN(アセアン)の約1年分の原油の輸入にも相当します。
これに対し、フェルディナンド・マルコス・フィリピン大統領、
アンワル・イブラヒム・マレーシア首相、
ローレンス・ウォン・シンガポール首相兼財務大臣、
アヌティン・チャーンウィーラクン・タイ首相兼内務大臣、
レ・ミン・フン・ベトナム首相、
ジョゼ・ラモス=ホルタ東ティモール大統領、
タレク・ラーマン・バングラデシュ人民共和国首相、金民錫(キム・ミンソク)韓国国務総理を
はじめとする出席者からは、
「本会合開催への謝意と「パワー・アジア」への歓迎の意が示され、現下の課題に各国で連携して
対応していくことを確認しました。また、会合後には本首脳会合に関する議長声明が発出されました。
(以下略)
AZEC+オンライン首脳会合出席国・機関
AZECパートナー国(豪州、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、
フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の他、
韓国、インド、バングラデシュ、スリランカ、東ティモール、
国際エネルギー機関(IEA)、アジア開発銀行(ADB)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)
ASEAN各国の報道
AZECプラス・オンライン会合についてはASEAN各国のメディアが報じた。
ただし、「100億ドル」を見出しに取る記事は日本語記事からの翻訳のみ。
各国のメディア独自の報道では、
エネルギー・リスクに対応するためアジア地域内での協力の深化の必要性が強調された。
マレーシア国営ベルナマ通信:
Malaysia Committed To Strengthening Regional Cooperation Via AZEC For Stable Energy Supply-- PM
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、安定的で十分かつ強靭なエネルギー供給を確保するため、
アジア・ゼロ・エミッション共同体(AZEC)を通じた地域協力の強化に引き続き取り組むと述べた。
首相は、西アジア、特にホルムズ海峡における最近の情勢は、経済の強靭性を確保し、
国民の福祉を守るためには、安定したエネルギー供給が不可欠であることを世界に改めて認識させるものだ
と述べた。
タイのネーション:
Thailand backs Japan’s AZEC 2.0 push to boost energy security
タイは、世界市場の変動と中東情勢の緊迫化を受け、エネルギー安全保障の強化に向けた地域首脳の取り組みが
強化される中、日本が提案する「AZEC 2.0」枠組みと新たな低金利エネルギー融資措置を支持した。
アヌティン・チャーンウィーラクン首相兼内務大臣は、議長を務めた高市早苗首相の招待を受け、
4月15日(水)、首相官邸からビデオ会議形式でアジア・ゼロ・エミッション共同体(AZEC)プラス・
オンラインサミットに参加した。
インドネシアのジャカルタ・グローブ:
Indonesia Urges Deeper Energy Collaboration at AZEC Online Summit
インドネシアは水曜日、拡大アジアゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会議において、
中東情勢の緊迫化に伴う世界的なエネルギーリスクの増大に対処するため各国政府が動き出す中、
地域におけるエネルギー協力の深化の必要性を強調した。
(中略)
プラボウォ・スビアント大統領の代理として出席したアイルランガ・ハルタルト経済調整大臣は、
世界的な不確実性が高まる中で、日本が迅速に会合を招集したことを歓迎した。
ベトナム・プラス:
PM outlines three key cooperation directions at expanded AZEC Summit | Vietnam+ (VietnamPlus)
レ・ミン・フン首相は4月15日、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)のエネルギー安全保障に関する
拡大オンラインサミットに出席し、
エネルギー課題への対応とサプライチェーンの維持に向けた3つの主要な協力方向を提案した。
フン首相は、現在のエネルギー危機は短期的な混乱だけでなく、より根深い構造的不均衡と、
特にエネルギー資源へのアクセスをめぐる国家間の戦略的競争の激化に起因すると指摘した。
そして、エネルギー供給源の多様化に加え、戦略的信頼の構築、協力と対話の強化、
国際法に基づく平和的手段による紛争解決が不可欠であると強調した。
シンガポールのCNA:
Countries must work together to strengthen energy resilience amid disruptions in the Middle East: PM
シンガポールのローレンス・ウォン首相は15日(水)、
中東紛争やホルムズ海峡の封鎖による混乱がサプライチェーンを脅かしているため、
各国はエネルギーのレジリエンス強化に向けて協力する必要があると述べた。
日本が議長国を務めるアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)プラスのオンラインサミットで講演した
ウォン首相は、アジアは輸入エネルギーへの依存度が高いため、エネルギーショックに対して
「特に脆弱」であると指摘した。

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